(今日のお話は人によっては好みが分かれる内容。恨みとか復讐とかいう言葉に過敏な方は、ご注意ください。)
DVD 数枚、計400分位の長編「モンテクリスト伯」を見ました。(フランス語音声日本語字幕)
原作は19世紀のフランス小説。
無実の罪を着せられた南仏出身の主人公ダンテス青年が、20年後に脱獄。偶然得た巨万の富を用い、パリの社交界を舞台に仇達に復讐するお話。
この原作は実は、私の人生に関わりが深いので、長いDVDが一層長く感じました。
「人生との深い関わり」ってどういうことでしょう?あなたにお伝えしたいことと絡む為、ざっと振り返ります。
まず外国語関連で。原作「Le Comte Monte-Cristo(フランス語)」を、その都度学習してる言語訳で読みました。西語検定に向けスペイン語訳で、独語検定に向けてドイツ語訳で読む、という具合。
ただ最初の出会いは日本語訳。 高2生だった私は夢中で読み耽り、気が付けば岩波文庫八冊を2回通り読了していました。
大学一年時には、仏語の原書を仏語で。文法は適当でも、内容は知ってるし仏語≒英語。英語以外の外国語を読める楽しさを実感した最初になりました。
同じ外国語読書の楽しさは、教員時代の検定挑戦時に西語訳と独訳で読んだ時にも感じました。
独訳は英訳と同時比較読み。結局スペイン語・ドイツ語・英語一回づつ読んだことになります。
翻訳姿勢の意外な違いも分かりました。日本語訳は一語一語忠実。他の外国語の翻訳は細かい所に拘らずバンバン訳してる感じ。副産物的発見ですが、読むハードルが下がった気がしました。(ナントカ語訳読むって、そう構えることじゃない…)みたいな感じかも。
<再読、再再読のワケ>
さて私と「モンテ…」との関係、もう一歩踏み込みます。
そもそも違う言語で、大長編を7回も読んだワケ、あなたは気になりませんか?私自身も気になりましたw. そこで自分を分析したんです。
すると…少し暗くなりますが、この作品のテーマ「復讐」に関係しそう。
実は、私には人生を台無しにされた(と思い込んでる?)苦い思い出があります。無実の罪の恨みを晴らすダンテス…そんな主人公に無意識に共感し、それで何度も読んだのかもしれません。
今までも薄々感じてたんですが、今回DVDを見ている最中にピンときました。
それは原作とすごく違っている箇所をDVDで見つけた時のこと。
ダンテスが仇に「Je vous pardonne.(ジュヴパルドンヌ)私はあなたを許す」と言う所。
復讐一色の原作にはない、このセリフを聞いた時びっくり。そしたら泣けて泣けて…
(なぜこんなに泣けるんだろう?赦したいが赦せない、赦したい、でも赦せない…7回の読書はこの葛藤から何とか抜け出ようとしてきた足跡かな?もう出口は案外近いのかも.)
こんな自己分析が妥当かどうかは別にして、私がこの長編を多言語で再読再再読したワケは、内容に強烈な関心があったから。
そしてあなたにお伝えしたいのは、繰り返し読めたからこそ、結果的に最高の教材になったこと。
また、あなたが英語で読むのを選ぶなら、強い興味を持てるモノが一番良かろうということです。
何度読んでも引き付けられてしまうもの…あなたの興味・関心に深く結びつく「人生の小説・ビデオ」と言えるようなモノなら最適かも。
あなたにとって、そんな人生の小説やDVDは何でしょう?これから出会うのなら、それも楽しみですね。ここまで読んでくれて有難うございます。あなたの人生ぴったりの教材に出会えることを心から願います。
See you soon!
Jiro
追記:
DVDは偶然地元の図書館にあったもの。以下は同じDVDを売っていたサイトhttps://www.hmv.co.jp/en/artist_TV-Drama_000000000030794/item_The-Count-Of-Monte-Cristo_1856766
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解する。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
↓ ↓ ↓
英語版はこちらから☆
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員