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エジプトの“あつい”魅力

World Lifeな生活
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昼間に人が消える町。暑すぎて…息ができない…!

そんな経験、した事ありますか?

エジプトは冬でも日中は40度を超える暑さ。昼間に外に出るのは暑いを通り越して「危険」なレベルなんです。

だから、昼間のエジプトの町はまるでゴーストタウンのようにひっそり。

通りを歩く人も、普段は外に座って水たばこをふかしている男性陣も、そして、世界各国の観光客であふれる観光地も、どこに消えてしまったのかという位人がいなくなってしまいます。

雲一つない晴天で、ジリジリと照りつける太陽。

暑すぎると呼吸もできなくなるんです。

なぜか息を吸っても入っていかない感じで息苦しい…。
暑すぎて息ができないという経験を私は初めてしました。

そんな暑い国エジプトですが、私がこれまで行った国の中でも1位か2位を争うくらい大好きな国。

エジプトにはその暑さを上回るくらい“あつい”魅力がある国なのです。

<ツタンカーメンは…しょぼかった?!>

エジプトと言うと、「どうせ、ピラミッドでしょ?」と思うかもしれませんが、私が興味を持ったのはピラミッドではありません。

もちろんピラミッドもスフィンクスも良いのですが、ピラミッドだけ見て帰ったら本当にもったいない!私は、エジプトの魅力は、むしろカイロ以外の所にあると思っています。

カイロから南へ約670Km。ルクソールにある「王家の谷」は歴代王たちのお墓が並ぶいわゆる墓地。

墓地を観光するって、何だか暗い感じがしませんか?

ところが、墓地と言っても「谷」と呼ばれている位なので広さは広大。アメリカのグランドキャニオンを思わせるような岩壁の中にお墓が造られています。

歩いて回るには広すぎるため、遊園地にあるようなトロッコ電車風の乗り物に乗って「王家の谷」を巡ります。もうこれは立派なアトラクションのようです。

王家の谷で有名なのが、ツタンカーメン。金ぴかのマスクや宝石は誰でも一度はテレビや教科書などで見たことがあるでしょう。

ところが…
実際に行ってみると彼のお墓は他のお墓に比べるとめちゃくちゃ小さくてしょぼい!

彼はまだ10代で亡くなったといわれ、それほど権力もなく、そのためお墓も小さく、質素な造りになったそうです。そして、質素だったからこそ盗賊にも相手にされず残っていたと言われています。

ツタンカーメンのお墓に残された物で質素なのだったら、他のお墓の中の物が残っていたらどれだけの金銀財宝があった事でしょう。残念ながらほとんどは墓荒らしの盗賊に持っていかれ残っていません。

そして中に残されていたミイラや棺などは博物館に。という事で、お墓を訪れて私たちが見るのはお墓の内部分。

お墓と言っても岩壁に穴が開けられ造られた広い物。
廊下のような通路があり、その奥に棺が置いてあった部屋があります。

その大きさは大きいものだと通路も2、3人が余裕で並んで入れる位の広さ、中の部屋は数十人は入って見学できるほどの広さがあります。

金銀財宝もミイラも棺もないただの広い空間を見て何が楽しいのかと思うかもしれません。が、その壁や天井には細かできらびやかな絵やヒエログリフの文字がびっしりと施されているのです。

ピラミッドも王のお墓ですが、内部は、通路も狭く、暗くて重たい印象。

それに比べると王家の谷のお墓はどれも華やかでとても煌びやかです。私が驚いたのはその色までも今に残っている事。

このお墓でできたのは紀元前1570年頃のエジプト新王国時代。つまり、今から3500年も前の物。それが現在でも残り、その当時の色が今でも残っているという事なんです!

