実は私、留学から帰国後、留学自体を後悔したことがあります。それは、日本のあるコトに自分が耐えられないということに、留学に行ったことで気付いたんです。
留学で目が開かれたのでしょうか。新しく「うざったくなった」コト。以前は「知らぬが仏」だったコト。
そのあるコトとは日本社会に溢れる「お節介」
「お節介」って、例えば
毎日午後5時、大音量で「家に帰りましょう」の放送が住民全体に聞える。(聞きたくない大人もいるだろうに)
天気予報が「明日は一枚余分に着て」とか、人の行動まで指図する。(何を何枚着ようが人の勝手では?)
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鉄道やバスのアナウンスは、先回りの余計な情報や指示ばかり…のよう。
「…新快速電車大阪・神戸・姫路方面網干行き…。停車駅は石山、大津、山科…。電車は8両…。お手洗いは一番前の車両1号車と中ほど5号車に…。車内での携帯電話のご利用は周りのお客様のご迷惑になりますのでご遠慮ください…。次は石山…石山の次は大津…。」
以下はJRのアナウンス2つ。これって私の方が、気にし過ぎなのでしょうか。
・危ない下がって
・次の電車を
一方アメリカで例えば天気予報。当時の記憶では、大体客観的で事務的な予報だった印象。
(画像はCBSサイト2022年6月10日から引用)
https://www.cbsnews.com/boston/weather/
米最大の放送局CBS (Boston)。客観的なデータを出すだけで、実際の行動は視聴者に任すというスタイル。(降水量の単位はinch≒2,5㍉)
(画像はFOX9から引用)
https://www.fox9.com/weather
こちらはFOX系天気予報から。保守的らしいFOXも、天気予報は客観的情報の提供オンリーみたい。
(あれこれ指図する日本うるさ~い。あなたは大抵スルーできる人かも。でも私スルーできなくなっちゃったのか…ああアメリカはお構いなしで気楽だった)
日本の「お節介」へのフラストレーション。要は留学前は全く感じませんでした。
それでいっそ留学しなけりゃ良かったって40年以上溜息ついたり、もやもやしてたりw。
<目鱗の夫婦喧嘩>
ところが先々週の日曜日。日本だけのはずのお節介、アメリカ版お節介に出会ったんです。
地元商店街にいたアメリカ人の熟年カップル。女の方が一方的に、相手の服やら荷物のことやら文句言っている雰囲気。私思わず聞き耳立てちゃいました。すると…
女:Tuck it in.
(はみ出たシャツの裾をちゃんと入れて)
男:You’re mothering me.
(母親じゃあるまいし、あれこれ指図はやめてくれ)
You’re mothering me のmotherは「母」でなく「母として行動する」意味。直訳は「お前は私の母親的に振舞ってる」つまり「私はお前の子供か?お節介は止めろ」…かも。
アメリカ版「お節介」?に出会い、私は思わずはっと。自分が、日本は~アメリカは~と決めつけ一方だったと気づいたんです。至る所に例外あり…としみじみ思いました。
<基本と例外があるなら…>
アメリカは基本お構いなし、例外がお節介。日本は基本お節介、例外お構いなし…でしょうか。
(色々な人がいる。お節介はアメリカにもある。逆に日本だってお構いなしもある。百パーお節介のはずない…)何だか気持ちが広がって軽くなり、そう考えた結果、留学の後悔もほぼ消滅。
“要は自分自身。お節介がイヤなら、日本で例外っぽく生きなさい”今はどこからともなく聞こえる声に励まされるよう。
あなたも忙しい中、英語に興味を持ったり学んだり…これ十分「例外的」かもw。素敵な例外でいられるといいですね。(これお節介?w)
See you soon!
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員