最近話題によく出る観光地:熱海。
そこで見た、従来のイメージを180度変える猿回しを、今回あなたにお伝えします。
多才な芸もクライマックス。長短何種類かの竹馬がまず地べたに用意されます。
一人と一匹。女性トレーナーと猿。感動の竹馬習得物語。始まり始まり~
① お猿君、竹馬をバーンと放り出し大の字に寝そべる。そうかと思えばトレーナーを叩く。(反抗)
② 泣き出すトレーナー。今度はお猿君が(無言でw)肩をさすりなだめる。(仲直り)
③ 後ろから支えられ、何とか背丈位の竹馬乗りに成功。(第一課題クリア)
④ 乗る竹馬が伸び、最後に自分の5倍以上の高さのものにするするっと上ったと思うと、見物客の前を竹の大股で闊歩。(全課題クリア!)
拍手喝采の嵐。見物料を入れる箱が回される…という次第でした。
BGMの『栄光の架け橋』にジーンとしながら、私も思わず感情移入。
回ってきた箱には1000円札もちらほら。見物人も猿君の汗に心打たれたのでしょうか。
さて帰り道でのこと。ふとある洋書の一節を思い出し歩みが遅くなりました。
確かド=ヴァールという猿学者の本。動物園で見かけた猿のショーの裏を解説。人間中心のモノの見方や偏見を指摘していた個所のはず。
問題の猿のショーとは…
食堂にみたてた舞台。人の恰好をした猿が数匹。料理が運ばれてくるのを待っている様。
だが、いざ料理が目の前に並ぶと、サル達は叫びながら食べ物をひっくり返すはぶつけ合うは。
見物人は突然のカオスに哄笑喝采。….しかし(と彼は続けます)
猿には猿の知能や能力がある。例えばリーダー猿の優しさや心配りは人間顔負け。だから無意味に食べ物を散らかすことなどしない。この食堂「ドラマ」は全て「バカで愚かな猿」のイメージに沿う演出。見物人は人間の偏見を見せられているだけだ…
<印象の反転>
彼のこの記述通り、まさかあの猿回しも先入観を見てただけ?…と考えちゃったんです。
(…例えば最後の竹馬乗りは猿にとって本当に難しい?例えば竹馬の長さ。人には長いより短い方が簡単だが、それは人がそう感じるだけで、猿にもそうだろうか)
(…つまり樹上生活する猿にとり、竹馬乗りなんて意外に習得は簡単かも。竹馬の長さも、木登り上手なら、見上げる程長い方がかえって簡単だったりして)
(…人をなだめる仕草だって逆に猿には大変かも。猿同士の仲直りは毛づくろいのはず。バツが悪そうに相手の顔をのぞき込んでるように見えたが、猿には意外に高度な芸だったかも…)
人間の感動を誘うよう工夫を凝らしたストーリー。財布の紐もつい緩くなっていたのかもと思いました。もちろん確かな証拠はないのですが。
いずれにしても英書で見方が変わったことは確か。一瞬で景色が反転し、見えなかったものが見え面白味が倍増しました。
あなたも英語を学び続け、英書で世界が広がるといいですね。
See you later,
Jiro
<英語版>
知ってる内容を英語ルートで理解。洋画で字幕を読んで英語を聞くように。
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追記:
チンパンジーの「政治」に関するドヴァ―ルの著作は国際的ベストセラー。
Frans De Waal Chimpanzee Politics: Power and Sex Among Apes 2007/8/30
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◯チンパンジーの政治学―猿の権力と性 (産経新聞社の本) 単行本 – 2006/9/1
フランス・ドゥ ヴァール (著), Frans de Waal (原名), 西田 利貞 (翻訳)
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員