Hi!
火曜のJiroです。
今週も、多くの中高生がつまづく問題をお伝えします☆
大人のあなたにもきっと役に立つと思います。
まずはこの2文から
The boy is Tom.
He likes cats.
問:この2文を「関係代名詞 who」を使い一文にするとします。次のどちらになるでしょう?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
① The boy is Tom who likes cats.
その少年はネコ好きなトムだ。
② The boy who likes cats is Tom.
ネコ好きな少年はトムだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正解は ②。
でも、私が中高生に英語を教えていた時、 90%が①を選びました。
特に、次の問題の次にやると、ほぼ皆①になりました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
This is the boy. + He likes cats.
「who」を使って一文にしなさい。
この問の場合は、
👉 This is the boy who likes cats.
これなら正しいわけです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
でも「The boy is Tom」+…となると、①を考える生徒が続出。
あなたはどうでしたか?
なぜ間違っちゃうのか。
理由はシンプル。
英語の語順の感覚を、まだ体でつかんでいないからです。
英語は「後ろから飾る」言語
日本語は「ネコ好きな → 少年」だが、
英語では「少年 ← ネコ好き」と、修飾語が後ろから来る。
つまり:「ネコ好きな少年」= the boy who likes cats
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
正解の② The boy who likes cats is Tom.(ネコ好きな少年はトム)が言いたいのは例えばこうです。
3人の少年がいるとします。マイク君は犬好き、ジョン君はトリが好き、そしてネコ好きなのは誰か?
――そう、トム。….「ネコ好きな少年はトムだ」という意味です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
こう説明しても、ほとんどの中高生から必ず質問が出ます。
「なぜ①はダメ?」と訊きます。
①「The boy is Tom who likes cats.」
この文は、まずありえない状況になるんです。
例えば、同じ名前の人がうじゃうじゃいて、そこから一人を「この人」と特定する、
例えば「犬好きなトム」「トリ好きのトム」「ネコ好きのトム」….沢山「トム君」がいて
「犬好きな方のトムだよ」という意味の文。
固有名詞で、誰か/何か分かれば、関係代名詞とかで余計な修飾は普通しませんよね。
では次に、語の語順について続けましょう。
英語の語順感覚 ― 主語+動詞は“レベチ”
英語では「主語」と「動詞」は特別扱いです。
主語をバーンと置き、そのあとに修飾語を軽く添え、動詞をドーンと置く。
これが英語の自然なリズム。
日本語にはこういう語順の感覚は、どうもない気がします。
もしあるとすれば「動詞で終われ」という無意識のルールくらいでしょう。
でも英語は、「主語+動詞」という骨格が最強コンビ。
そういう感覚なしに日本語の発想で単語を並べてしまうと、つい①のような文を作ってしまうんだと思います。
英語らしい語順に慣れるには
英文を読むときも話すときも、
まず主語と動詞を立てる意識を持つこと。
「誰が」「どうする」が基本。だが今回のように主語を修飾するなら、主語の後に修飾語が割り込み。その直後に動詞が来る形になります。
これが英語の基本的な思考順序です。
関係代名詞を使った文は、日常会話でもよく出てきて、普通に使われます。
Hey, is that the guy ☆ you saw yesterday?
(あれって君が昨日会った奴?)
No. The guy I saw is right here!
(いや、僕が昨日会った奴はここにいるよ)
省略形の中にも自然に関係代名詞が潜んでいます。ここでは the guy と you の間(☆)に隠れています。
このように、日常会話では、わざわざ関係代名詞を入れないことが多かったります。
関係代名詞という名前に恐れ「文法っぽい」として避けるより、むしろ耳で慣れてしまう方が早いかもしれません。
英語は「頭」より「感覚」で覚えましょう。
語順を頭で分析するより、英語らしい流れを体で感じること。
そうすれば、どんな文もずっと楽に理解できるようになるでしょう。
では確認の為もう一問
The girl is Emily.
She likes roses.
◯ whoを使って一文にしてみましょう。
正解は
The girl who likes roses is Emily.
この語順の感覚をつかめば、英語はきっともっと面白くなりますよ!
See you next time,
Jiro
追記:
最初の問の選択肢
①The boy is Tom who likes cats.
のちょっとした救済策で、実はこの①の文にも使い道があります。
◎ The boy is Tom, who likes cats.
その少年はトムで、彼はネコ好きなんだ。
このように「who」の前にカンマを入れるだけで、
「彼はネコ好きなんです」と説明を加える文になります。
これならOK。
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員

