英語を勉強しても、勉強しても単語や文法を覚えられない…。
英語力が伸びない…。
英検が受からない…。
TOEICの点数が伸びない…。
英語を勉強しているとそんな壁にぶつかる事、ありますよね。
そういう時は、原点にもどってみるといいかもしれません。
<習っても習っても覚えられない…>
話はちょっと変わりますが、今、女子高生に人気があるのは「韓国」。
韓国のアイドルが好き!から始まり、ドラマやファッション、メイクまで何でも韓国の物がお気に入り。
そういう訳で、私が行っている通信制の高校でも「韓国語講座」を開設する事になりました。言語に興味がある私は軽い気持ちでその講座の担当になり、一緒に受講する事に。
韓国語の先生はソウル出身で在日20年のキム先生。講座は初心者コースの前段階、入門コースからのスタート。つまり超初心者。まず、韓国語の母音と子音を習いました。
母音だけで10個。発音は大体できたものの、記号のような文字が全く覚えられません。何かの規則性があるのかとか考えたりもしましたが、それも分からず頭の中は?だらけ。
考えてみれば、日本語とアルファベット以外の文字を学ぶのは初めての経験です。漢字にもアルファベットにも似ていない韓国語は全くもって未知の世界。それが面白そうだと思ったのですが、あえなく最初の1時間目から撃沈…。
小学校の時に先生がひらがなの表を指して読ませたように、キム先生も表を出してなんの音かを聞いていきます。
私はもらった母音の表の紙と前の表を見比べながら半歩遅れて言うのが精一杯。
ところが、生徒たちは紙も見ずに指された文字を即座に言っていくのです!
「えっ!みんなはこの記号のような難解な文字が分かるの?!」と驚いて周りを見渡す。
と、みんな「まぁ、これくらいは…。」と当然のような様子。
キム先生からも「先生が一番難しそうな顔してますね。皆さんはよくできてます。」と言われる始末。
言語が違うとはいえ、外国語を教えているし、外国語の習得にはちょっと自信があった。それなのに…。これはかなり屈辱的。
けれど全然頭に入っていかないのです。理解しようとすればするほど難しく感じて分からなくなる。
母音の時点でそんななので、子音、続いてその組み合わせで読んでいくとなるともうお手上げ状態。分からなさ過ぎるので、とうとうカタカナで読みを書いていく事に。
英単語が読めない子供がカタカナで読み方を書きたがるのと一緒だ。大人がこんな事をして恥ずかしいけれど、発音はちょっと違っても「読めない」というフラストレーションはなくなる。
ただ、そんなカタカナ表記をしているのも私のみ。生徒たちは、単語も時々間違えながらもどんどん読んでいく。
「これは、年齢の差なの?? 若いと覚えがいい?」
とも思ったが、それは韓国への興味、関心度合いの差だったのです。
<英語、好きですか?>
韓国語講座に来ている生徒たちは、熱狂的な韓国(アイドル)ファン。
「好きこそ物の上手なれ」と言いますが、彼女たちを見ていると本当にそう思います。
純粋に韓国のアイドルやドラマが好きで、たくさん見ているうちに韓国語を覚えたり、興味を持って自分から文字も言葉も勉強しているのだ。
「推しの名前を韓国語で書きたい!」とか「韓国語の歌を歌いたい!」とか、そんな理由から彼女たちは自分で教材まで買ったりして、一生懸命覚えている。
中には、英語は苦手だけど韓国語は好きという子もいる。学校の試験には全く関係ないし、成績にも反映されないけれど、自らすすんで勉強しているのだ。
彼女たちにとっては、「勉強している」という感覚すらないのかもしれない。ただ韓国の事が好きで、もっと知りたいからしているだけなのだろう。
本来の学びの形ってこういう物だと改めて気づかされる。興味があるから自ら学ぶ。試験とか資格のためにするのが勉強ではないのだ。
彼女たちを見ていて私も自分の中学生の頃を思い出した。それは、英語を習い始めたばかりの頃。外国に憧れ、洋楽を聞いたり、海外の映画を見たりしていた。
自分で歌詞の意味を調べたり、映画のセリフを真似して言ってみたり。今思えばそれが英語の勉強になっていたのだが、その当時の自分はそんなつもりはなかった。
彼女たちと同じ。「ただ英語に興味があったから。英語が好きだったから。」
好きな曲がどんな意味の歌なのか知りたかったし、英語を話してみたかった。
ただ、それが中学、高校と進むうちに「英語」は教科で、試験があり、評価される物になって、純粋に「英語が好き」という感覚は次第に消えてしまった。
学生になると今度は英検やTOEICの点数にばかりに意識がいってしまって「英語を楽しむ」という感覚もなくなっていたし、勉強してもしても伸びずに英語の勉強に嫌気がさしていた時期もある。
でも、それを支えていたのはやっぱり「海外で外国人と英語を話してみたい」という最初に描いていた英語での夢。英語の勉強は嫌でも英語自体はやっぱり好きでした。
そして、私の場合は、英語の勉強をやめて、「英語を話す」という好きな事に集中した結果、全体的な英語力も上がっていったのです。
「好き」は何物にも代えがたい原動力。
英語の勉強を頑張っているのに、なかなか伸びない。もっと頑張らなければという人…
英語が好きですか?
英語が好き!英語は楽しい!の感覚、忘れていませんか?
英語を学び始めた頃の事を思い出してみてください。
英語でしたかった事。好きだった事。
それを思い出すだけで、ワクワクしてきませんか?
その好きだった事やしたかった事をまたやってみると「英語が好き!楽しい!」という感覚が蘇ってくるかもしれません。
もう一つ、韓国語を学んで気づいた事。
最初はアルファベットの小文字も韓国語と一緒で、なかなか覚えられなかった事を思い出しました。
そしたら、あんな状態からよく単語や長文までも読めるようになったなとか、今では当たり前のように英語も読めて、書ける事が「すごい進歩だね!私。ここまでよく頑張ったね!」って思えたんです。
「英語が書けて読めるのなんて当たり前」と思っているかもしれませんね。
でも、最初から今のようにできていた訳ではないですよね。英語だって始めは読んだり書いたりするのも難しかったはずです。
努力を重ねて、がんばってきたからこそ、今、英語も読めるし、書けるんです。
「いやぁ、私はまだまだだから。」と思う人も、「上には上がいる。もっと上をめざして頑張らないと。」と思っている人も。
上ばかり見ていると「伸びてない…。」と思うかもしれませんが、ちょっと立ち止まって後ろを振り返ってみてください。
あなたもきっとすごく成長しているはずです。ここまで頑張ってきた自分を褒めてあげましょう!
そして、英語で好きな事、したい事をやってみましょう!
英語って本当に楽しいです。私はやっぱり英語が大好きです♪
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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