アメリカ人の考え方なのか、仕事はその仕事が得意な人に分担する、と言う考え方が、よく見られるような気がします。
例えば、主婦。
日本だと、まず主婦が、朝みんなを起こす、お弁当を詰める、朝ご飯の用意をする、洗濯機を回す、部屋の掃除をする、それからパートに出かける、帰ってきたら、家族の夕ご飯を作る、後片付けをする、等々が「普通」なような気がしますが、アメリカ人から見ると、それは「スーパー・ヒーロー・主婦」です(笑)
なので、よくジョークなどでも言われますが、何でもできるスーパー主婦で、世界一人気がある日本人女性を奥さんにしたい!、と言う欧米男性陣の気持ちも、わかる気がしますね。(笑)
そんな日本では主婦が主にやっていると思われる家事について、ここニューヨークではどうなっているのか。
食事の用意
これは、周りの人たちに聞いて驚いたのですが、自分の家の母親が、お料理を全くしない、という人が非常に多いのです。びっくりしました。
アメリカ人の女性は、お料理ができる方が、めずらしいくらいなのです。なので、母親ができないと、その子供も、母親が作る姿をみていないので、当然できませんよね。
知り合いのアメリカ人ベーシストの男性が、新しい彼女さんに、目玉焼きの作り方を教えてもらって、自分で作れるようになった!!と、とてもうれしそうに話してくれました。28歳の男性です。(笑)
そんな感じなので、普通にホットドッグ、ハンバーガー、タコス、カリフォルニアロール、ピザのデリバリー、チャイニーズフードの持ち帰り、などのファストフードが、こちらではいつも大人気なのが、納得いきます。
学校や勤め先から、自分が食べたいディナーを購入して、家に持って帰って好きな時間に食べることが多いんですね。
お掃除
その昔、ニューヨークに移り住む前、ニューヨークで最初にホームステイをしたとき、毎週水曜日朝9時に、お掃除の方が見えていました。そのご家族は、普通の共働きのご夫妻ですが、ご夫婦ともお出かけのため、ドアマンが鍵を預かっていました。
毎週同じ方が、3時間びっしり家の中をホコリ1つなく掃除をして、それから出しておいた洗濯物も、ビル内の地下のランドリーに行ってドライヤー(乾燥機)もかけて、それらを畳んでおいておいてくれるのです。
ニューヨークでは、普通の共働きの夫婦が、清掃人を頼むのは、割と普通だと思います。そして、その掃除の方は移民で、英語もほとんどしゃべれない方でしたが、英語がしゃべれない移民でも、ちゃんと仕事があるわけですね。
洗濯
以前、ニューヨークでは、laundry / ランドリー ( 洗濯 ) はどのようにするのかっていうお話はいちど書きましたが、マンハッタンのアパートでは、ビルディングの地下階にランドリーがあったり、ない所では、コイン・ランドリーに洗濯物を持っていきます。
なので、大人になれば、自分のランドリーは、自分でランドリーに持っていって自分でします。ただコインランドリーなので毎回お金がかかるので、日本のように毎日するわけにはいきません。
日本では考えられないことかと思いますが、大概一週間ぐらい貯めておきます。そして、普通、週末まとめてするので、週末のランドリーは大混みです。
アメリカは個人主義と言われる所以かもしれませんが、普通、夫婦でも別々に自分のものを洗うと思います。なので自分のものだけをランドリーに持って行ったりするケースも多いように思われます。
私は、シンプルに思うのですが、ご飯、掃除、洗濯など、自分の身の回りの事は、男でも女でも普通にできるようになっておいた方が、将来得だと思います。
特別なものが出来なくても、普通で良いのです。目玉焼きができて、味噌汁が作れれば、後は何とかなります。1人で暮らすにしても、家族を持つにしても、いつも自分のことが自分できちっとできれば、人様に迷惑をかけることがありません。
自分にそれ以上の収入があれば人を雇えば良いですし。人間として、私も、体力が続く限り、ずうっとこの3つがこなせるといいなぁ!と思います。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。