ローマに行った時もその歴史の古さと文化水準の高さに驚かされましたが、それでもローマの歴史は2000年位。遺跡も残っていますが、形が失われていたり色もかすかに残っているかどうかという所。

それよりも更に古くてそれが現在までしっかりと残っている。エジプトの魅力はそんな所にあるのだと思います。

ピラミッドができたのは更に古く、4700年前と言われています。

その頃の日本は…というと縄文時代。

私たちの祖先が竪穴住居に住み、狩りをして生活をしていたような時代に、エジプトでは巨大な石の建造物、ピラミッドや神殿が次々と造られていたのです。

ピラミッドもどうやって造られたのか、現在でもはっきりと解明されてはいませんが、神殿にも“奇跡”と呼ばれる解明されていないエジプトの謎があります。

そこは、カイロから飛行機で南へ約2時間。スーダンとの国境近くにあるアブシンベル神殿。

大きな岩山をくりぬいて造られた神殿は、ラムセス2世が妻ネフェルタリの為に造らせたものと言われています。

この神殿の巨大さにも驚かされるのですが、この神殿の内部にあるラムセス2世像に1年に2度、奇跡が起こるのです!

毎年、2月22日と10月22日の2日のみ、神殿正面に開けられた光の通り道から朝日が差し込み、60mも奥にあるラムセス2世像の顔を朝日が光照らすというのです。

この2日は、一説にはラムセス2世の誕生日と即位の日と言われています。

特定の日に、自分の顔に光が当たるように設計をした…。

現代でも相当難しい知識や計算が必要になるでしょう。3000年以上も前のエジプト人が既に、現代と同じ位の高度な天文学や数学の知識を持っていたという事になります。

どうやって知ることができたのか。そしてコンピューターも機械もない時代にこれだけの物をどうやって造る事ができたのか。

そんな事を考えるとエジプトへの興味は尽きないのです。

ちなみに、このアブシンベル神殿は、60年程前、皆さんもご存じ「アスワンハイダム」を建設する際に水没の危機がありました。

ユネスコが世界中に遺跡保護の協力を呼びかけ、神殿は一度切断され、60m程上に移築されました。「奇跡の光」も維持されるように綿密な計算のもと移築が行われたといいます。そのお陰で現在でもこの「奇跡の光」を見る事ができます。

そしてこの移築がユネスコの「世界遺産」制度創設のきっかけになったといわれています。まさにこの神殿は世界が残すべき「世界の、人類の遺産」。この神殿が残され、自分の目で見る事ができて本当に良かったと思いました。

<知っておきたいエジプト観光のコツ!>

さて、冒頭の息もできないほど暑いエジプトの話。

あれは、1度だけ昼間にも観光をしないと全行程を回れないという超強行ツアーを担当した時の話です。

通常のツアーでは、大抵早朝6時ごろから観光が始まり、10時か11時頃には一旦終了。昼食後は夕方までホテルでゆっくりと過ごす。

そして、また夕方になったら外に出かけ、マーケットやナイル川クルーズなどを楽しむというのが一般的です。

昼間に外に出なければ、暑いのは暑いですが呼吸ができなくなる程暑いという事はありませんので、ご安心を。

とはいえ、エジプト観光には気を付けるポイントもあります。
最後にエジプト訪問時のコツを3つ。

エジプトに行く時期は…秋から冬 10月頃から3月頃までがいいでしょう。

秋から冬でも40度を超える暑さになります。ただ、日本が真冬の時期に行くと、気温差が激しすぎて身体がついていかない事もあるので、私のお勧めは10月、11月頃です。

服装は、半袖やノースリーブよりも薄い生地&ゆったりめの長袖シャツを。

肌が出ているとかえって暑く、日焼けで火傷のようになることも。そして、ノースリーブではモスクなどの宗教的な場所の場合は入ることができないので注意が必要です。現地の人のようにゆったり目の服を着ると風通しがよく涼しいです。

観光は、早朝6時頃から午前中と夕方以降に。

ツアーで行く場合は、ほとんどの場合は大丈夫だと思いますが、個人で行く場合は時間に気を付けましょう。エジプトは早朝観光できるように、レストランや空港も早朝から開いています。


どうでしょうか?エジプトに興味が湧いてきましたか?
エジプトは本当に“あつい”魅力あふれる国です!

興味を持たれた方は、現在行われている「古代エジプト展」に行ってみるのもいいですよ。

現在、福岡で行われている「古代エジプト展」は6月19日(日)まで。その後7月からは札幌で開催されるようですよ。お近くの方はぜひ!

詳しい案内は
↓ ↓ ↓
ライデン国立古代博物館所蔵
「古代エジプト展」公式HP
https://www.leidenegypt.jp/

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