おはようございます。
木曜日のCozyです!
最近,ちょっとお気に入りの近所の居酒屋さんがあるんです。
若い店主さんが一人で切り盛りしていて,美味しい,安い,楽しい,の三拍子が揃った,知る人ぞ知る人気店。
先日,お店でいつものように他の常連さんとおしゃべりを楽しんでいたら,あるお客さんが外国の方を連れて来られました。
みなさん,初めて会った人にはどう挨拶しますか?
やっぱり定番の
“Nice to meet you.”
を思いつきませんでしたか?
でも,これにはちょっとしたルールがあるんです。
それはどんなことだか,わかりますか?
― Nice to meet you は「出会いの瞬間」 ―
いろいろな話をして,その方が先に帰るときに,
私は握手をしながら,こう言ったんです。
“That was fun talking. Nice meeting you.”
するとその方も笑顔で,
“Yeah, it was nice meeting you, too!”
と。
このとき,ふと思ったんです。
「あれ? ‘Nice to meet you’ じゃないの?と感じる方もいるかもしれないなぁ」と。
ここ考えてみましょう。
まず,王道の
“Nice to meet you.”
これはみなさんご存じのとおり,初対面のときの鉄板フレーズですよね。
初めて相手に会って,握手を交わすあの瞬間。
まさに
「初めまして」
「お会いできてうれしいです」
という意味で使っていますよね。
だから,
「出会った瞬間に言うのが正解」
なんです。
この
「出会った瞬間」
を覚えておいてくださいね。
― Nice meeting you.…は?―
一方で,私が居酒屋で使った
“Nice meeting you.”
これも意味だけ見れば
「初めまして」
「お会いできて嬉しいです」
のように同じに思えますよね。
でも,ちょっと違うんです。
まず,先程の
「出会った瞬間」
と言ったのを思い出して欲しいのです。
“Nice to meet you.”
は,「出会った瞬間」,つまりまだ相手のことをよく知らない時に使うイメージ。
しかし,
“Nice meeting you.”
は,
「会っていた時間」
を振り返っているんです。
つまり,
「今日はお会いできてよかったです」
という,
振り返りのニュアンスなんですね。
だから,使うのは別れ際。
「今日はありがとう!また!」
という気持ちで,
Nice meeting you!
と言うんですね。
― “また会ったとき” はどうする? ―
ちなみに,一度会ったことがある人にもう一度会ったときはどうでしょう?
そのときは,
✅ 出会った瞬間 → Nice to see you again.
✅ 別れ際 → Nice seeing you again.
という感じで言い換えます。
ここで,
「あれ? “again”が付くのはわかるけど,どうして “meet”じゃなくて “see”なの?」
と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実は “see”のイメージは同じ「会う」でも,
「会ったことのある人にまた会う」
というニュアンスがあるんです。
一方, “meet”は
「初めて会う」場合と,
「予定を立てて落ち合う」
の大きく2つのニュアンスがあるんです。
だから,2度目にあった時は “Nice to see you again.”と表現し,
初めて会った時は, “Nice to meet you.”。
そして,友だちと駅で合流しようと予定を立てる場合も,
“Let’s meet at the station.”
(駅で会おう)
のように使うことができるんです。
ちょっとややこしいけれど,覚えておくと
「へぇ,そうなんだ」
ってなりませんか?
― 挨拶って,タイミングの英語 ―
英語の挨拶って,意味だけじゃなくて,
「どのタイミングで言うか」
も大事だったりするんです。
もちろん,日本語でも
「今日はお話できてよかったです」
とか
「またお会いできてうれしいです」
って,場面によって言い方を変えますよね。
それは英語も同じ。
でもちょっとだけ動詞や前置詞の違いで,
「いま会った瞬間」なのか,「振り返っている」のかが
はっきり分かれるんです。
だからこそ,
“Nice to meet you.” と “Nice meeting you.” も,
タイミングで使い分けると,より自然な英語になるんですね。
同じ「会えてよかった」でも,
初めて会ったその瞬間 → Nice to meet you!
会って話して,別れ際 → Nice meeting you!
何度か会った人にまた会えたとき → Nice to see you again!
その別れ際 → Nice seeing you again!
たった一言の違いですが,
こういうところで
「あ,この人,自然だな」
と思われるかもしれません。
次に誰かに初めて会ったとき,
そして楽しい時間を過ごして別れるとき,
ぜひ思い出してみてくださいね。
それでは,今日も良い一日を!
See you next week~!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。