本当に突然イスラエルとハマスの紛争が勃発。以来私が一つ気にかかっていることが。
それはイスラエルの世界的な歴史学者ハラリ教授はどうコメントするかということ。
なぜなら教授は、世界的ベストセラー
『Homo Deus / ホモデウス~history of tomorrow /明日の歴史〜』
の中で、
we are…bringing famine, plague and war under control…
(Homo Deus P7)
(我々人類は飢餓、伝染病、そして戦争をコントロールしつつある)
と述べていたからです。
(教授の言ってたこと違わない?中東も、ウクライナとロシアも収まる気配がない…)正直そう疑問に思っていました。
今回視聴したyoutubeで彼のインタビュー記事、テレ朝?の女性が彼に直球の質問。
「『戦争はもう消滅しつつある』と著書の中でおっしゃいませんでしたか?」
すると彼は
「(ホモデウス出版の)2016年以降、世界は新時代に入った」
とさらっと答えました。それ以上訊かれたくなさそうと思ったのはワタシだけでしょうか?。
結局自分の2016年までの分析は正しかったと固執しているみたいでした。
あなたはこの件に関してどう思いますか?私は二つのことを思いました。
一つ目は彼の言動について。「歴史家は予言者でない」が彼の口癖。でも今回つい予言者になりたくなっちゃったのではないか。
博学な知識バックに人類史を眺めた時、つい未来についても話したくなったのではないでしょうか。もしそうなら歴史家の役割の逸脱だった気がします。
<ハラリ氏に助け船?>
二つ目。ホモデウスで描かれるように世界は平和になったが、それがかえって武力衝突を誘発したのではないか。つまり皆油断して警戒していない今がチャンスと、プーチンやハマスが行動に出た、そして平和な世界自体を揺るがしているのでは…ということ。
これ参考にしたのは、ハンガリーの世界的投資家George Soros / ジョージ・ソロスの人間社会の見方。
彼によると…
人は「今はこうだな」と思って何かするのが普通。例えば曇り空を見てカサを用意する。でもカサを用意する人が多いからといって天気に影響はない。
ところが人間同士では、こうだと思って動く人のせいで、最初の今の状態が変わることが多い。例えば株がきっと上がると思う人が殺到すると、実際に株が急騰する。
このように人間の営みの中では認識と行動が相互に影響し合い次々に変化する。これを彼はreflexivity(再帰性ー行動が己に帰る)と呼ぶ…
ソロスの見方に一理あるとすると…実際に戦争はなくなる寸前だった。でも(しめた!今だ!)と武力で反応した人達がその平和な状況を変えた
…こう説明できないでしょうか。
おさらいですが、ハラリ氏が「予言」に関し突っ込まれた時、こう答えてもよかったかと。
「私の21世紀初頭までの現状分析は正しかったと思います。数字で私が示したように世界は本当に平和的だったと言えます。しかし、その平和的な現状に付け込もうとした輩が現れました。プーチンとパマス。彼らの行動が現状自体を一挙に変えてしまったのです。」
一つの「予言」の当たりハズレとは別に、ハラリ氏の言葉は依然として傾聴すべきでしょう。特に中東問題ではイスラエル国籍の彼の見解は貴重では。事実youtubeで彼のインタビュー動画が増えている気がします。
あなたも彼の言動を(将来の)情報源にできると良いですね。
See you soon!
Jiro
↓ ↓ ↓
◯”Are you planting seeds of hatred and violence?״
TV Asahi News
https://www.youtube.com/watch?v=eVhGKMmqikY
◯The Soros lectures : at the Central European University : hardback
George Soros
https://www.youtube.com/watch?v=oCaCrWzFPYY
◯書籍 Homo Deus:Brief History of Tomorrow
https://amzn.to/3tc3Spj
◯書籍 ホモ・デウス 上 テクノロジーとサピエンスの未来
https://amzn.to/3NmaCb1
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員