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黒人の両親が教える警察官への対応!

World Lifeな生活
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アメリカでは、白人警察による黒人住民の殺害事件が問題になっています。
2020年、ミネソタ州で起きた白人警察官が黒人のフロイドさんを窒息死させたニュースは、世界に報道され衝撃を与えました。

黒人社会では、自分たちの子供の身を白人警察官からまもるために、両親が、子どもたちに白人警官に対する話し方や対応の方法を教えています。

あなたの海外生活を安全に過ごすための一つの知恵として、お知らせしたいと思います。

最初のフレーズは、アメリカの白人だったら生涯に一度も口にしない台詞です。
「いいかい。警察官にとめられたら、両手をあげて、警察官の顔を見ずこう言うんだ!」
「武器はもっていません。あなたを傷つけることはしません!」

<“I’m unarmed, and I have nothing that will hurt you!”>

「武器はもっていません。あなたを傷つけることはしません」

アメリカ人の白人であったら、警察官に呼び止められたときに、
絶対に口にしない言葉だと思います。

armは、武装するという動詞で使います。unarmedは、反対に武装していない。つまり、武器は携帯していないという意味です。

さらにあなたをhurt (傷つける)意思はないと明言するのです。
それは、善良なアメリカ市民が口にする言葉ではありません。

自分自身が100%疑われていて、命乞いをするような言葉です。
考えてみると屈辱の言葉を、自ら命を守るために発しているのです。

アメリカの黒人たちの社会では、白人警官が黒人というだけで、職務質問をし、
信じられない理由で、罪を着せられてしまうことがあると認識されているのです。

30年前に、仲の良い黒人軍人と「彼の丁寧な話しぶり」について聞いたことがあります。
いつも紳士的な話し方で、時には必要以上に丁寧に話すのは何故かと聞きました。

彼は、笑いながら“I don’t’want to get in trouble”(厄介ごとに巻き込まれたくないからさ)と
答えてくれました。いろいろと気配りができる人だと思いましたが、実はもっと深かった。

時間が経つにつれ、アメリカの人種差別と黒人への迫害の状況を知るようになり、丁寧な話し方は、黒人が生き延びるための生活の知恵につながっていることに、気が付きました。

彼の丁寧な話し方と笑い顔がよみがえり、やっと納得しました。人種差別が背景にあったのだと。

<“I don’t know why you pulled me over”>

(どうして車を止められたのかわからないけど)

警察官は、絶対的に正しいという認識で接してくる。ただし、警察官が悪い人だと決めつけてはいけないと、黒人の父親は、子どもたちに説明します。

一呼吸おいて、
「すべての警察官が良い警察官でないことも事実だ。だから、悪い警察官にあたった時は、特別な注意をして接することが大事なことだと説明します。

(警察官が絶対正しい)ということを前提に話をしなければ、話は警察官の筋書き通りに、悪い方向に進んでしまいます。これが警察官の迫害から、黒人の住民の得た教訓です。

車社会のアメリカでは、パトカーから乗っていた車を路肩に停車することを指示されます。
警察官が運転席の窓をコツコツとノックし、窓を開けさせ降りるように指示します。

その時に、絶対に

“I don’t know why you pulled me over”
(どうして車を止められたのかわからないけど)

と発言してはダメです。

ひどいときには車から引きずりおろされ、道路に押さえつけられてしまいます。

車をpull over(停車)させる確かな理由があった訳ではなく、黒人だから止められたからと考えろと、両親は子供に説明します。

決して口答えをせず、自分を主張しないこと。白人警察官への鉄則を子供たちに伝えるのです。

さらに、父親は、子どもに質問します。
「なぜ、お父さんは止められたのか、わかるかい」と娘をみます。

娘は、涙を浮かべながら、
“Because of skin color”
(肌の色のせいなのね)

と答えます。

<“Be quiet, don’t complain!”文句を言ってはダメ!>

白人の警察官に職務質問されているとき、どのように対応するかの心構えを、自分の娘や息子に言い聞かせるように説明します。

それは、“Be quiet, don’t complain!”(押し黙ること。決して、口ごたえをしないこと)です。
まさに、「忍!」の精神です。

黒人の親たちは、ブレーキランプが切れている、バンパーが外れかかっている、(実際はそうでないことが多いけれど)という理由だけで、車を止められ、違反切符を切られる。

それで終われば、命が助かる。そう考えているのです。警察官に止められたら、命が危ないと考えるからです。それを子供たちにしっかりと教えるのです。

あなたたち(子ども)が、警察官に何か質問を受け、statement(供述書)にサインを求められても
サインインしてはだめ。「両親に連絡をしてください」というのよと説明する。

おとなしく、できるだけ静かにして、あらゆる手段を講じて、両親と連絡を取ることが大切。
その際、自分で何か行動するときは、必ずまず警察官に行動することを言って、許可をもらうことが命を守ることになる。

ジーンズのポケットに学生IDが入っているときは、「ジーンズのポケットからIDを取っていいですか」と聞いてから動くこと。場合によっては、射殺されるきっかけとなる。

携帯電話を使う時も、許可を得ることが大事。決して、無言で行動をしないこと。最悪な場合は、銃をむけられ、撃たれることもあることを覚えておきなさい。

具体的な言動が父親から語られていきます。住民を守るべき立場である白人警察官から、自分立ちの子供をまもる術を教えているのです。

<アメリカの警察官に職務質問されたらどう答えればよい?>

統計によると、以下のような白人警察官による黒人住民の殺害が起きています。

2006年:結婚前のパーテイ会場の外で停車中、警察官により職務質問を受け、射殺された。

2009年:電車に乗車中、警察官に取り押さえられ、手錠をかけられうつぶせにされ射殺された。

2014年:たばこ販売で脱税を疑われ、警察官に地面に押さえつけられ、窒息死した。

2015年:車前面にナンバープレートがなかったことで警察官と口論、銃殺された。

2016年:帰宅途中、警察官に撃たれ殺害された。

2020年:ミネソタで黒人男性の首を白人男性が膝で押さえつけ、圧迫死させた。

これらは、大きく報道された事件であり、実際には、さらに多くの事件が起きています。

あなたが、アメリカの警察官に職務質問されたらどう答えればよいのでしょうか。

私の経験上、どんなことを発言しようと、アメリカの警察官が主張することを覆すことは無理ですので、Be quiet, don’t complain!”(押し黙ること。決して、口ごたえをしないこと)が基本になると思います。

日本人として、なにがしかの対処方法を考えておく必要があると思います。
私が、考える対処法の一つは、最初に“Hello, sir!”と挨拶することです。

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