英語がずっと好きだった私ですが、そんな私を見て親は高2の夏、英国へ語学研修に行かせてくれました。当時の私は英国で大きな影響を受けたようです。というのも
帰国後すぐ母にこうせがんだのです。
「母さん、イギリスでは食卓にいつも塩と胡椒があり、食べる人が自分の好みでかけます。僕もそうしたいから、今後そのつもりで料理してください」
私って影響されやすいのでしょうか。周りの迷惑はあまり気にしてないようですが。
高校生の私が「はまった」留学中のホームステイ先での英国流の食事です。
イギリスのHost mother、お手製は、うろ覚えですが、卵料理、フライ、魚、豆等が多かったよう。他にサラダ、ポテトとか。
食卓にはいつも塩と胡椒。自分でかけろと言われました。基本の薄味に最終的な味は、食べる人がパッパと振って自分の好みで決めるわけです。
さて息子の突然のこの「お願い」。でも母は驚いたりせず初めの何回かは協力してくれました。
でも日本の食卓に出るモノは、全部自分で塩と胡椒をかけるわけにはいきません。おでん、カレー…味噌汁なんかに後から自分で塩と胡椒ふりませんよねえ。結局自宅の「食卓の英国化」はいつのまにか立ち消えに。
で、この留学前後の経験が蘇ったのが英語教員成りたての頃。当時ブームの(日本語の)日本文化論の本を読み漁るうち、その中に日本料理についての記述を見つけた時です。
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日本で食べるモノは全て味が一緒だ。日本人は何にでも「味の素」を使うが、これは元はアミノ酸、つまりは昆布などのだしの味。これを何にでも入れる結果、味がどれも同じになってしまう。食べるモノの味が実に画一的なのだ。
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…というような内容でした。
題名は「日本の食卓……」?生憎思い出せません。でも「日本の味は一緒」という内容は最初の英国留学と帰国後の体験と一脈通じたからです。
(高校の時「塩・胡椒」を自分でふれなかったのは、日本では味がキッチンで決められるから。それならキッチンの「味の素」が日本の味を画一的にする説もアリ?)
そんな風に高校での体験を見直せましたが、完全に納得したわけではありません。
著書の言うのは結局「日本の味は『味の素』オンリー」これ.はいくら何でも極論のようですが、多少の真実はあるのでしょうか?今回改めてみてみましょう^^
<味の素 then and now>
日本では例えば70~80年代「味の素」が沢山使われてたのか、とまず考えてみました。
印象ではやはりYESかも。私の大学時代の料理番組では、必ずと言っていいほど「化学調味料(=味の素)」を加えてましたし。
当時を日本製「化学調味料」全盛の時代と呼べるかも。
では現在は?と言うと、今TVでは「味の素」も「化学調味料」も全く耳にしませんね。両方放送禁止用語でしょうか。代わりに「うま味調味料」とか呼ばれているようです。
いろんな食品を裏返してみました。するとあるある「うま味調味料」。
「調味料(アミノ酸)」もそれっぽい。昔なら「味の素」とか「化学調味料」と書かれたかも。
今も「味の素」は別名で色々な食品や店で使われているのでしょう。おまけにこのグルタミン酸ナトリウムは出汁の旨味由来と言います。出汁は日本料理に不可欠。
だとするとグルタミン酸ナトリウムのおかげで、特に海外からの旅行者など、日本では何でもかんでも味が同じで画一的…と感じてしまうかもしれませんね。
<「はしか」の後に>
最初の話に戻ると、繰り返しになりますが、高校生の私の英国かぶれは一時のモノでした、「はしか」みたいな。でも一連の体験で自分の日常を見直せたのも確か。
海外体験ってやっぱり自国の習慣や文化の再発見につながりそうです。あなたもコロナ後の世界でいろいろな豊かな体験ができるといいですね。
See you soon!
Jiro
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追記:
◯「味の素」のHPによると、売り上げの1/3 は日本。2/3はアジアを初めとする海外みたい。海外での通称であるMSG(Monosodium glutamateグルタミン酸ナトリウム)は海外ではどう見られているのか、また調べてみたいと思います。
◯味の素株式会社HP
https://www.ajinomoto.co.jp/
◯「味の素」の地域別売り上げ構成比が記載
https://www.ajinomoto.co.jp/company/jp/activity/pdf/2023/ar2023jp_106-115.pdf
◯【ゆっくり解説】TVで化学調味料が放送禁止用語である驚愕の理由
https://www.youtube.com/watch?v=gaZ_1G9OaP4
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員