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泥棒してもいい理由、あなたは答えられる?

World Lifeな生活
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もし、

「「泥棒する事は悪いことだ」という人の意見に反論しなさい。」

と言われたらなんと答えますか?

これは私がイギリスに留学しているときに、語学学校で実際に先生から言われたお題なんです。

「泥棒をすることが悪い」という考えはいくらでも思いつくと思いますが、「泥棒をする事がいいこと/悪くない」という考えとなるとどうでしょう?

先生は言いました。「何でもいいのよ。正解の答えはないから。ただ相手の意見に反論できればそれでいいんだから。」と。

どんな回答でもいいのです。そしたら、あなたならなんと答えますか?

ちょっと考えてみてください。

正解の答えがある日本

何か思いつきましたか?

私にとってはその「何でもいい答え」というのがめちゃくちゃ難しかったのです。「正解のない答え」を言う事が不安だったし、正解がないなら何を答えたらいいのかが分からなかったんです。

もちろん「英語で答える」という事も難しい。だけど、それ以前に英語で言う意見が見つからなかったのです。「言える意見がない」というのは、英語が話せる話せない以前の問題です。

その時初めて気づく。

「私は、いつも正解の答えを探って答えてたんだ。自分の意見って言ったことなかったんだ」と。

日本の学校での問題や質問には大抵「正解の答え」という物があります。テストの答えのような物。「あなたの意見は?」と聞かれる事があっても、それは「一般的常識で見た時の答え」を先生も期待するし、それを答えるのが「良いこと」とされる。

その「一般常識で見たときの答え」と違うことを言ってしまうと、周りは「どうしたんだ。何その答え?」のような目で見るし、先生も「一般常識で見たときの答え」へと導こうとしてくる。

だから、答える方も自然と「自分が本当にどう思っているか」よりも「一般的に正解とされる答え」を考えて答えるようになる。

これは、小学校、もしかしたらその前からずっと親や先生、周りの人たちから行われてきたことで、自分でも意識しないうちにそういう思考回路になってしまっているのだと思う。

私自身もこの事がなければ、気づかずに過ごしていたかもしれない。

そこ関係ないんだけど・・・

その事を強く確信したのは、私がしている英会話教室で英検の二次試験、英語面接の練習をしていた時。

英検の二次試験の目的は言うまでもなく「英語のスピーキング力」。つまり、英語が話せるか、使えるかを見るわけで、その意見についてはどうでもいいといえる。

例えば、「あなたはゲームをする事は良い事だと思いますか?」という質問があったとします。この場合、自分の意見なので「Yes」でも「No」でもどっちでもいいですよね。その理由がきちんと述べられればどちらの意見でも構わないのです。

でも、生徒の中には「ゲームはしない方がいいと答えた方が印象がいいよな」などと考えて、本当は自分はゲームが好きなのに「No」と答える生徒がいるのです。それも結構な割合で。

自分の意見をストレートに言わないで、余計なこと(本当はYesだけど、Noの方が印象がいいんじゃないか。どうだろうか。)とか考えているので答えるまでに時間がかかってしまいます。また、理由を聞かれても自分の思っている事じゃないので、すんなり出てこなかったりしているのです。

そういう生徒には「英語が話せるかどうかをみる面接で、バイトとか仕事の面接じゃないんだよ。あなたの生活態度とか性格をみてる訳じゃないの。どっちが正解とかないから、自分の意見を言ったらいいんだよ」と伝えます。

それでも、「う~ん、でも良い答えの方が受けがいいですよね」と、なかなかその「正解(とされる)答え」から抜け出せないのです。

「そこ、全然関係ないから!」

今の私には、英検の面接の答えはどっちでもいいし、何を答えてもいいと分かりますが、自分が学生だったらやっぱり同じように「正解の答え」や「印象のいい答え」を答えた方が良いと思っていたでしょう。

イギリスの語学学校でされた質問も同じ事だったのだと思います。「「泥棒しても良い/構わない」という意見を英語で言う」という事が重要でその内容はどうでも良かったのです。

でも、私の頭の中には「泥棒は悪いこと。泥棒してもいい理由なんてない。」と「正しい答え」的な考え方しかできず、結果、ひと言もしゃべらないままタイムアップしてしまいました。英検の面接なら不合格です。

uniqueとユニーク

「正解(とされる答え)を言う」「周りと同じ意見を言う」事は長年の学校生活で身についた、または身につけられた術なのかもしれません。そして、社会にでてからもまた日本では求められる事でしょう。

ただ、海外に行くとそれが邪魔をしてしまうのです。海外では「正解の答え」ではなく「自分がどう考えているか」「どんなアイデアがあるか」を求められます。人とは違う意見やアイデア、つまり“unique”が良い事で、同じ意見や普通の考えだと「もっと他の考えはないの?」と言われてしまいます。

この“unique”。
日本語の「ユニーク」だと、英語の“unique”とは違って、「おかしい」とか「変わってる」などマイナスな意味も含まれていますよね。

“unique”(唯一の、ただ一つだけの)が良いとされる欧米諸国と、“unique”を「おかしい」「変わってる事」とする日本。人と違うことをする事、周りと違う意見を持つ事が笑われたり、変だと思われる事をよく表している言葉だと思います。


さて、あなたは“unique”な「泥棒してもいい理由」を考えることができましたか?

私は今考えると、「悪いことをしてお金儲けしている人から泥棒して、貧しい人に与えれば良い事だ」とか「飢え死にしそうな人が食べ物を盗むのは生きるために仕方のないことだ。」などが思いつきました。でもこれは“unique”とは言えないかも・・・。

“unique”な答えを考える事は、「正解の答え」を探るよりも難しい事ですが、もっと自由でクリエイティブ。想像力がかき立てられます。そして「正解のない答え」を言う事も最初は勇気がいりますが、「何を言っても否定されない」と分かれば自由で楽なのです。

「正解の答え」よりも自分の意見とuniqueな考えを!
海外で求められる“unique”な人にあなたもなりませんか?

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