外国に行くと、その国、その国で独特の香りがあると思いませんか?
空港を出て外の空気を吸った瞬間、行った事のある場所なら「あ~、この国の匂いだ!」と懐かしく感じる事があります。
例えば、韓国はキムチのような香辛料の香りがするし、オーストラリアのケアンズは湿った植物の香りがします。
そして、日本にも独特の匂いがあると言います。
自分の家の匂いが分からないのと同じで、日本に住んでいると分からないのですが、外国の人たちには日本はある物の香りがすると言います。
日本らしいと言えば日本らしい、その匂いは一体何だと思いますか?
<天然の香水は〇〇?!>
分かりましたか?
実は…「醤油」の匂いがするそうですよ。
日本にいる外国人と国に匂いがあるという話になった時、「日本は醬油の匂いがするよね。」と言われました。私は「そうかなぁ?」と思いましたが、他の外国の人たちもみんな「うんうん、する、する!」と頷いていました。
それを聞いてから、外国から帰って来るときには気を付けて匂いを嗅いでみるのですが、私にはやっぱり醤油の匂いは感じられません…(笑)
でも、ほっとする香りがあるのは確かです。
匂いや香りに関する考え方も日本人と外国人ではちょっと違うようです。
香りの代表格と言えば、香水。
日本では日常的に香水をつける人はそれ程多くないと思いますが、フランスでは身だしなみの一つ。
南フランスに添乗に行った時、香水工場見学と香水作り体験をしたことがあります。
香水工場があるのは、ニースとモナコ公国の間にあるエズ村。
「鷲の巣村」とも呼ばれる険しい崖が連なる山道をバスで登っていくと、岩山の向こう側に真っ青な地中海。そんな風光明媚な場所にあるのが、1880年創業の香水の老舗メーカー、Fragonard(フラゴナール)の工場。
工場と言っても外壁は薄い黄色、レモン色に塗られた宮殿のような建物。さすがフランス。工場にも気品があります。こんな景色のいい場所ならいい香水もできそうです。
工場内の案内も日本語スタッフがいて、丁寧に説明をしてくれたのにビックリ。見学用の通路からガラス張りで作業をする人たちが見えます。大きなステンレス製のタンクがあったり、白衣を着て真剣な眼差しで香りを調合する調香師たちの姿。
機械で全てオートメーション化され大量生産されているかと思いきや、意外に手作業が多く丁寧に作られているのが分かる。香水はフランスの人たちにとって身近であり、特別で欠かせない物だという事が伝わってきました。
見学を終えたら、今度は香水作り体験。
香水の香りには順番があるとの事。つけてすぐ来る香り「トップノート」、中盤全ての香りがバランスよく香る「ミドルノート」、そして最後まで残る香り「ベースノート」。時間の経過とともに香りも変化していくのだそうだ。
それを踏まえて自分の好きな香りを探して選んでいく。が、何種類も嗅いでいると鼻がおかしくなって香りが分からなくなってしまう((+_+))
調香師の仕事がどれだけ大変かが分かりました。1日に数時間しか働けないというのも納得です。
ベースの香りを決めたらそこに数種類の別の香りを足して、アルミの瓶に詰めてもらえば世界で1つだけしかない自分だけの香水の完成です!これは旅の記念になるいい体験でした。
さて、自然の香水というべきものが、「体臭」。
体臭というと、日本では「くさい」とか良くないもののように思ってしまいますよね。でも意外にも海外では体臭は肯定的に受け入れられています。
以前の記事でも、外国人はお風呂に入らない。シャワーも毎日しない人もいるという話をしました。
オーストラリアにいる時、毎日髪を洗う私を見て友人が「毎日髪を洗うのは良くないよ。洗いすぎだよ。」と言われた事があります。
「髪洗わないと汚いし、匂うでしょ。」と私が言うと、
「それがいいんじゃない!その人独特の香りがするのがいいんだよ。毎日洗ってたらそれが消えちゃうでしょ。」と友人。
(え?匂うのがいいって…。その感覚…分からない…”(-“”-)”)
私:「いい匂いならいいけど、汗とか髪の匂いは臭くない?」
友人:「それがいいのよ!数日たったぐらいが一番いい香りがするんだよ。」と力説。
日本人の感覚からすると、「匂いや体臭=不快な物、良くない物」と思うが海外では感覚が違うよう。
体臭はそれぞれの人が持つ独特の香水とでもいったところか。友人に力説されても、私には体臭が「良い匂い♪」とは到底思えなかった。
<香りマーケティング>
香りは今やビジネスにも使われているって知っていましたか?
私が以前働いていた京都の外資系ホテルでは、ホテル独自の香りがあり全世界の系列ホテルで同じ香りが使用されていました。
世界中どこに行っても同じ香りでお迎えし、初めての場所でもお客様が安心して落ち着ける場所を提供するというもの。
同じ香りのアロマキャンドルや、石鹸、シャンプーなども販売され、「ご自宅でもホテル気分を味わっていただけるように」となっていました。
が、これは表向きの表現。
実際の狙いは、香りで記憶付けをする事。
香りと記憶って強い結びつきがありますよね。街中ですれ違った人の香水や柔軟剤の匂いから「あ、〇〇さんの匂いだ!」とその人を思い出したり。
冒頭に話した「国の香り」も、香りと国の記憶が結びついていて、懐かしく感じる訳です。
それと同じでホテルも、ホテル以外の場所でも似た香りがした時に「あ、〇〇ホテルの香りだ」とホテルの事を思い出してもらう。
家でもアロマキャンドルなどで匂っている香りなら、そのホテルが一層、馴染みのあるホテル、落ち着けるホテルになってリピーターになりやすい訳です。
最近では、ホテルだけでなく洋服屋さんなどでも独自の香りがするお店があります。そのお店の香水を販売してたりもしますが、これも同じ理由からでしょう。
香りがするお店は外資系の所が多い気がするので、やはり海外では「香り」という物が重要視されているのでしょう。
「香り」に目を向けて街を歩くと、他にも香りを利用した物があるかもしれませんね。
香り一つで、幸せな気持ちになったり、昔の記憶がよみがえったり。マーケティングにも利用されるくらいなので香りの力って凄いんですね。
自分の好きな香りに包まれていると幸せな気持ちになりますよね。
体臭は「良い匂い♪」とはならないと思いますが、外国のように香りを意図的に日常生活に取り入れるのも日常が豊かになる一つのアイデアかもしれません。
あなたはどんな香りが好きですか?
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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