船旅って憧れませんか?豪華客船で世界一周クルーズなんて素敵ですよね。
先日、神戸から宮崎までのフェリーが新しくなったという事で乗船してみました。これまでのカーフェリーのイメージとは異なり、スタイリッシュな船内で、個室も増え女性でも利用しやすくなっていました。
ところで、海外での船旅ってどうなのでしょうか?
海外でも、ディナークルーズやエーゲ海のミニクルーズなど、観光で船に乗る機会は多いですが、船で宿泊するというのはあまりないかもしれません。
今回は私が体験した、3つの海外船旅エピソードをご紹介します。
<え?嘘でしょ?靴が…>
私の海外での最初の船旅は、イギリスからオランダへのフェリー。
夜中12時前に出港して翌朝8時頃に到着するというもの。当時学生だった私たちはお金もないので節約して、部屋は取らず椅子で我慢する事に。
私と友人は船に乗り込むなり、入口近くのベンチに荷物を置いて席取り。席を離れると他の人に取られるので、そこから動く事もできず船内を見学したり楽しむ余裕はなし。
雰囲気は日本のフェリーと似ている感じで、中央に螺旋階段があり上の階が客室(のようだった)と思う。この船旅で記憶に残っている事は、私の靴事件。
荷物を枕代わりにベンチに置き、財布は首から下げて握りしめ盗られないように対策をして、ベンチに横になった。
「ベンチは硬いし、周りは騒々しいし寝れないなぁ…。」と思っていたが、ちょっとの間知らぬ間に深く寝てしまっていた。
(わ、寝てしまってた。盗られた物ないかな?)と思い、首から下げた財布をチェック、ある。枕にしていたバッグもある。
でも、一つ無くなっていた物が。
「え?嘘?靴がない!…」
ベンチに横になる時、どうしても靴を履いたまま横になるのは日本人としては違和感があり(まさか靴は盗られないだろう)と思い、ベンチの下の奥の方に入れて寝ていたのだ。
ロンドンで買ったばっかりのコンバースのハイカットで、カラフルな色がパッチワークのように合わさったちょっと変わったデザインで気に入っていたのに…。
通路を挟んだ所で寝ていた友人を起こして聞いてみるも、彼女も寝てしまっていたようで何も気づかなかったそう。
幸いにも、別にサンダルもかばんに入れていたので裸足で歩く事はなく、助かった。
ダメもとでインフォメーションデスクに行き、「靴が無くなったんだけど…。誰かに盗られたと思う。」と言うと、「どうやったら靴を盗られるの?」と逆に聞かれる始末。
靴を外で脱がない外国人には、私の行動は理解できなかったのだろう。
やっぱり海外では気を抜くとすぐに盗られる事があるから気を付けないといけないと思わされたフェリーの思い出。
<三国志好きにはたまらない!>
私が経験した中で一番長い船旅が、中国の長江(揚子江)三峡クルーズ。
クルーズというと、普通は海ですが、こちらは川。でも、長江は海並みに広くてでっかいのです。
船も中国のお城かと思うように大きく、中国風の装飾が施されています。こんな巨大フェリー並みに大きな船が行き来できる位、長江は広いのです。
私が添乗したのは3泊4日の重慶から宜昌(ぎしょう)までのクルーズ。水墨画の世界のような三つの狭い峡谷を通りながら、途中、途中の小さな町で、上陸して観光をしてまわります。
長江流域は三国志の舞台になった所。三国志好きな人ならたまらないコースです。
ところが、私は全く三国志を読んだことがありません。このコースを添乗する事が決まってから三国志を少しでもかじろうとしましたが、付け焼刃で読めるような代物でもなく…。
中国の歴史も全く知らない私は、国の名前も何が何だか分からない状態のままこのクルーズに乗る事になったのです。
船からも断崖絶壁にそびえる楼閣や白帝城、赤壁など観光名所が見え、そのたびに船内放送が入ります。みんなで展望デッキに出ると、ガイドさんが日本語で説明をしてくれます。
お客さんはみんな三国志好きな方々ばかりなので、「おお!」と盛り上がり写真を撮っているのですが、私は全くその凄さが分からず残念でした。
後に、映画「レッドクリフ」を見て、「あ!あの時見た赤壁がこれだったんだ!」と随分後になってあの時のクルーズの凄さが分かったのです。三国志を知っていたらもっと楽しめたでしょう。
船内はと言うと、豪華客船と言われるだけあって、部屋は船の中なのに、広さは十分。大きなベッドにソファーセット、デスクなどもあって広く、窓も大きくて長い船の中でも息苦しさを感じません。
他にも船内にはレストランやお店のほか、図書室や卓球などができる遊戯室、そして夜にはダンスや歌のショーなどが行われ飽きさせないようになっていました。
実際、船の中の時間は長かったものの、船から見る観光名所もあるし、下船しての観光も適度にあるので、飽きる事なく船旅を楽しめました。
緩やかに進んでいく船から見える山々の景色とそこに暮らす人々の様子はのどかで、今でも鮮明に覚えています。
<船の中に街?!>
一番豪華で驚いたのが、スウェーデン(ストックホルム)からフィンランド(ヘルシンキ)までのバルト海クルーズ。
乗船手続きをするカウンターも、チケット売り場と言う感じはなく、ホテルのチェックインカウンター並みにスタッフが並んでいて、洗練された雰囲気でおしゃれ。そして船は…船というよりでっかいビル群!12階建て、長さは200m越えの豪華客船。
中に入ると…そこは街!
真ん中は吹き抜けになっていて、両脇に並ぶ客室は見上げる程。1階部分の両脇はショッピングモールかのように免税店からブランド品のお店、ムーミンショップまで様々なお店やレストラン、バーが立ち並んでいます。
通路ではジャズバンドが音楽を奏でていたり、バーではショーが行われたりして気分を盛り上げてくれます。
他にもサウナやプール、カジノなど、「1泊なのに何でこんなに豪華なの?!」と思うくらいにエンターテイメントに溢れ夜も遅くまで賑わっていました。
部屋はというと、私は添乗の仕事でシングルの部屋だったため、窓無しの狭い部屋でしたが、ランクによって窓がある部屋、広い部屋などもあります。
部屋の外で楽しめる所がたくさんあるので、船の施設を楽しむなら部屋はあまり気にしなくてもいいのかもしれません。
北欧を旅行するなら断然夏がお勧めです。
夜は23時頃まで明るく、暗くなってきたと思ったら、午前3時頃にはまた明るくなり始めるという「白夜」を体験できますよ。白夜と一緒で眠る事なく、食事にショー、カジノやプールなど一晩中、船を満喫するのも楽しそうですね。
海外での船旅、いかがでしたか?行きたい船旅はあったでしょうか?
飛行機に乗ればすぐの距離を船でゆっくりと時間をかけて行く事は、忙しい現代では敬遠される事なのかもしれません。
でも、船から見る景色は、陸や空から見える景色とはまた違って格別な物で、ゆっくりとした時の流れが感じられる贅沢な時間でもあります。
世界一周クルーズは難しくても、1泊の船旅はトライしやすいので、時間に余裕があれば日本でも海外でもぜひ旅の選択肢の一つに入れてみてください♪
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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