お正月にテレビを見ていた時のこと。
昭和から令和の名曲を紹介する番組で,いろいろな世代の曲が紹介されていました。
「懐かしいなぁ,」と思ったり,
昔の曲なのに
「え,知らないなぁ?」
というようなものがあったり。
その中で,オフコースの「さよなら」が流れてきたんです。
「あ〜,名曲だなぁ」
と思って聴いていたのと同時に,
「なんで『もちろん』が “of course”なんだ?」
という疑問が湧いてきたんです。
あなたはなぜだと思いますか?
―なぜ “Of course.”=もちろんなの?―
オフコースの「さよなら」って,本当に名曲ですよね。
小田和正さん,1947年生まれの77歳ですって。
もうびっくり。
若々しいし,何より声が全然衰えていないんですもの。
あの高音,全然衰えずに出せるなんてもう神業か,と思ってしまいます。
そして,オフコースと言えば
“of course”=もちろん,
という多くの人が知っているイディオム。
なぜ「もちろん」という意味なのでしょうか。
この疑問に関しては多くの説があり,”Maritime industry(海運業)”で「航路通り」を意味する“on course”から来ているという専門家もいるなど,「これが絶対の由来である」というはっきりしたことは,言語の専門家の中でも意見がわかれているそう。
そもそも “course”の主な意味を考えてみると,
「(進むべき)道,進路,航路」などがイメージとして浮かぶと思います。
でも “course”には,
「成り行き」
という意味もあり,
“Let’s let things take its course.”
(物事がとるコースに任せよう=事の成り行きに任せよう)
のように表現できるんですね。
また, “of”は
“Let’s get out of here.”
(ここから出よう)
のように「〜から」という意味もあります。
そう考えると,
“of course”は,「成り行きから」という意味にもとることができ,
(成り行きからそうなるよね)=当然のこと=もちろん
となったのではないか,と考えられるという意見が私個人としては有力そうだなぁ,と思っております。
― “Of course”は失礼!?―
時々,
「“Of course.”という表現は,失礼になるので要注意!」
と説明されていることがあります。
これはどういうことなのでしょうか。
これを知るには,“Of course.”のもつ意味を理解しておくことが大切になってきます。
基本的に“Of course.” は
「当たり前のこと」や「断る理由のないこと」
などの場合に使う表現なんです。
例えば,
“Can I borrow your pen for a second?”
(ちょっとだけペンを借りてもいい?)
と言われた時に,
“Of course.”
(もちろん)
と応えるような場合です。
よほど嫌な場合は断るかもしれませんが,簡単なお願いだしたいていの場合は貸しますよね。
でも,こんな場合はどうでしょう。
A: How about going to that new restaurant for your birthday?
(君の誕生日に,あの新しくできたレストランに行くのはどう?)
と提案されて,
B: “Of course.”
と答えたら,
「特別な日なんだから,行くのは当然」
と思われるかもしれません。
そういう意味で,「失礼にあたるかも」と言っているのですね。
もちろんこれは,その人の言い方やお互いの関係性にもよります。
でも “Of course.”が「当たり前」感を含んでいる言葉なので,
そういう場合は “Of course.”よりも,
“Sure! I’d love to.”
(もちろん,ぜひ行きたい!)
のように答えると良いですよ。
また,よりカジュアルに
“Sure thing.”
も「もちろん」を表す言い方です。
「もちろん」を表す表現として,他にも
“Certainly.”
“Absolutely.”
“Definitely.”
などがあり, 上から順番に丁寧なイメージです。
シーンに合わせて使ってみてくださいね。
今回の「もちろん」を表す “Of course.”ですが,
小田和正さんのいる「オフコース」,
私はほとんどカタカナ表記しか知らなかったのですが,英語にすると
「コースから外れた」を意味する
“Off Course”
なんですって!
みなさん,ご存知でした?
ビックリ!
ということで,また来週〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。