Swatchが大学生になったころ、英検の試験を受けるということもあり、英語のスピーキングやヒアリングなどにも学習が広がり、外国人と話す機会もたまにありました。
留学生とみると、ずうずうしく声を掛け、学生食堂で食事中でも話しかけたりする。良く言えば積極的な学生のSwatchは、アメリカ人学生からこんなことを言われる。
「スープは、ドリンクじゃなくて、イート・スープだよ!」え!本当?
辞書でeat soupと引くと「スープを飲む」と書いてあった。
それ以来、ず~とスープを飲むは、“eat soup”だと思ってきました。数十年後に、米軍のカフェで、スープを飲んでいるときに、アメリカ軍人からとんでもないことを言われた!
<Eat soup:スープを飲む?>
“Do you drink soup every lunch?”「ランチにいつもスープを飲むのか?」
とっさに、この友人にいってやった。
“Do I eat soup every lunch?”「ランチにスープを“たべる”のかって?」
それまで数十年、スープを飲むは、“eat soup”だと思っていたので、鬼の首を取ったように、アメリカ人に文法を説明してやろうと思っていたが、まったく見当違いだった。実は“eat soup”も、“drink soup”も使えると言うことだった。その理由を友人は、堰を切ったように、米軍人の食事について話し始めた。
通常、アメリカ軍人は、ランチは非常に軽いものしかとらない。基本は、戦闘行動ができること。
腹いっぱい飯を食べ、労働法に従って昼休みは1時間取るという考えはない。
すぐに行動するためには、軽食で済ませ、体に負担を与えない食事をするという。
戦う準備のないSwatchにとっては、目から鱗である。
そこまで気を使って生活をしているのだ。「基本は戦闘行動にある!」プロ意識が素晴らしい。
スープの話に戻るが、以前紹介した米軍の携行食(ランチ)は、MREと呼ばれている。主食、おかずなどが一つにパックされたランチが、軍人に提供される。
MREとは、Meal Ready to Eatの頭文字をつなげたもの。
パックの中には、主食のステーキだとか、魚だとかとともに、コーヒーやデザートも含まれている。
素晴らしく充実したランチパックであり、うらやましくさえ感じる。
友人の言いたいことはそんなことではなく、いかに食後に、即戦闘行動できるかということが言いたいらしい。友人の話をしばらく傾聴する。
「俺が、ランチに毎回スープを飲むのかと聞いたのは、それがお前の食習慣なのかと聞いたんだ」
その後数分間、米軍人の説明で分かったことを要約すると次のようになる。
1, 軍人は、常に戦える状態でなければならない。
2, 昼食、夕食時の前後は、敵が攻撃するチャンスになる。
3, 早く食べ、体に負担をかけず、カロリーを摂取する。それが戦闘時の食事だ。
4, スープを飲むのは、身体の負担となる。
5, 行動するために水分の摂取が最重要であるが、スープは消化に時間がかかる。
6, スープを飲むと、食後のコーヒーが飲めなくなる。
7, 食後のコーヒーは、デザートの飲み物ではなく、「カフェインを摂取」するためだ。
8, カフェインは、軍人の脳を覚醒させる。
といったことを説明してくれた。
<Drink soupは、正しかった!>
スープの話から、米軍の戦闘のコンセプトの説明を受け、食に関する考え方が一変した。周りをみても、日本のハンバーグのセットとか○○ランチというメニューを取っている軍人はいない。
大きな皿に山盛りにしたサラダを食べている軍人、ポテトチップスと、コーラを飲んでランチにしている者など、いずれにしても軽食である。
なんどか同期の軍人をランチに誘ったが、軽く断られたことがあったことを思い出した。
つまりは、ランチは軽く済ませるという食習慣が、米軍の常識なのだ。
一呼吸おいて、drink soup について質問している。
自分の英語歴を話して、eat soupだと主張してみると、、、、、、、、
スープを飲むときの表現は、eat でもdrinkでも使えるよという答えだった。
え?!両方とも正しい表現? 英語を勉強して20年以上、こんなことがあるんだ!
友人の米軍人は、次のように説明してくれた。
テーブルに出されたスープ皿から、フォークやスプーンを使って食べる場合は、eat。
取手のあるスープボールから、直接飲む場合は、drink、だそうです。
フォーク、ナイフを使って食事をすることをeatで表現し、直接器やグラスから飲むことをdrinkというのだ。
「へ~~~~!」である。
だからキャフェテリアでランチを取っているとき、取手のあるスープボールでスープを飲んでいるSwatchに,“Do you drink soup?”と聞いた訳だ。
<eat とdrinkの違いが分からなくても英語は通じる!>
私の理解では、スープをeat(食べる)するのは、スープにごろごろと野菜やら肉が入っているからだと勘違いしていた。何十年も区別せずに英語を話していた。笑話だ。
しかし、それで私の英語生活に何か不都合があった訳ではない。
“eat soup”であっても、“drink soup”であっても、コミュニケーションに支障はなかった。
知らなかったから、恥をかいてしまった。「もう英語は人前で話せない!」などと考えることはないのです。言葉の勘違いは、日本語にだってたくさんあります。
「How are you?って古いの?」にも書きましたが、習ったフレーズの意味が違っている場合もあります。
ただ、意味が通じるものは使えばいいのです。一度覚えた英語のフレーズは、宝物です。
使うことによって、どの場面で使えばよいのかも体でわかってきます。
その積み重ねが、良いコミュニケーションにつながっていきます。
英語でのコミュニケーションは、まず相手に自分のことを伝えていくことが基本です。
英単語やフレーズを10,000語知っていても、実際に使わなければ、意味がありません。
「中学校で習う英単語で日常会話は十分である」とよく言われます。
中学校で習う単語は、900語といわれています。
その単語を使い切ることができれば、英語のコミュニケーションは円滑にできると思います。
憶えた単語を駆使することで、英語の会話力は向上します。小さい間違いを気にせずに、
どんどん自分の英語でコミュニケーションをとっていきましょう!
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
Facebook
https://www.facebook.com/takeru.suwa.7/
※友達申請いただく際「World Lifeで見ました」と一言コメント頂けますでしょうか。よろしくお願いします。