ある日のこと。レンタカーの返却の方法を詳しく教えてほしいと、私より年上のスペイン人研究員に言われました。
その当時の私の英語は、とてもではありませんが流暢とはいえないもの。そこで辿々しい英語で詳しく説明し、自分の英語で理解してもらえたか確認のため、
Can you understand my explanation?
(私の説明を理解できましたか?)
と言った途端、彼の顔は豹変!
クリクリとした目を更に2倍ほどに見開き、しばらく私を見つめました。そのただならぬ形相から、「これは何か失敗したんだ…」と悟った私は、必至でフォローを。
汗だくになりながら「あなたへの敵意はありません!」という笑顔を作り、「説明を文章にしてプリントアウトしましょうか?それともメールで送った方がいいですか?」と言ったのを覚えています。
なぜ彼がそんなに驚いたのか?
Can you understand my explanation?
これは「私の説明を理解できたか?」というニュアンス、上司から部下へ使うときによく使われる表現だったのです。
部下の私が上司に「おまえは理解したか?」と聞いたようなものです。日本だったらかなり怒られますよね。
部下の私から上司へいう場合は
Does it make sense?
(それは理解可能でしょうか?)
という表現がソフトです。さらに丁寧に言う場合は
Would(Could) you understand my explanation?
(理解していただけましたか?)
です。メールの場合は、顔が見えないのでこの表現をよく使います。
年上の外国人研究員にかなり驚かれ、怒らせたかもと焦り、かなり粗野な人だと思われたことを思い出すと、今でも恥ずかしくて顔から火が出そうです。
この時、英語にも敬語のようなものが存在すると初めて知りました。英語も失礼な言い方、ソフトな言い方、敬語に近い言い方、日本語と同じで様々な場面での表現を持っています。
この失礼な言い方がわからないと、どれだけ長い文章をスラスラと話したとしても、外国人に「え?」という顔をされることになります。
大切なのは、難しい表現ではなくソフトな表現
以前の記事でも書いたように、自分の考えや意見を相手に主張するのは決して悪いことではありません。ですが、主張をする時に大切なのは、ソフトな英語表現。
その方が、外国人は「話をちゃんと聞いてくれている、コミュニケーションがとれている」と感じ安心してくれるようです。より信頼をもって丁寧に接してくれます。
長い文章や難しい言葉を覚えなければ!と頭を悩ませ、英語に苦手意識をもってしまうより、簡単でソフトな表現を覚えるだけで十分。もっと楽ちんに楽しみながら英語でコミュニケーションをとれますよ。
Masa
京都が大好きで光華女子学園へ進学、卒業後、大阪の企業で経理課勤務。仕事が肌に合わず、夢だったイラストレーターを目指して大阪芸術専門学校へ。賃貸住宅ニュース雑誌社へ派遣社員として就職。その後地元へ帰り、地元のフリーペーパーやパチンコ店などのポスター制作するグラフィックデザイナー、ベジタリアン・ヴィーガンのお料理の先生、バンドのドラマー(ジャズ・ロック・軽めのフュージョンなどジャンルを問わず、地元ではセミプロとして活躍する。プロドラマー海野俊介氏に師事)、お琴奏者(趣味で名取まで取得)、演劇が好きで劇団にも少しだけ所属・・・など様々な経験を経て、英検3級しかありませんが、縁あって現在は、某施設で外国人担当のお仕事をしています。