【World Life】とは?
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ホテルでの頼み方マナー

World Lifeな生活
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これは私がオーストラリアのリゾートホテルで働いていた時に実際にあった話。

ハネムーンで宿泊されていた日本人のお客様が、「お土産に買っていたTシャツがない!」とフロントへ。

白いTシャツだったので、ベッドの上にあったのを気づかずにスタッフがシーツと一緒に持って行ってしまったのだと思った様子。

さて、こんな時。

あなたならどんな風にホテルの人に伝え、どう頼みますか?

海外では頼み方によって、相手の態度が大きく変わるので注意ですよ!

<どうしてくれる!>

このお客様(旦那様)の場合。

相手が日本人の私だったという事もあり、初めから強い口調で「部屋を掃除をしたスタッフがシーツと一緒にお土産のTシャツを持って行った。洗濯物を全部チェックして見つけろ!」という態度。

その言葉に(洗濯物全部って…部屋数何百あると思ってんだよ~。見つけられる?)と内心ムッとしつつも「承知しました。清掃スタッフに確認させて、またご連絡します。」と答えた。

ハウスキーピングのマネージャーに電話をし、その事を伝えると「え~!洗濯物、全部?!すっごい手間と時間かかるけどやるの?」と想像通りの返答。

そこを何とか頼みこむ。そして、その部屋を清掃したスタッフにもTシャツを見なかったか確認してもらえるように伝える。

確認作業は約4時間、夜までかかった。その間にも「まだ見つからないのか!遅い!」と電話が鳴り、その度に謝る。

が、結局Tシャツは見つからず、清掃を担当したスタッフもTシャツは見てないという。

その旨をお客様に伝えると、更に激高。「絶対シーツと一緒に持って行ったか、スタッフが取ったんだ!明日帰るのにお土産がないってどうしてくれる!ハネムーンが台無しだ!マネージャーを呼べ!」と。

その時は既に夜。日本語デスクのマネージャーもフロントマネージャーも退社していていない。わざわざ家から来てもらう程の事でもないと思い、私が部屋に伺い謝罪する。

が、「お前なんかが来てもどうしようもない!」と追い返される。

マネージャーに電話をして報告。

Tシャツがなくなったのがホテル側の責任かどうかもわからないが、お客様の怒りが収まっていないので、マネージャーが翌朝部屋に行き、お詫びとしてグレートバリアリーフのDVDを渡す事にした。

次の日。私は午後からの出勤のため、そのお客様は既にチェックアウト済。昨日の事が気になり同僚に聞いてみると

「あ~。あれね…」と笑いながら言い、「朝に奥さんがフロントに来て、Tシャツが見つかったって。かばんの中に入ってたんだって。昨日のスタッフの人(私)に謝っておいてくださいって言ってたよ。」

「なに~!あんだけ言ってて、Tシャツあったんだ!」しかも、それを自分ではなく奥さんに言わせるなんて…。恥ずかしかったのかもしれないけど、奥さんもかわいそう。

こういう事は、ホテルに限らず接客業をしていると、日本人のお客様には似たような態度をとられる事が結構あります。

普段は丁寧なのに、お店やレストランのスタッフには横柄な態度をとる人もいますよね。

日本では本来は違う意味なのに「お客様は神様です」という言葉から、「お客様が上、スタッフは下」という見方をしてる人もいるように思います。

ただ、それは海外では通用しないのです。

先ほどの方も、相手が日本人の私だったから日本と同じような接し方になりましたが、それがオーストラリア人スタッフだったら全く違う接し方をされたでしょう。

第一前提として、「お客様とスタッフの立場は同等。同レベル」です。どちらが上とか下とかはありません。

かと言って、友達のような同レベルという訳でもなく、スタッフはお客様に対してもちろんきちんと丁寧に接します。それと同等レベルで、お客の方もスタッフに対してきちんと丁寧に接する必要があるのです。

例えそれが「エアコンがきかない」とか「トイレの水が流れない」などのホテル側に問題があると思える場合であっても。

先ほどの方のように自分の勘違いだったという事や使い方を間違っていただけという事もありえます。それに、ホテル側に問題があったとしても、それに応対するスタッフが悪いわけではありません。

それを、「私はお客なんだから」という態度で接すると、スタッフには冷たい態度で返されてしまうのです。

というのも私にも経験があるからです。

 

