Hi!
火曜日のJiroです。
随分と前のお話ですが、私が一年間の米留学に行った際のお話。
留学後、日本に戻ってきて、日本での生活で一番いやだったのは「同調圧力」。
他の人と同じにしろ!同じ服を着ろ!職場の飲み会は「全員出席」!飲み会のお開きは全員一致!
それも気配で無言のうちに決まるから、気配を読め!・・・
そんな声がどこからか聞こえてきそうな、いや実際聞こえたことも・・・
国際会議なら途中退席したらきっと外交問題でしょうけど、飲み会なら、自分の都合で先に帰るのって、それほど悪いこと?
ああアメリカは良かったなあ、参加は自由だし、いつ帰ってもいい、先に帰っても誰も気にしない。
ああ日本社会の圧力イヤだ!イヤだ!
って、ちょっと大袈裟ですが、そんな風に感じているうちに・・・何十年w
<100件の実験調査>
そんな中、ある洋書を読んで目から鱗。
Dan Ariely 教授の、『Predictably Irrational(予想通りに不合理)』
という本。
この本の13章の、アメリカに日本とは逆の社会的圧力が存在…という内容。
どういうこと?
なんでも、著者Dan Ariely 教授が行ったのは、ビールの注文に関する大量の実地調査。
キャンパス近くのビール酒場で、自らウェイターに扮し、4人席で4種類のビールについて100回注文を取ったそうです。
まとめて結論先に言うと、学生はできるだけ他人と違うのを注文する傾向がある。
極端な話、本当は好きでなくても、人と異なる種類のビールを頼みがちというもの。
例えば、分かりやすく日本にもあるビール名だと…
4人に、アサヒ、キリン、サッポロ、バドバイザーのメニューを見せ、順番に注文を取る。
1人目、2人目、3人目と、皆違う銘柄を頼む。最後4人目の人は、実はキリンのファンでサッポロ嫌い(とする)。でもキリンはもう他の3人中1人が注文済み。すると残るサッポロを頼む傾向がある・・・
つまり本当はキリンを飲みたいが、同じ銘柄にすると、「自分がない」と思われるかもしれない、そんな風に思われたくない!それで嫌いなサッポロを選ぶ・・・。
これって、自分を犠牲にして回りに合わせるなら、立派な社会的圧力では。
<アメリカと日本は裏表?>
どうやら、日本は「同じ」にしろ。アメリカは「同じはダメ」の違いだけ。
日本は人と同じに行動しろ!という圧力。
アメリカは、人とは異なる行動をしろ!という圧力。
同じか、同じはダメ、の違いはあるが、個人への周りからのプレッシャーの点では変わらなさそう。
なので、不満も逆方向になるのかも。
日本人は、人と違った行動がした~い!
アメリカ人は、時々人と同じにした~い!
のようなw
アメリカって日本とまるっきり違うと思ってたのに、実は似てないか、と思いました。
私はこの本で同調圧力に関する視野が広がり、そのことで今の生活が随分楽になった気がしました。
自分の見方が絶対、と思っていると窮屈。アメリカだけでも、こんなに微妙な差異。
色々な文化の違いをもっと学び、より広く自由な視点を持てると良いですね。
See you soon!
Jiro
追伸:
◯Dan Ariely / ダン・アリエリー
・『Predictably irrational Harper International 2010』
https://amzn.to/3Hjag51
・『予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員