白状します。年末にサポート詐欺にあいました・・・。
いきなり画面がフリーズ「PCが壊れてます。修理は以下の電話番号 Microsoft」という表示に警告音がピーピーピーピー。少し慌てました。
生憎直前に本物のPCトラブルが起きていたので、それと重なり(とうとう壊れたか…)と思ったのが運のつきでした。
あなたの自己防衛に役立つだろう2点です。
まず3万円と言う修理代の安さ。逆に30万とか高額だったら騙されなかったかも。
また別の確認手段を捕りにくくさせられました。スマホはかけっぱなし、PCも遠隔操作され、勝手に動かすなと言われました。
で請求が10万になった時、さすがにハッとし、家人のスマホで確認。それ以上の損害は免れましたが、10万円は捕られた後でした。
ただ救いは、今回初めて、犯罪にあった人の気持ちや立場が分かるようになったこと。負け惜しみではない…かなw
冗談はさておき、これからがあなたに伝えたいことの胆です。
偶然読んでいた、Howard Zehrの 「Changing Lenses」と言う本。犯罪に関する全く新しい見方と新提案がのっていました。
その中で一番共感したのは「事件の被害者は今の裁判では無視される」の部分。
(ここでいう裁判は「刑事事件」での裁判で、民事とかの裁判ではありません。以下同じ)
(なるほど、確かに。犯人がつかまって裁判が始まったら、裁判が犯人に対し進むだけ。被害者は証人で呼び出される位で置いてけぼり。何が捜査されているのかとか知らされず無視されるもんな)
今回のことがなければ、疑問に思うこともなかった「裁判での被害者無視」。でも実はこれは被害者にとっては酷なんです。被害者でないと分かりにくいかもしれませんが。
被害者は、気持ちを立て直そうにも、事件がどうして起きた(報道以外)とか、知る手がないんですね。どこの誰がなぜやったのか、どう思ってるとかも、知りたいのが人情。それが分かれば少しは気持ちも整理できそうなのに。
つまり普通の裁判は、被害者など眼中にないので、被害者は事件を引き摺り続けるしかないんです。(私のよりもっと重大犯罪なら)被害者・犠牲者には、今の裁判は冷たい制度と言うしかないようです。
Zehrの提案は、犯罪への全く別の取り組み。最大の特徴は被害者が参加できる点です。
Zehr方式ですと、犯人と被害者が同意すれば、普通の裁判をせず、当事者同士でじっくり話し合えるんです。正式な立会人の下でですが、犯人と犠牲者が対面で言葉を交わすんです。すごいと思いません?
そこで(想像ですが)お互い色々な思いを口にするわけですよ。責めたり、言い訳したり犯罪にいたった生い立ちを喋ったり、あるいは謝ったり。(場合によっては)赦しや弁償や償いの(可能性がある)ということらしいです。
この「Zehr方式(犯罪当事者話し合い制度)」は正式には「Restorative Justice修復的司法」とか「回復的司法」と呼ばれるみたい。
犯罪で起きた人同士の繋がりの破綻を修復するようなイメージかも。ちょっと硬い言い方だと、当事者同士の関係が重要になるので、刑事事件を民事事件っぽくするとも言われるみたいです。
ただ繰り返しになりますが、あくまで双方の自由意志。普通の裁判でなく、この仕組みが開始するのは、被害者と犯人が両方YESと言った場合に限るそうです。
実際凶悪犯罪では滅多に利用されないみたい。
これを初めて読むあなたはピンとこないか、一笑に付すかもしれませんね。
でも正直、私は自分を騙した犯人と、今でも話をしてみたいです。そしてさっきも言ったように起きたことに、区切りをつけたい感じなんですね。
欧米では、実際に利用する地方や国もあり、成果を上げているところもあるようです。
例えば、アメリカの中央部Longmont(ロングモン)市では、この制度を実施するようになった20年間で、大きな変化が市に起きたそうです。
再犯率が50%以上から数%になった。つまり以前は半数以上の犯人が犯罪を繰り返したがめったに繰り返さなくなった。
人口1000人当たりの犯罪数が5000件(2003年)が30件になった。つまり犯罪件数が激減。
この制度を利用した被害者の満足度が98%。
さてZehrの本からこのようなことを知り、自分の詐欺被害を広い視点から見られるようになりました。また気持ちも軽くなりました。
英書は色々な経験を見直し、乗り越える力をくれます。あなたにこの件をシェアさせてもらえよかったです。あなたも洋書を通して色々学べると良いですね。
See you again!
Jiro
追記:
◯フランスでは2013年から、restorative justiceを当事者が選べるそうです。
追記:
◯Longmont市のRestorative Justice
https://www.youtube.com/watch?v=N2zDQ4S4n7I
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員