「ミリタリータトゥー」と聞いて、何を思い浮かべますか?
「military=軍隊の、軍用の」、「tatoo=入れ墨」と考えると、軍事的でちょっと怖い感じがしませんか?
実は、「ミリタリータトゥー」はスコットランドの夏の風物詩なんです。
いったいどんな物なのでしょうか?スコットランドの魅力と合わせてお伝えします。
<イギリスの正式名称を言える?>
まず、皆さんはイギリスの事を英語で何と言いますか?
私は、イギリスに留学するまでは、Englandと言っていました。が、イギリスに行ってEnglandはイギリスの一部で、国全体の事はUKやGB(Great Britain)などで表される事を知りました。
イギリスは、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの構成国から成り立っていて、正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」。
英語では“United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland”。
イギリスやEngland の文字は全然入ってないんです。長い名前だし、ややこしいですよね。 実際に私がいたのは、ロンドンやブライトンなどEnglandにある町だったためEngland と言っても間違いという訳ではないので、あまり気にもしていませんでした。
ところが、スコットランドを訪れて、イギリスが「連合王国」だというのがはっきりと分りました。
スコットランドは歴史的にもイングランド王国との対立が長く、現在も独立運動が起こっています。街を歩いていても、あちらこちらに独立を呼びかけるポスターや垂れ幕が見られます。
スコットランドの人達にとっては、自分たちはイギリスの一部ではなく、「スコットランド」という国の国民だという思いがあるようです。
そんな彼らに「イギリス人は…」という意味で“English”と言おうものなら大変です。ものすごく嫌な顔をされて、“I don’t know about English.We are Scotish.”と言いなおされるのです。
彼らは、“British”でさえなく“Scotish”であるという確固たるアイデンティティを持っています。
「スコットランドは一つの国である」そんな思いがお金にも表れています。
スコットランドは独自の紙幣、お金も作っているのです。通貨単位は同じポンドですが、そこにエリザベス女王の肖像画はありません。
通常流通しているイギリスのポンド紙幣ももちろんスコットランドでも普通に使えるのですが、お釣りはほぼスコットランドのポンド紙幣。
最初は珍しくて嬉しかったものの、増えてくるとイングランドでは使えないから無駄になるのではないかと心配でした。
お店の人に聞いてみると「この紙幣はイングランドでもどこでも使えるから大丈夫よ。」と。しかし、実際ロンドンに戻ってから使ってみると「何これ?」というような顔をされ受け取ってくれないお店もありました…。
ちなみに、スコットランドの紙幣は、イギリス国外では認められていない紙幣のため、日本では両替をする事はできません。日本では手に入らない紙幣でもあるので、少額なら記念として持ち帰るのもいいでしょう。
スコットランドの首都はエディンバラ。
丘の上にエディンバラ城がそびえ、石畳の細い道路に石造りの古い建物が並ぶ風情ある街並みです。
他の街なら路上で、若者が歌ったり、パフォーマンスをしているところが、スコットランドの路上では年配の男性がバグパイプを吹いています。
独特の響く音と音階に引き寄せられ、近くで見ていると、バグパイプはとても不思議な楽器でした。
笛のように吹いて音を出しているのかと思っていたら、指の動作と出る音のタイミングが違う。脇に抱えた袋から空気を送って音を出しているらしい。ジーっと見ていたら、「こうやって音を出すんだよ」と親切にゆっくりと見せてくれた。
ロンドンと比べるとスコットランドの人たちは素朴で優しい人が多い印象。
エディンバラの街は、道も狭く一方通行の所が多い。車で行っていた時、ホテルの場所は分かるのに、一方通行ばかりでどうやっても辿りつけない。今のようにナビもない時代。
道を歩く人に声をかけ、ホテルまでの道を聞いてみた。すると、やっぱり道が複雑なのだろう。指さしたり、手で示すなど一生懸命に説明をしてくれたのだ。
…が、残念ながら訛りが強すぎて何を言っているのかほとんど分からなかった…。
一緒に行っていた友人たちと顔を見合わせ「彼が話していたのは英語だったのかなぁ?」という位、誰も理解できなかった。が、人柄の良さだけは十分に伝わる一件だった。
<華やか!ミリタリータトゥー>
さて、そんなスコットランドの夏の風物詩が「ミリタリータトゥー」。正式には
「The Royal Edinburgh Military Tattoo」
これは、エディンバラ城で行われる軍楽隊の音楽祭。軍隊と言っても、物々しい物ではありません。
スコットランド軍の正装は、伝統衣装のタータンチェック柄のキルト。キルトも軍楽隊によって赤や青、格子柄も様々で衣装だけでも楽しめます。
華やかなキルトを身にまとい、バグパイプや金管楽器などを演奏しながらフォーメーションを変えてマーチングする姿は圧巻です。
何と言っても舞台は夜のエディンバラ城。
夕暮れ時(と言っても20時ごろ)の夕焼け色の空からだんだん日が暮れ始め、ライトアップされるお城。そこに響き渡るバグパイプの音色。雰囲気抜群です!
お城の広場を囲むように作られた観覧席からパフォーマンスを見ていると、貴族にでもなった気分♪
途中には音楽フェスのように世界的なアーティストも登場し、歌やダンスで盛り上げます。そしてクライマックスは、お城の後ろから上がる花火!最高です!
夏にスコットランドを訪れるなら、ぜひ「ミリタリータトゥー」へ!
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…スコットランドが舞台のお勧め映画…
「ブレイブハート」
メル・ギブソン監督、主演
スコットランド独立のために戦った実在の英雄、ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた作品。スコットランドとイングランドとの歴史が分かる映画。
内容も素晴らしいですが、スコットランド北部、ハイランドの風景が美しく壮大で、かつ厳しいスコットランドの自然環境がよく伝わってきます。
Braveheart予告編
↓ ↓ ↓
https://youtu.be/1NJO0jxBtMo
中学生時代から英語を話せるようになる事に憧れ、外国語短大へ進学。その後イギリスへ留学するも英語が話せず落ちこぼれの生徒に。英会話のトレーニング(カランメソッド)を受け英会話が上達。帰国後、夢だったツアーコンダクターになる。渡航国約35カ国 年間200日以上を海外で過ごす。その後オーストラリアにワーキングホリデーで渡り、オーストラリアにあるハミルトン島のリゾート会社に就職。その後日本に帰国し、京都のホテルやゲストハウスなどでの経験を経て、地元宮崎にUターン。現在は地元宮崎で、英会話教室及び、単位制、通信制の高校で英会話を教えている。
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