【World Life】とは?
スポンサーリンク

“alone” と “lonely”,どう違う?

World Lifeな生活
この記事は約6分で読めます。

外語専門学校生だった10代の頃。

テストの成績も良いクラスメイトと「ある英単語の意味」で言い争ったことがあります。

その単語とは,

“alone”

でも,一体なぜ言い争ったのか。
その理由は,この単語の「意味」にありました。

あなたはこの単語の意味,わかりますか?

―「1人」か「2人」か―


私がクラスメイトと言い争ったのは,とある洋楽の歌詞についてでした。

“we’re alone now.”

という歌詞がある歌なのですが,私は

「私たちは今,二人きり」

と言っているし,「内容からもそれしかない」,と主張。

一方,そのクラスメイトは,

「 “alone”の意味は,[一人で・孤独な]。

だから[私たちは今,別々に一人でいる]だ!一緒にはいない!」

と主張。

「いやいや,それはおかしいでしょ。」
「おかしくない。」

の言い争いだったのです。

確かに “alone”を辞書でひいてみると

【形】孤独な,孤立した
【副】孤独で,一人で,単独に

のように掲載されています。

ですので,イメージは完全に

「一人ぼっち」という感じですよね。

だからそう思うのも無理はありません。

さらに,映画 “Home Alone(ホーム・アローン)”もそう。
クリスマスシーズンになると,よくテレビでも再放送されるあの有名な映画です。

家族旅行に行けず,家に「ひとりだけ」置いてけぼりにされるんですよね。

だからタイトルは

“Home Alone”

「ほら,やっぱり[一人]じゃん」と,そのクラスメイトに突っ込まれそうですが,

でも,“We’re alone now.”は,主語が “we”(私たち)です。

さらに続く歌詞が,

「私たち以外,誰もいないみたいよ。」と続くんです。

そう,全体的にナウなヤングのラブラブ(死語だらけ)な歌詞なのですよ。

なので,やっぱり

「今,二人きり」って考える方が自然だと思いませんか?

―英英辞書のすすめ,しかもオンラインー


どうしてもわからない単語があったり,英語や日本語を訳したりするときには辞書を使います。

でも,先述したエピソードのように

「言語は一語一義」ではありません。

私たち日本人は「答えを1つにしたがる傾向にある」のだそう。

確かに,算数や数学も正解は一つの場合が多いですし,
塾や学校などの問題集の答え合わせも「正解・不正解」で添削するようになっています。

だから,つい

“alone”=(「一人きり」の意味しかない)と考えてしまいがちなんですね。

でも,この歌詞のように

「ちょっと前後で意味が合わないぞ?」

と思うような場合は,本当に

「その単語には別の考え方もあるんじゃないか?」

と思ってほしいのです。

そのためには,英英辞書の例文をたくさん読んでそのニュアンスを掴む練習をするのも手。

「英和辞書しか理解できないよ。」

という方は,できるだけ「多くの例文」が載っているものを選んでくださいね。
例文が多ければ,その文章の場面から,その単語の「使い方」のニュアンスを掴みやすいですよ。

でもやっぱり欲を言えば,英英のオンライン辞書がオススメです。

だって,言語ってすぐに変わってきちゃうから。

「昔は○○という意味で使っていたのに,今は□□という意味で使うようになった」

という単語はたくさんあります。

このお話はまた今度。

むか〜しの紙の辞書を使っている方は,オンラインでも調べるようにしてみてくださいね。

― “alone” と “lonely”―


「一人・孤独」を表す英単語って, “alone”だけじゃなくて “lonely”もありますよね。

この2つ,どう違うのでしょうか。

今回もイメージでニュアンスを掴んでいきましょう。

“alone”(形容詞・副詞)


A: Kevin is staying home alone today.
(ケヴィンは今日は家で一人でいるよ。)
B: I know. He’s old enough to stay home alone.
(だよね。彼は家で一人でいることのできる年齢だね。)


A: Hey, are you okay?
(ねえ,大丈夫?)
B: I’m okay, but please leave me alone!
(大丈夫だけど,一人にしといて!)

最初の会話は,「一人で」家にいる,つまり留守番していることを伝えています。
そして,次の会話は「一人にしてほしい」旨を伝えています。
周りに誰もいない状況ですね。

“lonely”(形容詞)


A: I heard you broke up with Melissa, is that true?
(メリッサと別れたって聞いたけど本当なの?)
B: Yeah, that’s true. I feel lonely now.
(ああ,本当だよ。今は孤独を感じているよ。)


A: He is always angry with someone, doesn’t he?
(彼はいつも誰かに怒っているよね?)
B: He must be so lonely.
(きっと彼はすごく孤独なんだよ。)

“alone” と比較して見ると,“lonely”はちょっと寂しい感じがしませんか?

そうなんです。

“alone” は,「人が周りにいない状況」
“lonely”は,「精神的に孤独,寂しいという感情」

が基本的なニュアンスなんです。

“I’m alone but not lonely.”
(私は一人だが,孤独ではない)

この例文を覚えておくと,わかりやすいかもしれませんね。

― “alone”も状況次第―


とは言え “alone” が「寂しい気持ち」を表せないわけではありません。

「寂しいです。」という場合,

“I feel lonely.”
“I feel alone.”

と言っても大丈夫。

ただ, “lonely”には「一人で寂しい」という気持ちが大きく込められているのに対して,
“alone”は,「一人で」という意味合いが強く,それが「寂しい」とは限らないのです。

でももし会話の中で「寂しくて“lonely”」と言ったつもりが, “I feel alone.”と言ったとしても大丈夫。

話の前後や状況で判断できますし間違いではありません。

あの有名な歌にもありますよね。

“Alone again, naturally.”(また自然と一人になってしまった)

この歌も内容的には “lonely”なのだと思いますが,

「恋人が離れていってしまった」
「人の集う教会でも,みんな家へ帰ってしまい,また一人になってしまった」
「親が亡くなり,一人になってしまった」

そういう「人が自分から離れていってしまう」という状況的なもの,
そして,十分に感情的な「孤独さ」も歌詞によって表されています。

ですので,この曲を作詞・作曲したGilbert O’Sullivan(ギルバート・オサリバン)は,
あえて “alone”を使って「状況と感情」を表したのではないかと,私は思うのです。

私がそう思っているだけなんですが(^_^;)

さて,少しずつ春を感じるようになってきました。

あらゆる制限が緩和されてきた今年,
お花見や旅行など,外に出て友人や家族と楽しむ機会も増えそうな予感。

いつも大勢でいると,一人になりたいと思いますよね。

「たまには“alone”になりたい時もある,でも “lonely”はイヤだ」

そんなワガママなことを思う私の,ある春の日の午後でした。

それではまた来週〜♪

タイトルとURLをコピーしました