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Aggressiveは,ほめ言葉!?

World Lifeな生活
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9.11米国同時多発テロ直前から始まった沖縄勤務は,通常では経験できない多くのチャンスを与えてくれた。一気に日米の関係の緊密化と情報の共有の機運が高まったのは追い風だった。

4年後,沖縄海兵隊司令部での勤務はあっけなく幕を閉じた。新たな任務に挑戦することになり,帰京を命じられたからだった。4年間の勤務が,走馬灯のように頭をよぎる。

沖縄海兵隊司令官のところへ,転勤(PCS: Permanent Change of Station,注;stationは,基地・駐屯地のこと)の挨拶に行く。事前に用件は秘書官に伝えてあったので,いきなりチャレンジコインをいただいた。感激である。

着席し,約4年間の謝辞をのべる。海兵隊から多くのことを学び,日米の懸け橋となれたのは司令官と司令部のスタッフの協力があってのことだと感謝の意を伝えた。司令官は私の目をみて,微笑んだ。

“You are aggressive!”
「貴官は,攻撃的だったな!」

司令官が静かに語った一言に,鳥肌が立った。

Aggressiveは,ほめ言葉?

司令官とは,彼の前職の第3海兵師団長の頃から懇意にしていただいていた。その人となりも良くわかっている。実に率直,明朗かつ準備周到な,まさに海兵隊の将軍であった。

有名なエピソードがある。師団長の頃,アメリカの放送局からインタビューを受けて,著名なインタビュアーに「あなたのような“old guy”(老人)」と言われ,「国家に尽くすのに年齢を重ねて(aging)きたのであって,任務の遂行に年齢は関係ない」と食いついたのである。

インタビューが放送された翌朝,私が執務室に入るときに女性秘書から“General’s in a bad mood this morning!” 「今朝は,将軍,機嫌が悪いのよ」と聞かされた。

昨日の番組のインタビュアーに「老人」と言われたことが気に食わなかったらしい。秘書は,机上の自分のPCでその動画を見せてくれた。こういう彼女の機転が私は気に入っている。

「おお,老人って面と向かっていわれているね。将軍は言われた直後は,老人って誰のことかわからなかったみたいだね。失礼な話だ」と笑顔でコメントすると,秘書は,ウインクを返した。

私は執務室に入るなり,師団長に海兵隊の良く使うフレーズで,

”You looked humble on TV and he was nothing!” 
(テレビでは海兵隊員らしく立派でしたね。それに対して,司会者はいただけませんね。)

とコメントした。お互いに,ニヤッとして打ち合わせに入った。

話を元に戻しましょう。師団長に「攻撃的だ」と言われ鳥肌が立ったというところでした。

aggressiveは,通常,「攻撃的で威圧的なこと」を意味します。しかし,司令官は,私に対してaggressiveという一言で,私の4年間の成果を評価してくれたのです。

「常に攻めの姿勢で,積極的に行動して,目的を達成した」という誉め言葉です。私は,鳥肌を立てながら,

”I’m honored, General,sir!”
「将軍,光栄でございます!」

と答えた。

英語は場合によって真逆の意味で使う言葉が多くあります。その言葉の意味をしっかりと理解した上で,使うことが大切です。

「どういう意味で使っているのだろう?」と,解釈が必要な言葉をあえて使うことによって,的確に自分の本心を伝えようとする工夫があるのです。その人の人柄や教養と言ってもいいでしょう。

それに気が付くことが,コミュニケーション(意思疎通)の醍醐味だと感じています。

エコーの法則

コミュニケーションは,決して一方通行ではありません。“Communication is a two-way street!” ですね。こちらが発した言葉は相手に届き,さらに相手から同様の言葉が返ってくるのです。

これは「エコーの法則」と呼ばれています。自分の言ったことが,エコー(echo)して,自分に帰ってくるのです。帰ってくるのなら,良い言葉やポジティヴな言葉を使うと効果的です。

相手をほめる言葉を使うのが,最もエコー効果があります。相手の行為に対して,

“You’re great!”(すごいね!)

“You’re awesome!” (最高!)

“ You’re amazing!”(素晴らしい)

とほめるのです。

そうすると,必ず次のようなフレーズが返ってきます。

“You, too!” (あなたもね!)

‟You also great!”(君だってすごいよ!)

“The same to you!”(そのままお返しします!)

コミュニケーションは,ワンウエイ(一方通行)ではありません。ところが日本人は,自分がほめられても,「いやいや,,,」,「とんでもない」などと反応しがちです。それでは,一方通行ですね。

人間の脳は,言葉を認識した時に,それが自分のことだと思う癖があるそうです。“Great!”と聞いた時に,「自分はすごい」と思うそうです。脳が思い込めば,潜在意識がすごい人間になるように誘導してくれます。

ほめられても,「いやいや,そんなことありません」と自己否定をしてしまう人。人をほめるより,すぐに他人のあらを探して指導してしまう人。コミュニケーションは,上手くいきません。

自分が他人をほめることによって,自分もほめられる。お互い素晴らしい人間になっていくエコーの法則,実践してみる価値はあります。

英語を話すと,人柄と教養が出る

英語を話す時には,人柄と教養が出ると言われています。

冒頭でお話した将軍は,“aggressive”という誉め言葉を,私のために真剣に選んでくれました。それが将軍の私への「思いやり」です。だから,私は,「鳥肌が立つほど」,感動したのです。

相手のことを思いやる心とは,けっして難しいことではありません。ほめる言葉を「相手のために選ぶこと」が,「思いやり」なのです。それを伝えることがその人の人柄を表すことになるのです。

以前,オードリー・ヘップバーン主演の映画「マイフェア・レディ」をブログで取り上げ,イギリス人も英語の練習を懸命にしなければ、正しい英語は話せないことを書きました。

実は,映画には,もう一つ英語ペラペラのためのコツが描かれていました。それは,教養です。

主役のイライザが映画の中で,美しい英語が話せるようになったのは,教授のレッスンだけでなく,ピカリング大佐が「色々なことを教えてくれた」からだと告白します。

色々なこととは,紅茶の飲み方から,立ち居振る舞いまで,Ladyとしての「教養」なのです。そして,ほめ言葉を沢山覚えていることが,教養の基礎となります。

日本語は,自分の色を消すことができる言語です。主語を省いたり,間接的に表現したりして,自分の存在を曖昧にすることができます。玉虫色の言葉とも言われています。

英語は,「私が何をした」を相手に直接伝える言語です。相手のことをどのくらい真剣に考えたかが,相手には「人柄」として伝わります。そして,自分の言葉でいかに表現するかが,その人の教養なのです。

英語は,直接的に相手に自分の人柄と教養を伝える言語なのです。そう考えると,英単語を覚える努力は,日々教養が増していくことになり,ワクワクして,楽しくなりますね。

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