このたびの、大統領選挙の入場券(各個人宛のバーコード)が、説明書と共に送られてきました。
アメリカの投票って、アメリカの大統領選挙ってどんな感じなの?なんて言うご質問もあったので、興味深いと思い、この入場券にどんなことが書かれているのか、お伝えしたいと思います。
まずは日程の記載
選挙日:
2024年11月5日
期日前投票日:
2024年10月26日~11月3日
個人が、クリック1つでスマートフォンに入場券をダウンロードできる、QRコードが付いています。
シールをめくるとコードが出てきて、直ぐに、スマホのお財布アプリに入れることができるようです。
行列を避け、郵送で投票!
お年寄りや、赤ちゃんがいる方、車椅子の方、とにかく忙しい方などには、とても優しい方法だと思います。
このお知らせにはこんなようなことが書かれてあります
ーーーーーーーーーー
やりかたは簡単!
ネットでの詳細はこちら。インターネットで、あなたの郵送投票の書類を取り寄せることができます。
RequestBallot.Vote.NYC
投票用紙は、11月5日までの消印有効、11月12日までの到着必須。
もし郵送しそびれた場合でも、選挙日の午後9時までに、早期投票、または選挙日の投票場所に、郵便投票用紙を提出してもオッケー。
郵便投票を選択した場合、投票機で投票することはできません。
◯覚えておいて…
• 指定された投票所で、投票してください。
• 投票に身分証明書を提示する必要はありません。(登録時に身分証明書を提供しなかった初めての有権者でない限り)
投票サイトで、待ち時間を確認できます。
ーーーーーーーーーー
そして、このページの右側には、この地区の人々が行くべき投票所の説明が詳しく書いてあります。この地区では、近所の小学校のホールで選挙が行われるらしく、その学校の入り口の説明とかです。
以前2020年の大統領選挙の際、パンデミック中でトランプが大統領だったとき、信じられないことに、郵送での投票が有効にならないよう、彼は郵便物の収集の日を極端に減らし、そのために郵便局の集配人の数をいきなり減少させ、また多くの郵便ポストが使えないようにしてしまうなど、当時の民主党候補バイデンへの郵便での票が入らないように、画策したのでした。
今回の選挙、現在がバイデン政権ですから、そのようなむちゃくちゃな事は行われない、と人々は信じているようです。
彼は、まさに独裁者のようでした。そんなことが、今時あってはなりません。
投票所での投票のやりかた
さて、投票日の、投票の仕方です。これは日本と変わらないんじゃないかな。
さすが、スペイン語と中国語でもちゃんと説明してあります。
1) あなたの選挙区(ED)に行き、投票用紙を受け取る。
2) 投票用紙を完成させる。裏と表の両面あります。
3)投票用紙を一度に1枚ずつスキャンする。
両面投票について
この選挙は、表面は大統領の候補者、裏面はニューヨーク州の法律の修正案提案に投票するため、両面になります。
なので、こんなことも書かれています。
• 必ず投票用紙を裏返し、両面を完成させてください。
・一部の地区では、2枚の投票用紙になっていることもあります。
この裏面のプロポーザル(修正案提案)についてですが、少しネットで調べてみました。今回の大統領選挙、ニューヨーク州では、「ニューヨーク州憲法」について、修正案に賛成するかしないかをYes かNoで答えるようです。
この提案は、ニューヨーク憲法の第1条第11節の改正。第11条は現在、人権の平等な保護に関して、「人種、肌の色、信条、宗教に基づく不平等な扱いから保護する」となっていますが、これでは不十分だと言うことで、修正案が出されています。
修正案というのは、
「性的指向、性自認、妊娠、民族、国籍、年齢、障害、性別に基づく不平等な扱いから保護する。また、リプロダクティブ・ヘルスケア(女性が、自分の妊娠についてなどを自分で決定できること、妊娠中絶を含む)と不平等な治療、からも保護する。」
全く当たり前のように、人間は皆平等だ、と思い込んでいた毎日ですが、こうやって文章で見てみると、平等を約束されていなかった人たちがたくさんいるのだ、と気づきます。
人間は、まずスタートラインが平等と言うところから始まるべきだと、私は強く思いますが、そんな中でトランプのように人種差別を堂々と謳い上げる大統領は、稀有な存在だと思います。
11月5日、総選挙の結果がどう出るのか、全世界を左右する選挙になるでしょう。アメリカ国民の、善良な思惑を、祈るばかりです。
それではまた♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。