子供の頃、いろいろ使っていた風習や習慣、例えば「じゃんけん」とか、「てるてる坊主」とか、「えんがちょ」、そういうのって、アメリカにもあるのですか?って言う質問をいただきました。
確かに、国が違っても、子供時代の似たような風習や習慣があってもおかしくありませんよね。少し調べてみました。
<じゃんけん>
リサーチしたところ、じゃんけんって、日本で発祥したもの、と言う説があるようですね。江戸時代の中頃から後半にかけて流行した「石拳(いしけん)」という子供の手遊びが由来なのだそう。
で、アメリカにも、ジャンケンあるんです。
こちらでは「Rock-paper-scissors / ロック・ペーパー・シザース)」と呼ばれ、岩がグー、紙がパー、はさみがチョキです。
日本だと「じゃん・けん・ポン!」(3拍目)で出すと思いますが、アメリカでの普通のじゃんけんの仕方は、「ロック、ペーパー、シザース、シュート!」で、シュート!(4拍目)のタイミングで出します。
そして、アメリカでは「Rock-Paper-Scissors / ロック・ペーパー・シザース」の3手に、2手加えた、5手の新しいじゃんけんなんかもあるようです。
「ロック・ペーパー・シザース」に、「Spock /スポック」 (人差し指と中指をくっつけ、中指と薬指の間を開け、薬指と、小指をくっつけた形)と、「Lizard / リザード(トカゲ)」(握りこぶしをちょっと緩めて、親指と残り4本の指の腹をくっつけた形)の、5つの手のじゃんけん!
勝ち負けのルールの説明をしている動画がありました。
追加の2手を日本語で解説するとこんな感じみたいです。
「Spock / スポック」
scissors(はさみ)とrock(岩)に勝って、paper(紙)とLizard(トカゲ)に負け。
「Lizard / リザード(トカゲ)」
spock(スポック)とpaper(紙)に勝って、scissors(はさみ)とrock(岩)に負け。
図解するとこんな感じに、
ちなみに、「スポック」はアメリカで1966年から始まった大人気のSFテレビドラマ「スタートレック」に出てくるスポック船長の事。いつも挨拶の時にこの指の形をしていましたね。って、若い方はご存じないかな?と思って、書き足してみました。
5手のじゃんけん、慣れたら面白いかもしれませんね(笑)
そんなじゃんけんですが、じゃんけんに似た遊びは世界中にあり、呼び名は国によって異なるようです。
<えんがちょ>
次は「えんがちょ」日本における民俗風習のひとつ。 主に児童の遊びとして取り入れられた風習で、ある種の穢れの感染を防ぐための特別な仕草での、まじないの一種。
地方や時代によってその呼称は異なっているそうで、若い世代の人々には、「バリア〜」がもうちょっと馴染みがあるのかも。
アメリカでは、「Tag, you’re it!」 が、子供の遊び「鬼ごっこ」で使われるフレーズで、「君が、鬼だよ!」という意味だそう。
中学校の初級英語で最初に出てくる「it / イット(それ)」ですが、最近のホラー映画でも、「イット」と言うタイトルの怖い映画があって、「it / イット」と言う言葉が、それがなんか超怖いものを表わすことがある、と言うことが少しずつわかってきました。おおお。
さて西洋では、「えんがちょ」と全く同じジェスチャーが、全く逆の良い意味で使われています。「cross fingers」といって、英語の慣用句にもなっており、フィンガーズ・クロスドともいうハンドサイン。
これは英語圏ではよく使われるジェスチャーで、「幸運を祈る」「グッド・ラック」という意味を表します。 クロスさせた人差し指と中指を十字架に見立てているそうです。
ところ変われば使い方も色々ですね。
<てるてる坊主>
最後は「てるてる坊主」、起源いろいろ調べてみたのですが、3つ、有力な説があるようですね。
1つ目は、中国の少女のお話。この少女が、雨を降らす龍に嫁入りしてくれたおかげで、雨がやんだと言う説。
2つ目は、お坊さんが雨乞いをしたけれど効かなくて、殿様がその坊さんの首をはね、白い布に包んでぶら下げたら雨がやんだと言う説。怖い・・・。
3つ目は、江戸時代の、日本古来の妖怪「日和坊」の説。
そして面白いのは、世界中多くの国々で、「雨乞のおまじない」は普通にあるのですが、「晴れにしてください」というのは、この日本独自(中国由来とも言われていますが)の「てるてる坊主」、とても珍しいのだそう。不思議ですね。
また、他の文化や風習、習慣なんかも調べてみようと思います。調べ始めると、いろんな由来がわかって、興味深いことがたくさんありますよね。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。