【World Life】とは?
スポンサーリンク

イタい英国の美容室

World Lifeな生活
この記事は約6分で読めます。

イギリスのブライトンの語学学校に通い始めて1ヶ月。
こちらでの生活にも慣れてきた頃。

私はモーレツに自分の黒髪を何とかしたいと思っていた。街行く人たちの髪は大抵、金髪や明るい茶系。クラスメイトもアジア人以外はだいたい明るい髪色をしている。

その当時の私は、イギリスという国にも、そしてイギリス人にも強い憧れがあった。そして、日本よりも外国の方がいい!という、いわゆる「外国かぶれ」状態。

日本でもカラーは入れていたが、それでもこちらに来ると自分の髪が真っ黒に感じる。自分の黒髪が暗く重い雰囲気に感じられ、何とか明るくして周りに馴染みたいという思いがあった。

「髪も明るくして、ショートにイメチェンしてみよう!」
明るい髪色でかわいくイメチェンした自分を思い浮かべ一人ワクワクする。

が、
ここはイギリス。

「どこで、髪きる? へんな所だったらイヤだなぁ。」「てか、私の英語力で美容室いける? ちゃんと切ってもらえるのかなぁ?…」

不安がドンドン沸いてくる。日本にいたら何でもない日常の事が、海外となると一つ一つが大変な事に感じる。

さて、初めての海外での美容室体験は…いかに!

ちゃんとした服、着てくれば良かった…

まずは、美容室選び。これは重要なので失敗なく選びたい。

外からの雰囲気だけで選ぶのは危険なので、ホームステイ先のホストマザーに聞くことにした。彼女がいつも行っているという美容室を教えてもらい、予約をいれてもらった。

初めての海外の美容室。
行く数日前から頭の中で入念にシミュレーションを行う。

希望の髪形を英語で伝えるのは無理と判断。雑誌を買い、希望に近い髪形の人を探して切り抜いておいた。

あとは今回のメインテーマでもあるカラー。「髪を染める」というのがdye one’s hairというのも、この時調べて初めて知る。頭の中で、使いそうな英語も繰り返し練習しておく。

予約の日。

小さな細い路地沿いに骨とう品やアンティークショップなどの小さなお店が立ち並ぶエリア、ザ・レーンズ。

その一角に、美容室はあった。歴史のありそうな建物に、重厚そうな木の扉。
外観だけで気が引ける…。

「ここ、私みたいな学生が来ていいのかなぁ?」 

入り口でちょっと戸惑っていると…、
中から美容師さんが笑顔でドアを開けてくれた。

「マキね。パルマーさんから聞いてるわ。入って。」

ホストマザーがちゃんと説明してくれていたようだ。美容師さんに明るく迎えられてちょっとホッとする。

店内は落ち着いた、静かな大人の雰囲気に溢れていた。お客さん達もマダムといった雰囲気。

「もうちょっとちゃんとした服を着てくれば良かった…。」
ラフな格好で鏡に映る自分が恥ずかしくなる。美容室にオシャレをして出かけるなんて思ってもなかった。

緊張している私に、美容師さんはにこやかに話しかけてくれる。「髪型はどうしましょうか?」

「Like this.(こんな感じで)」とだけ言って、準備していた雑誌の切り抜きの写真を渡す。英語で説明する必要もなく、相手もすぐに分かるし、これは完璧。

次は、カラーだ。
日本と同じように、美容師さんが髪色のカラーチャートを持って来てくれた。

「良かった。これなら指をさせばOKだ」とホッとしたのだが…。

私が「これくらいの色で…」と指さすと、
美容師さん:「この色は明るすぎるわ。これ位の方がいいわよ」と提案される。

その時は「黒髪はイヤだ。できるだけ明るくしたい」と思っていたので、彼女の提案も「う~ん、もっと明るい方がいいんだけど…」と思ったが、反論する勇気はなく…。

結局「O.K.」と言ってしまった…。
その後はなされるがまま。髪をバッサリ切られ、カラー液が塗られる。

髪がタカラジェンヌに?!

