“Happy”
みなさん,この単語はご存知でしょうか。
って,もちろん知っていますよね。
「初めて聞いた」という人はいないくらい日本人の間でもよく知られた単語です。
その主な意味は「しあわせな,うれしい」。
つい最近では,
“Happy Halloween!”
(しあわあせなハロウィーンを過ごしてください!)
という言葉をよく耳にしたのではないでしょうか。
誕生日でも, “Happy birthday!”
バレンタインには,”Happy Valentine!”
世の中,至るところに “happy”という幸せが潜んでいます(笑)
さらに英語の教師時代, “Happy Call”なるものも考案して実施していました。
それは,よく頑張っている生徒や,普段よりも何か良い行いをした生徒の「保護者に電話してその生徒のことを褒める」というもの。
「Cozy先生がすごく褒めていたよ。」と保護者伝いで生徒に伝わると,
生徒を直接褒めるよりも効果的なんですよね。
と,話はそれてしまいましたが,
基本的には「幸せな」単語 “happy”。
しかし,あまり日本人には馴染みのない使い方があるのをご存知でしょうか。
―それ納得できてる?―
随分と昔の話になりますが,アメリカで友人の運転する車の助手席に座っていた私。
友人は「左折禁止」のところを左に曲がっちゃったのです。
その時,車の後方からまるで灯台の光を直接浴びたような光が差し込んできました。
「な,なんだ?」
そう,それはPOLICE CAR。
パトカーだったのです。
左折禁止を注意され,とっさにシートベルトを外してしまったが故に
助手席に座っていた私まで違反キップ(シートベルト違反)を切られることに。
後日,郵送で送られてきた通知書には罰金21ドルと書かれておりました^^;
異議申し立て等書かれた案内を読んでいると,ホームステイ先のお母さんが,
“Are you happy with it?”
と聞いてきたのです。
思わず心の中で,
(ハッピーなわけないじゃん!!)
と若干ムカついたのですが,これには私が知らなかった意味があったのです。
それは,
「納得する」
ということ。
お母さんは,
“Are you happy with it?”
(それに納得している?)
と聞いていたのです。
確かに通知書には,「納得できない場合は裁判を希望しますか,それとも罰金を支払いますか。」と書いてありました。
違反したのは自分だし,面倒なのでもちろん素直に支払いました。
なので, 先程のお母さんからの質問には,
“I’m happy with it.”
(私は納得している,受け入れている)
と答えればよいのです。
―「満足」の意味の “happy”―
アメリカのレストランで食事をすると,自分のテーブル担当の、ウェイトレス,ウェイターがつきます。
食事のオーダーも配膳も,食事の確認もすべてその担当の方がやってくれます。
なので,そのサービスに対してチップを払うのですね。
食事が終わると,
“How did you like the food?”
(お食事はいかがでしたか?)
のように訊かれることがあります。
その際,
“I’m very happy with the food.”
(食事にとても満足しています。)
“I’m not that happy with the food.”
(食事にそれほど満足していません。)
のように答えることもできるのです。
また,サーヴする側からすると,
“If you need anything, I’d be happy to help you.
(何か必要であれば,喜んでヘルプしますよ。)
のように,「よろこんで〜する」という意味で使うこともできます。
― “a”はつけないで!―
ハロウィーンも終わり,街は徐々にクリスマスの雰囲気になってきました。
そうなると年末へ向けての準備も気になる今日この頃。
大掃除に買い物,年賀状・・・
私は早々に年賀状をやめてしまいましたが,12月に入ると準備を始める方も多いハズ。
その時,ちょっと英語で新年の挨拶をということで
“A Happy New Year!”
と書かれているのを見たことがありませんか?
実はこれ,最初の “A”はいらないのです。
厳密に言えば,文章の中で使う場合は必要です。
例えば,クリスマスソングの代表とも言われる,
“We Wish You a Merry Christmas”の歌詞。
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas and a happy new year.
このように,
「楽しいクリスマス,そして幸せな新年を迎えられますように祈ってます。」
という文章内であれば,冠詞の “a”は必要なのです。
しかし,「良いお年を!」「あけましておめでとう!」のように挨拶として使う場合は,
“Happy new year!”
で良いのです。
“A”を前に付けちゃうと,「ある年の新年」のような意味となるのです。
ちょっと面倒くさいなって思ったでしょ?
ではこう考えてみてください。
クリスマスや誕生日に日に「おめでとう!」という場合,
“Merry Christmas!” (クリスマスおめでとう!)
“Happy birthday!” (誕生日おめでとう!)
と言いますよね?
前に“A”は付けていません。
ほら,簡単でしょ?
“Happy new year”だけに “A”をつけるのって変じゃないですか?
クリスマスや誕生日の「おめでとう!」と同じように,
“Happy new year!”も “A” はいらないのです。
でも年賀状って,”A HAPPY NEW YEAR!”と,既にプリントされて売られているのも多いんですよね。
なので,選ぶ時は前に “A”が無いものにしてくださいね。
“A”,ちがった,「あっ!」でも,文章内ではOKなのでそこは間違えられませんように…。
また次回,お愛しましょう。←(なんか変換でこうなりました。でもなんだかいい感じじゃないですか? そこに愛はあるんか!?的な(笑))
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。