おはようございます。
Cozyです!
GWも終わってしまいましたが,いかがお過ごしですか。
先週ご紹介した “trip” “spell” “rock”のように,知っている単語なのに
「え,それってそんな意味もあったの!?」と,
「知っている単語なのに他にも意外な意味があった」
という単語に出会うことってありませんか?
私は今でもたくさんあるんですよね。
私が英語の先生になったばかりの頃に出会った単語 “tip”なんかもそう。
きっとあなたは “tip” と聞くと,あの「チップ」を思い出すと思うのですが,
それ以外にも意味があったんです。
あなたはどんな意味だと思いますか?
― “tip”にはそんな意味も!?―
「チップ」
ですよね。
きっと多くの方は,アメリカなど海外旅行へ行った際にサービスの対価として渡すあの「チップ」を思い浮かべたのではないでしょうか。
チップの習慣のない日本に慣れていると,
「いくら払えばいいんだろう」
「ここはチップがいるのかな」
なんて不安になること,ありますよね。
私も渡米したばかりの頃は戸惑いました。
慣れてくると,
「ここはこのくらいでいいかな」
って判断できるようになるものなんですよね。
でも,日本に慣れた今はまた
「いくら位がいいかな」
って考えちゃいます(笑)
このように “tip” と言えば「お金のチップ」が真っ先に思い浮かぶのですが,
実はもう一つ,別の意味があるんです。
では,今度はその意味を覚えるために,次の2つのイラストとセリフを見て想像してみましょう。
上のイラストは,
“You’ve got something right on the tip of your nose.”
と言って,相手の鼻先を指さしていますね。
下のイラストは,お母さんが子どもに
“Watch out for the tip of the knife!”
と言っています。
包丁のある部分が強調されています。
さあ,これらの “tip”の意味を考えてみてください。
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わかりましたか。
正解は,
「先,先端」
です。
“The bird was sitting on the tip of the branch.”
(その鳥は枝の先に止まっていた)
“The tip of the mountain was covered in snow.”
(山の先端[てっぺん]は雪で覆われていた)
のように使うこともできますし,
“Please use a brush with a soft tip.”
(筆先が柔らかい筆を使ってください)
“My pen has a red tip.”
(私のペンは先が赤いです)
と表現することもできます。
“tip”は,
「お金のチップ」と「先,先端」という全然違う意味を持つなんて面白いですよね。
― “tip”が複数になると…その意外な意味―
さらに “tip”に複数の “s”をつけると,また違う意味になるって知ってました?
英語の仕事を始めて間もない頃の私は, “tip”と言えば
「お金のチップ」
「先端」
という意味しか知りませんでした。
ある日,授業の準備をしていたときに,
“Tips for teachers”
という文字を見たのです。
私は
「先生のためのチップ」?
ととっさに思ってしまったんです。
でも,その英語が載っていたのはいわゆる「指導書」。
授業の進め方などが書いてあるものなんです。
ここに「チップ」は変だなと思って聞いてみたら,
“Tips for teachers”は,
「先生のためのアドバイス」
「教師向けのヒント/コツ」
というニュアンスだと知ったのです。
つまり,“Tips for teachers”は
「教師に役立つヒント集」という意味で,複数形にした“tips”には
「アドバイス」「ヒント」「コツ」
のような意味もあるんです。
“My teacher gave me a great tip for writing essays.”
(先生は作文の良いアドバイスをくれた)
“Here’s a useful tip for learning English: Practice a little English every day.”
(これが英語を身につけるためのコツ:毎日少しでも英語にふれること)
このように使えるんですね。
“tip”=チップ,先端
“tips”=アドバイス,ヒント,コツ
知っておかないとわからないものですね。
―すべての “tip” は、「とがった部分・端」を意味する言葉!?―
「(相手から)得るもの」
ですよね。
そういう部分では共通しています。
でも「先端」だけは違うような気がしませんか?
このように,
「1つの単語に共通しないような意味があるから,英単語って覚えるのが難しい」
って思っちゃったりするんですよね。
でも,実は今回のこの “tip”(先端)にも通じるものがあったんです。
もともと “tip”は「(本体から)突き出たもの」「端っこ」などを指していたそう。
だから「先端」という意味が先にあったと考えられるんです。
ではなぜ,そこから「お金のチップ」や「ヒント,アドバイス」という意味にもなったのか。
それは
“tip”=お金(チップ)は,
「本来の代金ではなく,そこに “突き出して”ちょっだけ上乗せされたextra的に上乗せされたもの」
という感じで使われるようになったのだとか。
“tip”=「ヒント,アドバイス」を意味するようになったのもそう。
こちらも,
「物事の核心ではなく,ちょっとだけ,つまり先っぽだけをチラッと教える」
ということで,「ヒント,アドバイス」として使われるようになったと考えられているんですって。
だから “tip”(先端)は,一見,仲間外れのように見えるけれど,むしろ「本家」なんですね。
これを知ると,もう “tip”の3つの意味は忘れられませんね(笑)
ほら,今回もいい “tips”になったでしょ?
ということで,
また次回をお楽しみに!
See you next week〜♪
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。