「私達、会えるの3年ぶりだね」
そう話してくれたのは、3年ぶりに施設で再会したあるイギリス人研究者。
私たちは久しぶりの再会をハグをして喜び合った。
彼女の見た目は変わらず学生の頃のようだが、立場は昔と全く変わっていた。
3年前まだ学生だった彼女は、今やイギリスの大学の研究者。英語で「doctor」と呼ばれるまでになっていた。
彼女のイギリスの大学で、ドクターになるときは、自分の研究した論文を、学校のすべての教授の部屋へ行き一回一回説明をして、質問に答えなければいけない。
教授が集まる場所で、一度に説明をするよりも過酷で大変な作業だそうだ。
これをやってのけたのか!と思って、頭が下がる思いで見つめてしまった。
日本語、勉強してます!
そしてもっとも驚いたのは、日本語を話し始めたことと、メッセージがたまに「日本語」で送られてくること。
片言ではあるけど、簡単な日本語で会話ができる。
「日本語上手だね」と私が言うと
「日本語、勉強してます!」と日本語で答えるイギリス人研究者
「Mondayは、日本語で何?」とイギリス人研究者
「Mondayは、日本語で月曜日。ゲツヨウ」と私
「それいつも覚えない」と彼女
あ、覚えられないって事ね。と思った。そうだ、私もこんな英語を話していたに違いない。彼女と出会った頃は。
この少しの会話で、こんなに和むものなんだなと思う。
全く英語のみって覚悟して会話を始めるのは、気合が必要なのだ。今更だが、再確認。
「どうして日本語を覚えようと思ったの?」私は英語で聞いてみた。
「I want to speak Japanese with you」
とイギリス人研究者。
そして「どうしても日本語、おぼえたい!」と日本語で言った。
この場合の「you」は、私だけではなく「多くの日本人」という意味合いなのだが
それがとても嬉しく、心を温かくさせた。
日本語の勉強方法
私はイギリス人研究者がどうやって日本語を勉強しているのか?とても興味があった。
「どうやって勉強しているの?」と私は聞いてみた。
「いつもはネットで日本語の会話を聞いているよ、あとはたまに、わからない単語があったら本とか見てる。」とイギリス人研究者は言った。
「これを見て!」とイギリス人研究者は言って、私に携帯のキーボードを見せてくれた。
そのキーボードは、英語を入力すると日本語変換されて日本語が表示される。とても便利だ。
「これでメール送るの?」と私が聞くと
「そう、これだとすぐに日本語で返事ができる」とイギリス人研究者
「じゃあ、送ってみて」と私が言うと
「じゃあ送るね」とイギリス人研究者
そして届いたメッセージ。
「なに?」と思わず心で繰り返し読んでしまう。
そこには日本語でかかれた奇妙な言葉が・・・
でも意味がわかった、何を言いたいのかは
「私はよくお茶をお飲みになります」
間違ってても、そうして日本語で関わろうとしてくれる事が嬉しくて、私はますますイギリス人研究者を大好きになってしまった。
他の国の言葉を覚えるには
日本語には読み方がたくさんある。
「月」は「ツキ」や「ゲツ」・・・「月光-ゲッコウ-」や「月影-ツキカゲ-」など、似ているようで違う音と意味を持たせるし、それに加えて「漢字」「カタカナ」「かな」と3種類も使い方を変える。
私たちは気づいていないが、日本語ほど難しい言語はないんじゃないか?と思う。
そして、それを習得するのは大変な事だ。
ただ外国人の方が、日本人が英語を話せるようになるより早く日本語を話してしまう。
それは外国人は、「難しいから覚えるのが大変だ!」なんて思わないからじゃないか?と思う。
私の友達のイギリス人研究者も、ただただ「日本人と会話がしたいから」という理由だけ。
どうして英語を話したいか?それを強く思える人は、英語を覚えるのが早いし、話せるのも早いと思う。
なぜなら間違ってもいいから、積極的に話しかけることができるから。
京都が大好きで光華女子学園へ進学、卒業後、大阪の企業で経理課勤務。仕事が肌に合わず、夢だったイラストレーターを目指して大阪芸術専門学校へ。賃貸住宅ニュース雑誌社へ派遣社員として就職。その後地元へ帰り、地元のフリーペーパーやパチンコ店などのポスター制作するグラフィックデザイナー、ベジタリアン・ヴィーガンのお料理の先生、バンドのドラマー(ジャズ・ロック・軽めのフュージョンなどジャンルを問わず、地元ではセミプロとして活躍する。プロドラマー海野俊介氏に師事)、お琴奏者(趣味で名取まで取得)、演劇が好きで劇団にも少しだけ所属・・・など様々な経験を経て、英検3級しかありませんが、縁あって現在は、某施設で外国人担当のお仕事をしています。