それはまだ添乗員になりたての頃。日本人は若く見られがちで、私は小柄という事もあってよく「あなたがツアーリーダー?学生さんじゃないの?」と言われていたのです。

経験もなく自信もなかった私は「なめられてはいけない」とホテルでも強い口調で「〇〇してよね!」とか「〇〇でないと困ります!」という言い方をしていました。

国内の添乗をしていた時は、それこそ「旅行会社様様」でホテルでも特別待遇してもらっていたので、それが通じると思っていたのかもしれません。

ところが、海外ではそんな強い口調で出ると、相手も強い態度で「それはできません!」「それは無理です!」と突っ張り返されるのです。

さらに強く言うと、言い合いになる事もあり、ゴリ押ししてやってもらえたとしてもお互いに気分の悪いものでした。

そんな経験をして、徐々に頼み方には方法がある。そして、国によってそれは違うのだという事を身をもって学んでいったのです。

<感情に訴えろ!ラテン系>

まず、比較的お願いをしやすいのは、イタリアやスペインなどのラテン系の国。

情緒豊かな彼らにお願いするには、「どれだけ大変か」や「どれだけ困っているか」をオーバー気味に話し感情に訴えるといいんです。

例えば私は添乗の仕事で行っていたので、朝食のレストランを開ける時間を早めて欲しいとお願いする事がよくありました。

出発時間が早くて、朝食レストランが開いていない時間帯の場合はボックスブレックファーストといって、箱に入った朝食になります。

大抵は前日から用意された冷えた硬いパンとパックのジュース。それにリンゴやヨーグルトなど。ハムやチーズが入っている時もありますが、冷たい物ばかりで寒い冬は温かい料理が食べたくなります。

15分か20分でも早く開けてもらえればレストランで朝食がとれるのに…という時。

一度普通に「少し早くレストランを開けてもらう事はできませんか?」と聞いてみて、「NO」と言われたら

「そうですか~。今朝もボックスブレックファーストだったんですよね~。このツアーってすっごく忙しいツアーで、1日で〇〇も△△もXXも行くんですよ。移動距離すごくないですか?

それでお客様も疲れてきてて、朝はゆっくりさせてあげたいんだけど、明日も〇〇まで走らないといけないから早く出ないといけないんですよね。

外も寒いし、せめてあったかいコーヒーでも朝食レストランで飲ませてもらえたらなぁと思ってるんですけど…」と懇願するような目で見ながら訴えると、

「へ~!それは大変だね~。じゃぁちょっと僕がレストランに確認してあげようか」と自らレストランに電話して交渉してくれる訳です。

すると、「パンは間に合わないかもしれないけど、コーヒーとか他の物は準備できるからいいよ」となる場合もあります。ラテン系の国では、時間にルーズな部分があって困る事もありますが、融通が利くといういい面もあるのです。

もし、ダメでもスタッフの方が「ごめんなさい。ダメだった…」と謝ってくれるなど、どちらにしてもお互いがいい気持ち、いい関係で終われるのです。

逆にそういう感情論が通用しないのはドイツ。

彼らはいい意味でも悪い意味でもきっちりしていて、「ルールはルール」という感じがあります。

なので、こちらが「すごく大変なんです~」と話をしても「で?」という顔をされてしまいます。”(-“”-)”

この場合は、相手に敬意を払い、なるべく丁寧な表現を使って
“I was wondering if you could ~”
(~していただけるでしょうか)
などとお願いするのがいいです。

それでも「できません。」と言われた場合は、食い下がらずに一旦ひきましょう。そして、時間を置いてスタッフが変わっていたら、再度お願いしてみるといいでしょう。

人が変わると大丈夫な場合もあるからです。

ただ、ドイツでも田舎の小規模なホテルだと、スタッフもゆるくなりお願いもしやすくなります。

この場合は、最初のチェックインの時から笑顔で話しかけたりしてコミュニケーションをとっておくのがポイント。小さなホテルの場合は、お客も少ないので顔も覚えてもらいやすいです。

そこでいいイメージを最初に与えておくと、後々お願い事だけではなく、質問なども気軽に応じてもらいやすくなります。

どの国に行くにせよ、チェックインの時から笑顔で話す事はとても大切な事です。

スタッフも人間です。笑顔で丁寧な言葉使いで話されれば優しく接したくなるもの。そして、これはホテルに限らず、レストランやお店でも使える交渉術でもあります。

スタッフの人に丁寧に接するというのは良い事だと思うので、日本でも練習のつもりでぜひ心がけてみてくださいね。

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