英語学習者であれば知っておきたい、日本人が「間違いがち」と言われる英語表現。
私達は、語学を学習していると、どうしても第一言語が日本語のため
「日本語を英語に訳そうとする」ことがあります。
本来は、英語のニュアンスや文化的背景などの知識も踏まえた上で
英語を英語として話すのが一番いいのですが、
そこまで行くにはかなりの学習量と経験値が必要となってきます。
そこで今回は、「日本語の感覚で英訳する時に気をつける表現」を少しご紹介。
―YesがNo? No が Yes???―
日本語をそのまま英語に訳そうとして、実は「意味が違っていた」という英語は結構あります。
例えば、だれもが一度は聞いたことがあるであろう “Yes/No”の答え方。
“You don’t like natto, do you?”(納豆、好きじゃないよね?)
という質問に対して「好きではない」場合、英語でどう答えますか?
日本語では、
A:「納豆、好きじゃないよね?」
B:「うん、好きじゃないよ。」
となりますよね。
そのまま英語にすると、 “Yes, I don’t like it.”となってしまいがち。
しかし英語では、 “No, I don’t like it.”(いいえ、好きではないよ。)となります。
「好きではない」というのは「否定」を表しています。
ですので、あくまでも “No”なのです。
逆に「好き」な場合は
A: You don’t like natto, do you?(納豆、好きじゃないよね?)
B: Yes, I like it.(うん、好きだよ。)
のように、「好き」は肯定の表現なので “Yes”となるのです。
ほら、考えてみたら “Yes, I do.”とは言うけど、 “Yes, I don’t.”とは言わないじゃないですか。
“I don’t”の場合は、やっぱり “No,”なんですよね。
そう考えると、ちょっと理解しやすい気がしませんか?
― “Me, too.”にも要注意!―
犬が大好きな人が、 “I love dogs.”(私は犬が大好き)と言った時、あなたも「自分も!」と言いたい場合、どのように言いますか?
A: I love dogs.
B: Me, too.
このBさんのように、 “Me, too!” (私も!)と思う人も多いと思います。
それは全く問題ありません。
では、次のような場合はどうでしょうか。
あなたは、ショーンさんと初めて会います。
ショーンさんが、 “Nice to meet you.” (初めまして)と挨拶されました。
あなたはどのように返しますか?
もちろん、 “Nice to meet you, too.”と返す場合は何も問題はありません。
でも、中には
“Me, too.” の表現を使って、「私もです。」と言う人もいたりします。
でもこれは不正解。
「え?自分『も』[初めまして]と意味で言うんだからいいんじゃないの?」と思った方。
よく聞いてくださいね。
“Nice to meet you.” は、 “It’s nice to meet you.” の “It is”を省略した表現で、
「【あなたに】お会いできて光栄です。」という意味を表しています。
つまり、この発言をしたAさんは、 “meet you”できて嬉しいです、と言っているんですね。
もちろん、この “you”は、Bさんのこと。
それなのに、Bさんが “Me, too.”と言ってしまうと、Bさんも「【自分に会えて】嬉しい。」という意味になってしまうのです。
ですので、この場合はBさんも、
“It’s nice to meet you, too.”(私【も】あなたに会えて嬉しいです。)という返答になるのですが、短く言う場合、最後の “you, too”の部分を抜き出して、
“You, too.”というのが正解、となるのです。
普段、一般的な学習書や辞書などでは、
「わたしもです。」=”Me, too.”
としか書かれていない場合が多いので、「私も=me, too.」と覚えてしまいがち。
ですが、こういう場合もありますので場面によっての使い方、も一緒に勉強していきたいですね。
あ、tooの前の “ , (カンマ)” ですが、付けても付けなくてもどちらでも大丈夫。
“ , too.”のように前にカンマをつけることで、「〜も」の「も」の部分をより強調する意味合いとなります。
また、相手が “I don’t like that song.” (私はその歌が好きじゃない。)と否定でいった時に、
「私も」と答える場合は、
“Me neither” または、 “Me, either.” と言います。
口語的に “Me too”も使う人もいますけどね(笑)
―間違えても平気さ!―
ちょっと咄嗟に聞かれると間違えちゃうかも・・・
大丈夫です。
間違えてもいいんです。
「へぇ、そうなんだ」と知っておくのと知らないのでは大違い。
そこから経験を積み重ねていけば大丈夫。
このようなちょっとしたニュアンスの違い、また別の機会にでもご紹介させていただければ幸いです。
You don’t study English every day, do you?
さあ、あなたなら “Yes”で答えますか?
それとも”No”でしょうか?
( Yesと答えて… ←とCozyの心の声)
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。