いつもの散歩コースで、「あれっ」と思いました。周りの風景が変なのです。あるべきものがない感じ….何だろう、何だろうってやっと視線が止まったのは宅地造成地の片隅。鬱蒼とした大木が影も形もなく、近寄ってみると切り株だけなんです。
樹齢最低でも数百年だったかも。それが一晩で、根こそぎ寸前の幅約一メートルの切り株に。幹も枝も邪魔だったのでしょうか。土地の使用に難癖つけるつもりはありません…でも何だか少し滅入るよう。
あなただったらこういう時、気分転換に何をするでしょう。私は語源調べしちゃいます。tree(木)の単語DNAを調べたんです。すると知らぬ間に夢中に…。
DNAとは言語の歴史を遡る道具。英語等を数千年も遡ると、思いがけないものが見えてきます。今回は単語DNA 繋がりでtree(木)、true(本当の), trust(信頼する)の3つを見てみましょう^^
<DNA(丈夫で強い)からtree (木) が>
DNA DERU(デル/丈夫で強い)→tree(トゥリー/木)Tree(トゥリー/木)と言う単語は、昔
は「丈夫で強い」というDNAだったんですね。9000年も前なので、木は人が身近に使える強く
て丈夫な物だったと考えられます。
あるいは、木は本当は「強くて丈夫」なのかもしれません。地球から今人間が消えれば植物は木も
草も伸び放題。痛んだ環境はすぐに元に戻るらしいからです。木は結局「強くて丈夫」なのかも。
さてDERU の形を見ると、長い間の変化でtreeになったようです。デルとトゥリ…何となく似て
いる感じがあります。デとトゥなんて濁る濁らないの違い位ですし。
DERU(デル/丈夫で強い)→tree(トゥリー/木)
<DNA(丈夫で強い)からtrue (本当の),trust (信頼する)が>
DERU(丈夫で強い)→true(トゥル―/本当の) Trueもtree同様、同じDERUからです。確かにtrueとtreeは発音も綴りもそっくり。「本当の…」という意味も、「(丈夫な強い)木」のイメージ繋がりから生まれたのかも。
DERU(デル/丈夫で強い)→true(トゥル―/本当の)
DERU→ trust(トゥラスト/信頼) Trustが「丈夫で強い」DNAからとは不思議。あなたも「信頼」って丈夫で強いものかなあと違和感を感じるかも。もしかしたら「信頼」が強く丈夫な物であって欲しい、という昔の人の願いが出てるのかもしれませんね。
DERU(デル/丈夫で強い)→trust(トゥラスト/信頼)
<自然を「いじめ」てる?>
冒頭の切り株に戻ると、(人間って自然を痛めつけてるのかな)という気がやっぱりします。
そこで思い出したのは、最近読んだ本。一昔前に中村天風がインドの奥地で体験したことが載っていました。
地元の男の子が、馬の後ろ脚にパッと飛びついたのを目撃し、彼は思わず「危ない!」と大声を。ある老爺が、慌てて助けを呼ぼうとする彼を宥めつつ「馬は人を蹴るようなことはしない。お前の国では馬をいじめるのではないか。本当に可愛がっていたら、動物は人間に害を与えない。」と。
彼は試しに子供と一緒に馬の後ろ足を引っ張ったり、しがみついてみた。馬は無反応で無心に草をはみ続けている…というもの。
私は先日この話を読み、常識だと思い込んでいた「馬の後方に立つな」の真意が分かり驚きました。日本でも馬を飼い乗馬したりしているが、馬をいじめていることになるのか?と。
馬でも木でも人と自然との関係には、意外な見落としがあるのかも。あなたも人間の自然との関係を見なおし、死角や盲点を発見できたら素晴らしいですね。
See you again
Jiro
追伸:ヨーガに生きる 中村天風とカリアッパ師の歩み 大井満 春秋社1988
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員