ニューヨーカーにとってのウィークエンドのお楽しみ、ユニオンスクエアでのファーマーズマーケットの様子を4回に分けてお届けしている今日は最後第4弾です。
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まずこちら↓はニューヨークの気候でのハーベスト(収穫)の一覧表です。というのも、このファーマーズマーケットの正式名称は、ユニオンスクエア・グリーンマーケットなんです。
なので、ここはそのメインのブースなのですが、こんなにたくさんの新鮮野菜が、このニューヨークの周りでも収穫できるなんて、新たな感動。
このファーマーズマーケットは、普段週末の土曜日開催ですが、季節の良いときには、土曜だけでなく、月曜、水曜、金曜もオープンするらしいです。
ただ、このコロナ禍で、いろいろとスケジュールは変わっているようですが・・・。
これは、一面に広がるハーブのポットガーデンです。
「殺虫剤などの噴霧は一切しておらず、定評のある自家栽培のものです」って看板に書いてあり、アロエ・ベラやウォームウッド(よもぎ)、レッド・ソレル、アップル・ミント、オレンジ・ミント、スペア・ミントなど、どれでも1ポット11ドル(約1200円)、3つで30ドル(約3300円)。
レッド・ソレル(写真手前の真ん中)は、食べられるとは私も知らなかったのだけれど、サラダに入れたりすると、少し酸味のある感じなのだそう。葉脈が赤くて、見た感じが、とってもゴージャス。
こちらは無農薬のサラダ屋さん。スパイシーなサラダと書いてあり、食用のお花も売っています。以前サラダを購入したのですが、それぞれの葉っぱに厚みがあり、食べ応えがあって、フレッシュで、すごくおいしかったです。その後しばらくドレッシング作りにハマったのを思い出しました。好きだったのはブルーベリーのドレッシング。
まあ、これは彩りも見事な蜂蜜屋さん。とてもきれいな色の蜂蜜です。
真ん中のチラシ(拡大しないと見えないと思いますが)に書いている「WASP(ワスプ)」は英語でミツバチの事ですが、アメリカではもう一つ意味があります。
White Anglo Saxon Protestants(ホワイト・アングロ-サクソン・プロテスタント)を表し、上流階級のイギリス系エリート白人のことなんです。アメリカ建国当初から、この国を牛耳ってきた人たちですね。
さてこちらは、パッケージの瓶の色は、蜂蜜屋さんと似たような感じですが、メープルシロップ屋さんです。
カナダのお土産として、日本でも有名ですが、シュガー・メープル、レッド・メープル、ブラック・メープルなど、楓の木から樹液をとってそれを煮詰めたもの。アメリカでは、古くはインディアンの人々が既に作っていたのだそうです。
メイプルシロップにはグレードがあり、色の明るいものが高級品。アメリカではグレードA と呼ばれます。知り合いでグレードB が大好きな人がいたのですが、これは通常テーブルでそのまま使うのではなく、ベーキングの時など、普通は食品の生産過程において使われるもの。色も濃いのですが、楓の風味がたっぷりと味わえるのだそうです。
余談ですが、メープルシロップの使い方で、私が今までで1番感激したのは、香港人経営の日本食レストランのバーで、私が日本人だと言ったら出してくれた、メープルシロップのカクテル。それはそれは琥珀色に輝き、キャンディが液体になったような、そのまろやかな甘さがたとえようもないくらい、おいしかったのです。
なんと、日本の麦焼酎に、少量のメープルシロップをミックスしたもので、あんなにおいしいカクテルになるとは驚きの新発見でした。そんな驚きのカクテルを作ってくれたバーテンダーさん、その次に出してくれたのは、なんと、ワサビ・マルティーニ。ご想像がつくかと思いますが(つくわけないか、笑)、これも信じられないほどおいしかった!このクリエーション、さすがニューヨークでした☆
マーケットに戻りまして、これは、アイディアにとにかく驚いた。キノコから酒を作ろう、と思う人が、世の中にいるとは・・・。きっと世界でも唯一のキノコ酒屋さん。
こちらのお店は、もともとオイスターマッシュルーム(ヒラタケ)の農場を経営。きのこ作りは15〜16週間と、とても手がかかるのですが、更にもっと手をかけて、蒸留してお酒を作っているようです。750mlのボトルで、椎茸酒 $30(約3300円)、ドンコ酒 $25(約2750円)また、キノコ味のウォッカなどもあり。今度ぜひテイスティングしてみようっと。
そして最後の最後は、大好きなサラミ屋さん。
サラミには思い出があり、私が、サラミってこんなにおいしいものだったのかと初めて思ったのは、パリで赤ワインとの組み合わせでした。下町の、モンパルナスの辺だったかな、テーブル席にぎゅうぎゅうに詰め込まれるような普通のフレンチビストロ。
知り合いに、ダック(鴨)のオレンジ・ソースが格別だと誘ってもらい、まず赤ワインをカラフェで頼むと、ざっくりとカットされたサラミがどーんと出てくる。お通しの感じかしら。おすすめのダックがお料理されるのには結構時間がかかるので、と言うことなのかもしれないけれど、まぁそのサラミががイケた。その後しばらく、いろんなサラミにはまりました。
さて、4回に渡ってお届けした、ユニオンスクエアでの、ファーマーズマーケット2021年春の様子、いかがでしたでしょうか。
シーズンが変わったら、販売されるものはもちろん、お店の様子もまた違った感じで楽しめますので、その時はまた改めて様子をお届けしたいと思います。
P.S.
このコロナパンデミックが、このままどうか静かに治まっていきますように。
そして世界中のみんなが、自分の行きたいところに、どんどん笑顔で、また自由に旅ができますように。
人が人と対面で出会えて、にこにこ話せて、ぎゅっと抱きしめてハグしたり、キッスしたり、できますように。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。