この夏訪れた、メリーランド州の海辺の街オーシャンシティの様子をお届けして、今回で第5弾。
オーシャンシティは、夏のリゾートとして人気。ニューヨークから約400km、ハイウェイを南へ下った、イーストコースト沿いの、南北へ続く、細くて長ーい島のような感じ(砂嘴)のところです。
通常の人口は約7,000人程度ですが、夏の週末には、約32万人ほどに膨れ上がるとのこと!
今回は、そんなオーシャンシティの、お気に入りのバーをふたつお届けします。
あるアイテム持参で、常連さん価格になれるお店もご紹介。
夜中に起こった、ブルース・ウィリス気分のハプニングも・・・。
お気に入りのバーがない!?
前回来た時は、ボードウオークの最尖端にあった、フロッグ(カエル)・バー。入江の目の前で、堤防よりちょっと高くなったところの手すりに、垂直にちょこっと板をつけただけのようなバーが、お気に入りだった。
ハッピーアワーには、コロニータ(コロナビールのミニボトル)が氷いっぱいのバケツにハーフダズン(6本)、ライムを一切れずつ、飲み口に差して突っ込まれたので12ドル(約1320円)
なんでミニボトルかというと、メキシコなど諸外国の暑い地方では、ビールが屋外ですぐ温まってしまうため、通常の350ccより小さい、約200ccの瓶で売られている。
氷のバケツにって、ちょっとアイディアのあるイカした店で、フードも、ありきたりのバーフードだけでなく、何かちょっとしたアイディアがあって、気が利いていた。
これは、数年前のブランチなのだけれど、こんなサンドイッチ(らしきもの)「フロッグジラ」。
この店のオリジナルメニューで、名前は、フロッグ・バーのフロッグにゴジラのジラを足した造語だと思われる。ばかでかいサンドイッチは、ソーセージや、スモーキーベーコン、分厚いカットのボロニア、ハム、卵、チーズ、ポテトなどがパンと共にわあっと重ねられて、その上にはソーセージのグレービーソースがかかっている、それでたったの12ドル(約1220円)
↑サンドイッチの中身の説明書き
周りのお客さんにもウケたし、みんなに写真撮らせてくれって言われた。
と、楽しかった以前のフロッグバーの様子を思い出しつつ、期待して今年行ってみたら!
・・・。
なくなっていた・・・。
コロナ禍で、やむなくクローズかと、がっかりしたのだけれど、諦めずにネットで調べてみたら、オーナーが変わって、同じオーシャンシティ内にお引っ越していた。オーナーが変わって、場所も変わってはいたが、一応行ってみることに。
以前は別のレストランだった場所の後にできた、インレット(入江側)の新しいカエル・バー。残念ながら、以前の、狭くても何かコージー(居心地の良い・くつろげる)な感じがなくなっていて、だだっ広い。
ハッピーアワー!と大々的に言ってる割には、ビールとワインが1ドルオフとか、何の工夫もなく、ちょっとがっかり。
でもでも、海の風に吹かれながら、打ち寄せる波の音とともに、オーシャンの真ん前でビールを飲める、というステキな思いは、普段都会に住んでいると、なかなか味わえないこと。選り好みせずに、今を楽しもう。と言うわけで精一杯エンジョイしてから、さ、次のバーへ!
Frog bar「フロッグ・バー」
https://www.facebook.com/profile.php?id=100063850050217&fref=oceancitycool
カップ持参でクラフトビアが1杯3ドル☆
お次は、「スニーキー・ピート」
ここは、この店のオリジナル・プラスチック・カップを持っていくと、お店のレギュラーメンバー(常連さん)ってことになるらしく、クラフトビアがいつでも、1杯3ドルで飲めるの☆
今日のクラフトビアは、ブルーベリー・ビールか、ボヘミアン・シトラス。夏らしく、シトラス系で行こうかなぁ。思った通り、さっぱり、リフレッシュ。
ここは、バーと言いながらも、実はパーキングの入り口にある大きなカニ専門レストランの姉妹店。なのでシーフードの食事も、ちゃんとできます。ちょっと小腹が空いていて、ホタテとかエビとか、お隣の人のを見てると私もつまみたかったけれど、夕食のロブスターまでもうちょっとなので、おやつはビールってことで、ちょい我慢。
この建物は、ずいぶん歴史があるらしくて、ニュースでOceancityをハリケーンが襲うと聞くと、このガゼボが大丈夫でありますように、といつも祈ってしまう。建築法が変わったので、これがもし壊れても、建て直すことができないそうなんです。がんばれ、ピート!
Sneaky Pete’s「スニーキー・ピート」
https://hooperscrabhouse.com/sneaky-petes/
コロナ禍の影響
昨年の夏は、コロナの影響で、このOceancityも大打撃を食った。他人と6フィート(約2m)近寄ってはいけないのだから、ビーチなどの人混みは、とにかく避けなくてはならなかった。そんなことで、お客さんが来ない上に、通常、夏期の繁盛期は、ヨーロッパなどの海外から、学生さんたちが、どっとアルバイトで働きに来るのだけれど、ヨーロッパでもコロナが蔓延していたため、渡航が実質的に不可能。
昨年夏のオーシャンシティーは全滅に近かったらしい…。ホテルや飲食店等これらの事業は、夏期だけで、1年分の収益を上げるわけですものね。なので、それを励ます意味もあり、今年はできるだけ、いろんな店に顔を出して、頑張ってる地元の皆さんにエールを贈りたい!
続きはまた来週☆
P.S.
夜はホテルでゆっくりと休むはずが、そうもいかなかった!
なんと11:25pm、非常ベルが鳴り響き、館内全域の宿泊客に、緊急避難命令が。大きな消防車が3台きて、大騒ぎに。私はサイフと携帯をひっ掴み、最上階に宿泊していたため(といっても7階ですが(笑)、普段見たこともない、コンクリート打ちっぱなしの非常階段を駆け下り、ちょっとブルース・ウィリスになった気分。
しばらくたって、なんでもないことがわかり、それぞれ部屋に戻り、1時間もたたない深夜12時15分。
再度、非常ベルで緊急避難命令発令!
そして再度、ブルース・ウィリスになって、サイフと携帯と今度はヘッドホンも掴み、7階から非常階段を駆け下りる。大きなサイレンと、真っ赤な点滅灯の消防車がまた3台。まるでデジャヴを見ているようだった。いやいや、ただの現実ってか。
ビーチと言うこともあり、泣きわめく小さな子供を抱きかかえ、裸足で飛び出してきているご家族もあり、なんともお気の毒。翌日ホテルの人に聞いてみたら、古くなった火災報知器が勝手に鳴ってしまったらしい。なんと、一晩に2度も・・・のどかなことだ。
オーシャンシティ第1弾はこちら
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オーシャンシティ第3弾はこちら
オーシャンシティ第4弾はこちら
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。