Hi!
火曜日のJiroです。
もう随分と昔のお話ですが、大学3年時に留学したアメリカの大学、キャンパスの片隅にあったコートで、同じ学生の友人達とバスケットボールをした時のこと。
ボールを取り合あったりパスやシュート、秋の橙色の夕陽を受け気楽な数十分間。
中学時代バスケ部だった私。動きで、私以外は未経験者だとすぐ知れました。
うっすら汗もかき、そろそろお終いという時。
Mike(私の印象ではマリファナ中毒)が、ボールを地面にドリブルしながら私に一言。
You should play! (bong, bong, bong)
「君はプレーすべきだ!」
えっ?!
「たるんでるなあ、練習がたりないでしょ!もっとやれよ!」っていう、とても強制的な感じに聞こえました。
……ナニソレ?「~するべきだ!!」とか言う?そっちの方が初心者なのに…マリファナのせい?……
と、正直ムッとしたのが本当のところ。
でもなぜそんな言い方なんだろう・・・と少し疑問も。
当時の私の英語力では、彼らに英語で聞いてみる自信はなく、図書館へ。
すると分かったのが…
<shouldには複数の意味が>
まず確かに、Shouldには「~べき」に当たる意味があります。
official orders or instructions(公的命令・指示)だと。
例えば
Passengers should proceed to Gate 5.
(乗客の方は5番ゲ―トへ)
しかし他にも、
give or ask for advice(助言する、を頼む)
っていう意味もあったんです!
「~したら?、した方がいいよ」みたいな軽い感じの使われ方のよう。
例えば
You should read his book.
(彼の書いた本を読んだらいいんじゃない?)
という感じ。
当時の私の頭の中は、should =「すべき」のみでした。
……shouldには「~した方がいい」くらいの意味もあるんだ。あれ?まてよ「した方がいい」ならば、had betterは?……
と思い、had betterもついでに調べると、
had better : used to threaten someone(脅迫的に使われる)
とありました。
なので、例えば
You had better keep your mouth shut.
(何も言わない方がいい・・・身の為だぞ、さもないと)
という感じで、「〜すべき」よりもっと強い感じ。
<shouldで伝えたかった本当の気持ち>
私の知識不足からくる勘違いで、Mikeは「君はプレーすべきだ!」なんていう無理強いではなく
「また僕らと一緒にやらない?」くらいの意味で、shouldを使ってた、というのが分かりました。
You should play.
(結構うまいね、またぜひ一緒にやろうよ!やった方がいいよ!)
と。
さて、帰国後教員になり助動詞 should が出てくると、よくこのバスケ事件に触れました。教科書にない情報のせいか、生徒達はよく聞いてくれました。
体験に基づいた情報って、教える側だけでなく習う方にも値打ちが違うようです。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員