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ニューヨーク心のバリアフリー

World Lifeな生活
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数年前になりますが、日本で、ある地方に演奏旅行に行ったときのことです。たまたま、さるお方の講演会と私のコンサートをコラボでやることになっていて、その講演内容が「日本のバリアフリーについて」でした。

私がニューヨークから来ているので、ぜひニューヨークのバリアフリーの様子も聞きたい、とおっしゃるスタッフさんがあって、私も、少しお時間をいただき、講演することとなりました。

その時のお話を、今日は書こうと思います。

英語では、日本で言う広い意味での「バリアフリー」のことを、「アクセシビリティ」と言ったほうが、伝わりやすそうです。

日本のバリアフリー

日本では、街角の歩道に、黄色のプレートが目の悪い方用にずっと張り巡らされていたり、いろいろな会議の折には手話の方が袖に待機していたり、少しでも階段を少なくするように、玄関にはスロープを設置したり、いろいろなバリアフリーの政策を見ることができます。

各駅は、ほとんどエレベーターとエスカレーターが完備され、電車の駅のホームでも、車椅子の方には、乗りやすいようにスロープをかけて車椅子を押してくださる駅員さんがあったり、日本は、世界中でも、なかなか類まれなる、弱者に優しい国だと思います。

NY地下鉄の階段

さて、一方ニューヨークでは。

実は、驚かれるかもしれませんが、地下鉄は、できてから100年以上経っていて、日本ほど、各駅にエレベーターやエスカレーターがあったり、自動ドアが完備されていたり、そう近代化が進んでいるわけではないのが実情です。

プラットホームに降りるのに、ほとんどの駅では階段ですし、駅入り口のドアは、けっこう重たい手動のドアだったりします。

では、ニューヨーカーはどうしているのか☆

ニューヨークの地下鉄では、乳母車に赤ちゃんを乗せた若いお母さんをよく見かけます。最初は、エレベーターのある駅は少ないのに、どうやって地下鉄に乗れるんだろうと不思議に思いましたが、すぐにその理由が分かりました。

誰彼となく、ベビーカーを見ると、すっと手を出して、大きな男性だったら、1人で両手で乳母車を抱え上げて、階段を地上まで運んでくれます。小柄な方だったら、ベビーカーの前をひょっと持ってくれて、お母さんと2人で、1台を地上に運び上げます。

私は今まで、どうしようもなくて困り果てているベビーカーのお母さんを見たことがありません。

そういえば、私が重いスーツケースを持って空港に行く時も、ニューヨークでは階段でほとんど苦労がありません。誰か大きな人が、let me help you (あ、手伝うよ)、と一声かけて、さっさと持って上がってくれるのです。なんてジェントルマン、素敵!って思ってしまいますよね。でもそれがここでは、普通の事のようです。

アメリカは重いドアが多い

あと、アメリカでの公共施設等のドアが、いまだに、多くは手で押して開ける手動ドアで、またそのドアが、結構重い。

(逆に、たまに日本へ帰ると、どこもかしこも自動ドアで、近寄っただけですっと開いたりするので、驚きます。笑。)

さて、この重いドア、デパートの入り口や、地下鉄の入り口、教会の入り口などいたるところにあります。

さてニューヨーカーはどうするか☆

男性は重いドアを開けて、それを腕で支え、女性や年配の方、子供たちなどをまず先に通してあげます。それが、紳士のマナーというほどのこともなく、自然に普通のことなんです。

前の人が通った後に、自分が通る時、どなたかがその重いドアをずっと開けたまま支えていてくれますから、サンキュー!と言って通ります。

もし自分が元気だったら、今度は自分がそれを支え、他の人を通してあげます。

ニューヨークのバリアフリー

誰かのためにドアを開けて待っていてあげる、例えば歩行器を使っておられるおばあちゃんとか、乳母車のお母さんとか、大きな荷物を抱えている配達のお兄さんとか、どなたでも、見ず知らずの方を助けると言うのは、気持ちの良いものですよね。

ニューヨークは、日本のバリアフリーのようなハイテクではないところも多くありますが、こうしたニューヨーカーひとりひとりの自然な行動が、ちょっとオーソドックスだけど、「心のバリアフリー」なのかもしれません。

それではまた来週♫
Kayo

 

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