「このまましばらく置きますね」と言って、美容師さんが去っていく。

と、時間がたつにつれ、頭皮がヒリヒリしてきた!(+o+) 

「痛い…。海外のはやっぱり薬剤がきついのかも。早くおとしてくれないかなぁ…。」と思うも声をかける勇気がでない。

「きっとあともう少しだ。耐えよう…。」

頭皮がヒリヒリと熱くなるのを感じながら耐えること30分程。ようやく担当の美容師さんが来た。

「あ~、良かった。流してもらえる」と思ったのも束の間。髪の毛の染まり具合を見て、「まだね」というように首を振ってまた去っていってしまった。

「え…まだおくの?」しかも、声をかけるタイミングも失ってしまった。

頭皮の痛さに耐えながらそこからさらに30分近くがたち、自分の目で見ても髪が明るくなってるのが分かる位。

それでも、美容師さんは来てくれない。

タイマーらしきものもないし、声もかけてもらえないし、「もう私、忘れられてるんじゃない?」と不安な気持ちになった。

近くを店員さんが通る度に「声をかけてみようか…」と思い、“Excuse me”と声を出そうとするのだが…、勇気がでない。

結局ただひたすら時計を眺め、痛さに耐えつつ待つのみ。

そうして、やっと美容師さんが来てくれたのは1時間近くもたってからの事 。シャンプー台でカラー液をおとしてもらい、再び鏡の前に。

と、濡れていても明らかに髪が明るい! そして、その色は乾かしていくうちに益々明るい色になり、最後には金髪並みに!

「え~!これ明るすぎ~!! てか、金髪やん!暗い方の色でこれ?」

しかも、髪形も渡した切り抜きよりもずっと短い。ショックを受ける私の横で、

「ね。暗い方の色で良かったでしょ。」と満足そうな美容師さん。

「Yes…」自分の髪型に落ち込みながらも、文句が言える訳もなく、トボトボと帰る始末。
ベリーショートで金髪…。まるで宝塚のタカラジェンヌ…。

「あの時痛みを訴えて、早く流してもらっていたら…。」私の苦い美容室体験。

死ぬこと以外かすり傷

後で分かった事だが、日本人の髪はまっすぐなので、切るには技術がいるらしい。普段、細くてカールの入った髪ばかりを切っているイギリスの美容師さんにとったら私の髪は難しかったのだろう。

この経験から、私は海外で髪を切る時には日本人の美容師さんがいる所を探して行くようにしている。日本人が多く住んでいる都市や、観光地には結構日本人の美容師さんが働いている。

彼らは、技術力が高いので日本人以外のお客さんにも人気なんだそう。

ただ、オーストラリアのハミルトン島にいる時はそうもいかなかった。島には日本人の美容師さんどころか、美容室自体なかった。

一度オージーの友達が「真っ直ぐ切るだけなら私でもできるから切ってあげる」と言われ、自信満々だったので切ってもらった事がある。

…結果、わかめちゃんカットのようにされてしまった(;^ω^) 
やっぱり髪は日本人の美容師さんに切ってもらった方が間違いない。

しかし、これも経験してみたからこそ分かる事。経験しなければそれにも気づけない。
髪は失敗しても時間がたてば元に戻るし大した問題じゃない。

むしろ、失敗談は記憶に残る思い出になるし、ネタにもなる!とこれまでを振り返るとそう思う。

「死ぬこと以外かすり傷」という言葉を聞いたことがあるが、本当にそうだと思う。死ぬ事がなければ、どんな失敗も、どんな辛い経験も、結果的には自分の血となり肉となる。

失敗を恐れず、どんどん新しい体験をしてみよう!失敗も新しい発見!

タイトルとURLをコピーしました