突然ですが、クイズです!
イタリアに語学留学中、アメリカ人のクラスメイト ダグラスと話していた時の事。
ダグラス:「この間マイケルがさぁ………でさぁ。」と言い出した。
???
私の知っている友達の中にマイケルはいない。
私:「マイケル?誰それ?私知らないんだけど。」
ダグラス:「知ってるでしょ。フランス人の背の高い男の子だよ。眼鏡かけてる。」
私:「あー、彼ね。」
誰のことを言っているかは分かった。だけど、彼の名前は「マイケル」じゃない。
かといって、ダグラスが間違って覚えている訳でもないのです。
では、フランス人の彼の本当の名前は、いったい何だったのでしょう?
<マイケルは○○の名前>
このクイズ、分かりましたか?
フランス人の彼の名前は…
「ミカエル」
では、なぜダグラスはミカエルのことをマイケルと呼んでいるのでしょうか?
ミカエルという名前は「大天使ミカエル」から来ています。大天使ミカエルは、天使のリーダー格的存在の天使です。神に反逆を企てたサタン(悪魔)やドラゴンを退治した武勇伝があり、天使ですが手にはたいてい剣を持っています。
また、「最後の審判」の中で、キリストの足元に立って、死者の魂を秤にかけ天国行きか、地獄行きかを決めるのもまたミカエルとされています。
そして、この大天使ミカエルは英語では「マイケル」なのです。
この時ダグラスも、「ミカエルは英語ではマイケルだからマイケルでいいんだよ。」と言ってミカエルをマイケルと呼んでいました。
天使の名前がミカエル=マイケルだからといって、人の名前を勝手に変えて呼ぶのはどうかと思いますが、この時私が「ミカエルは天使の名前で、英語ではその天使はマイケルになる」というのを知ってたからこそ理解できた話でもあります。
「ふ~ん。そうなんだ。天使の名前には興味ないわ」と思ったあなた。
<興味なくても知るとメリットいっぱい>
天使や聖人の名前、それにまつわる聖書の話は、欧米諸国では誰でも知っている常識的な物です。キリスト教が深く根付いているヨーロッパでは、芸術も建築も宗教画や教会建築など、キリスト教と共に発展してきているのです。
そのためヨーロッパの美術館に行くと、どうしても聖書を題材にした宗教画が多くなるし、街を歩けば聖人の名前のついた教会があったり、銅像があったりする。
キリスト教ではない私は、最初の頃は美術館に行っても、教会に行っても「へー、きれいだね。」とか有名だから見ておこう位にしか思っていませんでした。
「受胎告知」や「イエスの処刑」などと説明されても全部同じようにしか見えなかったし、時には余りに多い宗教画に辟易して、「普通の風景画とか人物画とかないのかなぁ」とさえ思ってたこともあった。
それが、ツアコンの仕事をしてから、英語のガイドさんしかいない場所では私が通訳してお客様に伝えることに。詳しい説明は英語ガイドさんがしてくれるとしても、自分でも勉強しておかないとやはり何のことを言っているか分からない。
それで、最初は必要に駆られて題材となっている聖書の話や聖人、天使の名前を勉強し始めたのです。勉強といっても学生のような試験のための勉強ではなく、自分の興味や知識のための勉強は知れば知るほど面白く楽しい物です。
イラスト入りで聖書の主要なエピソードだけ面白く説明されている本なども結構あって、物語を読んでるようで面白いのです。
そして、その背景の物語が分かってくると、同じ絵を見ても感じ方が全く違ってくるのです。先ほどの大天使ミカエルも剣や天秤を持っていたり、最後の審判に描かれていたら「あれは、ミカエルだな」と分かったり、馬に乗って槍で竜と戦っている姿をみたら「聖ゲオルギウスだな」など分かってくるのです。
そして、ゲオルギウスも場所によって、ドイツではゲオルク、イタリアではジョルジョそして英語ではジョージになります。
マイケルもジョージもよく聞く名前ですよね?欧米諸国の人の名前は、聖人や天使の名前からつけられている事が多いので、知っていると人の名前もその聖人のエピソードと連携して覚えやすくなります。
他にも、
聖ヨハネJohan→John
聖マタイ→Matthew
聖パウロ→Paul
聖マルコ→Mark
などがあります。
英語での名前の変化を知るだけでも面白いですよね。
私は自分が知っている聖人や天使の名前の人と出会ったら「○○って聖人/天使の○○だよね。この間、あなたの名前の教会に行ったよ。」とか、もし詳しく知らない聖人なら「どんな事をした人なの?」と聞くと、それだけで話が広がります。
なにより聞かれた本人が自分の名前に興味を持ってもらえて嬉しそうだし、誇らしげに説明をしてくれます。
逆に外国の人は、漢字1つ1つに意味がある事に興味があって、日本人の名前の漢字の意味をよく聞いてくる事があります。自分の名前の意味を説明できる様にしておくと、初対面の人でも会話がしやすくなるし、自分の名前を覚えてもらいやすくなると思いますよ。
キリスト教には興味がないという人も、少し知っておくだけで外国の人との会話が弾んだり、海外での美術館や教会巡りも面白くなりますよ。
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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