みなさんは,スマホでメッセージを送るときに絵文字を使いますか?
「絵文字なしだと,ちょっと冷たい感じがするので使う」,
という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
「そんなものは使わない!文字だけで十分!」という方もいらっしゃるでしょう。
最近見たテレビ番組で,「絵文字の使い方でその人の年代がわかる」という何ともお節介な街頭インタビューもありました。ほんと余計なお世話です。
いずれにしてもこの絵文字,実は “Emoji”として海外でもそのまま呼ばれているのをご存知でしょうか。
絵文字は,もともと日本の携帯に入っていたことから爆発的に広まった絵柄。
しかし絵文字文化自体は,
まだ携帯電話のなかった1980年頃から若者の間で使われ始めたのだとか。
当時,手紙やメッセージの中に「💢」を書き入れて「怒っている」ことを表したり,
ちょっと焦っていたりする時に「💧」のような絵を書いて,汗が流れていることを表現していたそうです。
さすがアニメの国,日本です。
これらもきっと漫画からの影響で使われるようになったのではないかと思います。
そして,その流れから携帯電話にも導入され,より一般的に使われるようになります。
スマートフォンが日本に入ってくる段階で,iOS(Apple社)とGmail(Google社)にも絵文字がサポートされるようになります。
ここから世界中にこの日本の絵文字が一気に広まったのですね。
今の絵文字は,はっきりとその意味がわかる「絵」です。
なので,世界にも意味がわかりやすく,受け入れられるのにも時間はかかりませんでした。
すっかり世界中で使われるようになったこの “Emoji”。
これが日本から来たものだと知っている人は結構少ないそうです。
というのも,
英語圏を中心とする海外の人々は“Emotion”という単語から「感情を表す」として “Emoji”と思っている人が多いから。
確かに,(^^)や(^_^;)など,キーボードの記号を組み合わせて作る絵文字を “emotion”と “icon”をあわせて, “emoticon”と言います。
いわゆる「顔文字」というものですね。
“Emoticon”の語源を考えてみると, “Emoji”も “emotion”から来ていると考えても不思議ではありません。
(でも “ji”はどうするの?って思ったのは内緒。m(_ _)m)
この “emoticon”,日本ではこのように( )で顔の輪郭を表し,^ で目を表します。
でもアメリカなどの海外ではちょっと違うんです。
それは向き。
ご存知の方も多いかもしれませんが,日本はそのままの縦向きです。
しかし,アメリカなどでは横向きなのです。
例えば,日本での「ニッコリ(^^)」は,アメリカでは :Dや : ) となります。
頭を左に傾けて見て下さい。 “ : ”が「目」を表し, “ D ” “ ) ”が「口」を表しているんですね。
それではもう一つ。
(T_T)←これは「泣く」を表します。
でもアメリカでは, “:’-( ” のように表現するんです。
「驚きΣ(゜゜)」は,:o 。
ここで何か気づいた方いらっしゃいますか?
そうなんです。
日本でこのタイプの絵文字で表現する場合,主に「目」を変えています。
主に目の感じを変えることで,その感情を表現しているんですね。
まさに「目は口ほどにものを言う」という感じでしょうか。
反対に,アメリカでは主に「口」を変えているのです。
実際に,北海道大学の結城教授が2006年に
「Cultural differences in using the eyes and mouth as cues to recognize emotions in Japan and the United States
(日本と米国における感情を認識するための手がかりとして、目や口を使うことによる文化の違い)」
という論文にて,その研究を発表しています。
もちろん, “XD”(ウケる!)や, “ ;D”(ウィンク)のように,目を変えているパターンもありますので「絶対」とは言えませんが,なかなか面白い着眼点だと思いませんか。
新型コロナウィルスで,今やマスクは世界的に当たり前となりました。
しかし,それまでは「マスクをするのは日本人くらいだ」と言われていました。
海外から来日した人は,
「日本は病人だらけなのか?」と思ったという話もあります。
この「目」と「口」で感情を表現するというこの教授の仮説を考えてみると,マスクの件も納得です。
アメリカをはじめとする欧米の人々がこれまでマスクをしてこなかったのは,「口」での表現が重要だったから,なのかもしれません。
そう考えると面白いですね。
日本とは違う「向き」にしても,“ : P ” ←で「舌をペロッと出す」のように,「口」の形をメインに考えるからなのかもしれません。
私はそれまで,「なんで横向きなんだろう?」,日本人とアメリカ人では見え方が違うのかな?と思っていました。
というのも,カナダ人の同僚から以前ある質問をされたことがあります。
みなさんはこれ,何かわかりますか?
そう,優先席のマークです。(って,優先席って書いてあるやないか!というツッコミは置いといて…)
これは恐らくシートを横から見たようなデザインなのかな?って思っていました。
その同僚からこんな質問を受けるまでは…。
同僚:「あの電車に貼ってある宇宙人みたいなサインは何?」
私:「え?宇宙人?そんなサインあった?」
話を聞いてみたら,どうやら優先席のマークのよう。
そんな感じで見たことなかったけど,言われてみれば確かに宇宙人。
というか,もうそうとしか見えない…。
この時に,欧米人と日本人ではものの見方が違うのかなと思ったのです。
でも,もはや宇宙人としか見られなくなってしまった自分。
そう考えると,ただ単に「知らないもの」を見た時,
「たまたま自分の経験の中で判断する」からなんだろうな,という結論に達しました。
さて,いろんな絵文字がありますが,欧米では,感情を表すのにこういうのもありますよね。
LOL
LOL、または lol は、Laughing Out Loudという意味の頭文字の組み合わせ。
Laugh Out Loud, Laugh Out Loudly, Lot of laugh,などの組み合わせもありますが,いずれにしてもlolです。
日本では(笑)ですね。
私はこれ,最初はバンザイしている人かと思いました。
やっぱり日本人脳ですね…。
OMG, omg…。これは言わずとしれたOh, My God!です。
では,最後にクイズです。
これらは何の略でしょうか?
① IDK, idk
② TBH, tbh
③ ATM, atm
④ TTYL, ttyl
⑤ BFN, bfn
それでは解答です!
① I don’t know.(わかんない)
② To be honest(正直言うと…)
③ At the moment(今のところ)
④ Talk to you later.(また話しましょ)
⑤ By for now.(またね)
何問正解しましたか?
③を,「あ,銀行のATMだ! Automated teller machine!」と言った人,
たぶん30人くらいいると思います。(笑)
いろんな省略はありますが,こういうちょっとしたチャットやメールの中で使えるものを覚えて,海外の友人と気軽にチャットやメッセージできたら楽しいですね。
ということで,今回はこれまで。
みなさん,BFN!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。