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英語・日本語というメガネの違い

World Lifeな生活
この記事は約5分で読めます。

前回の記事では、英語と日本語の言い方の違い。

日本語では「フォントサイズとかが変更されます。」
英語では「エクセルが○○をします。」
という言い方になり、言葉の使い方が違いますよねってことをお伝えしたのですが、、。

でも日本語でも「~するとか、されますって普通に言えますよね!」と、違和感を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今日はそんな言葉の使い方を、もう一歩踏み込んでお話しようと思います。

どうして、「不合格になる」のに合格は「する」?

「成功する、失敗する、合格する、ミスる….」とか。「~するとか、~されます」と言う表現はたくさんありますよね。

逆にもし決まった一つの言い方しかできないと、なんか変な感じになります。例えば、「春になる」を「春にする」とか、「来年私は二十歳になります」が「来年私は二十歳にします」とか、「~する」とか、「~されます」だけでは表せない言葉が日本ではたくさんあります。

ですが逆に、「合格する」とは言うけど不合格については「不合格になる」と言う。合格の場合は、
合格になる」とはあまり聞きませんし、「不合格にする」とも聞きませんよね。

これ、ちょっと面白いと思いませんか?

不合格になる……A
合格する…………B

AB両方とも特別な表現ではなく普通に使いますよね。なぜ「なる」と「する」を使い分けるのかと考えてみたのですが、使い分けに人情の機微みたいなものが潜んでいるのだなと改めて気づいたんです。

Aの方は、悪い結果。だから自分の責任にしたくない、自分のせいでなくて成り行きでそう「なった」と言いたい。Bは良い結果。だから自分が一生懸命引き起こしたせいでそうなったと言いたい。

言葉が出来た時は、どっちが正しいとかはなかったはずなのに、気持ちも言葉に込められているのを見ると、ちょっと面白いですよね。

レンタルビデオ店で驚愕!

合格不合格の他に、どうしようもない、避けられないことですという雰囲気を出して、責任をとらされないようにしている言い方が他にないかと探してみました。そしたらありました!

それは
値上げをお知らせの言い方です。

「レジ袋は来月より値上げになります」

こういう表現ありそうですよね。
「~なる」が使われていて、この言い方だったら、お客さんも「そうか自然にそうなるのか、仕方ないか」と何となく思ってくれそうですよね。

これ、もし「~する」を使って

「レジ袋を来月から有料にします」

とでも告知があったら、
「おい喧嘩売ってんのか!」とか
「なぜわざわざ金とるんだ!」とか苦情の数が増えそうじゃありませんか?

でもこないだレンタルビデオ屋に行ったらホントにびっくりしたんです。

料金が少し値上げになっていたので、ちょっと質問したらこう答えられたんです。

 「120円か…前は旧作100円だったですよね。」と一人の店員さんに言ったところ、
(まあ大した値上げではないのですがつい…)

 「はい、値上げしました」
こういう答えが返ってきたんです!

(「はい値上げになりました」とかが一般的な良い方じゃないのか…という言葉を飲み込みました)
言葉に興味があるせいか、こんな突っ込みも入れたくなりましたが、こう「値上げしました!」と開き直られると逆に毒気を抜かれてしまいますよね。

日本語に英語のメガネの影響

日本語は「~なる」中心の発想だと思ってきたのですが、日本語の使い方、少しづつ変わってきたのでしょうか。

もしそうだとしたら、その一つの原因は英語にあるかもしれません。
これだけ義務教育などで英語を学んでいるですから英語というメガネから、知らず知らずのうちにいろんな影響があるのかもしれませんね。


<英語は因果関係見つけ過ぎ?>
日本語が「自然の成り行きでそうなる」という発想なら、
英語の「誰かが・何かがそうする」表現はどうでしょうか?

誰が・何が~するかをはっきり表わすから言い訳しにくい、責任がはっきりしていて分かり易い、やっぱり英語の方が良いのでしょうか?勿論優劣の話ではありませんね。

ここではただ英語というメガネにも何か余分な「度数」や「色」がついていないかという話です。これもちょっと考えてみると、またとても面白そうなんです。

こういうことが言えないでしょうか?それは

英語はどこにでも原因・理由を読み取りがち。

つまりどんな出来事でも、「誰かが・何かが~をどうした」という形で表現するので、実際は自然に成り行きでそうなっただけかもしれないのに、因果関係をでっちあげてしまうということです。

例えば次は、あるネットのサイトで見つけた表現をもじったものです。

The COVID-19 pandemic has brought about innumerable political, cultural, and social changes.
(コロナパンデミックが原因で、無数の政治的・文化的・社会的な変化が起きた。
 直訳「コロナパンデミックは無数の政治的・文化的・社会的な変化を引き起こした。」)

これって英語表現としては適切ですが、内容的には言い過ぎ寸前じゃないでしょうか。特に直訳になるとその傾向がはっきり見える気がします。

つまりコロナ禍で起きている世の中の変化は確かに多いだろうけど、だからといって変化の全部がコロナのせいではない。その当たり前のことを忘れさせられそうなのです。

もしこの文に続いて、
In fact, it has caused almost all the political, cultural, and social changes we are experiencing now.
(実は今我々が経験している変化はほとんど全てコロナパンデミックが引き起こした)というような少し考えてみれば無理な主張があってもなんだかどんどん説得されちゃいそうです。
英語だと、さももっともらしく聞こえてしまうところがないでしょうか?

とにかく出来事や経験を表す時、言語を使いますが、使う言語によって思いがけない影響があるのかもしれませんね。別の言語から別の言語への影響なんていうこともあるかもしれませんね。

言語ごとに違うメガネ

今回は、英語と日本語の言い方の違いについてお話ししました。

英語は「~する」的な表現で、理由原因を見つけたがる。日本語は自然に「~になる」表現で、成り行きで解釈しがちなんだなと。

こんな風に、言語の細かいところを見ていると、「ああ言語っていろんなメガネだな」と思うことがよくあります。言語というメガネを通して、世界を見ている。だから英語は、「~する」的な表現で、日本語では自然に「~になる」という表現。

どっちが良いとか悪いとかではなく、物事をどのような視点から見ているのか?ということが言語の細かい違いから分かるわけです。

もちろんこういう違いは英語と日本語だけでなく、色々な言語でもあります。例えば、日本語で「階段を昇ると息が切れる」と言うところをフランス語だと、「階段を昇る時、私は『息切れ状態』を持つ」になるとか。いかにも論理的・合理的な見方という感じがしませんか?

他の言語の様々な言葉のメガネ、またの機会にお話しできればと思います!

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