今日もニューヨーク、アッパーウェストサイドは気持ち良い真夏日が続き、コロナ予防のため、自己免疫力を高めるにはビタミンDが必須との情報を得、太陽光を求めてフラフラと街にさまよい出る。
そしてこんな暑い日には生ビールがぴったり。さて今回も楽しくニューヨークのアメリカン・バー、ハッピーアワーのご案内。
今回は、アメリカのバーのおつまみって、どんなものがあるのかもご紹介しますね。
さて、今回行ってみたお店の名前は、
“Jake’s Dilemma “
(ジェイクのジレンマ)
店頭のブラックボードによると、ハッピーアワーの気前の良さでは、ニューヨーク広しと言えども代表格のお店みたい。
お昼過ぎのオープンから夜7時までは、マイクロ・ブリュワリー(地ビール)に始まり、エール、ラガー、スタウト、季節もの、クラフトビールなど取り混ぜて14種類のタップ・ビア(生ビール)と50種類のボトルビール、全てがなんと5ドル均一!
(現在、NYマンハッタンでは、ビールは8ドルから10ドルぐらいが相場の感じです)
地ビールは、こちらアメリカでも、絶大な人気です。余談ですが、タップ・ビアのタップは、樽(keg / ケグ)から直接グラスに注ぐために付いてる蛇口、の意味。
ここのハッピーアワーの詳細をウェブサイトでチェックしてみたところ、なんと毎日違った色んなサービスが山盛り。でもこのパンデミックで、1年以上お店を閉めていたから、その後正確にこれが復活したかどうかはまだわからないけれど、とにかくまた行ってみる価値ありそう。
Jake’s Dilemma サイト
https://www.jakesdilemmanyc.com
私の大好きなギネス、通常料金だと9-10ドルぐらいですが、なんと5ドル!
ハッピーアワーでも、ここまでサービスする店はなかなか無い☆☆☆
ジェイクさんのジレンマって?
軒先に吊るされたプランターから、かわいいお花たちが咲きこぼれているテラス席の、ちょうど隅っこの日陰に陣取って、道ゆく人々や車を眺める。そして、いろいろ考える。
ここの店のネーミング、「ジェイクさんのジレンマ」ってなんだろうと・・・。
お客さんに安く楽しんで欲しいから、リーズナブルな値段でサービスを提供しよう。これは全然ジレンマじゃないね。素晴らしいポリシーだ。
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ジレンマとは、日本語では、板挟み、と言うような意味のようです。2つの相反するもののうち1つを選択しなくてはいけないけれど、どちらを選んでも不利益が生じる時の状況だと。
「ハリネズミのジレンマ」というお話をご存知でしょうか。ハリネズミが、寒いのでお互いにからだを寄せて温め合いたいんだけど、近づくとカラダの針でお互いを傷つけ合ってしまうから、近いけれども適当に離れた距離にいなくちゃいけなと。
人間も、きっと同じなんだって。目に見える針は無いけれど、人と人とのあいだにも、適切な、距離が必要なんだって、、、
今度のパンデミックで、目の前にいる人と人との距離は2m 以上取らなくちゃいけなかったけれど、コンピューターなどのツールがあってくれたおかげで、世界中の、遠いところの人とも、逆に、どんどんつながった。
パンデミックであったからこそ、多くの人びとが世界で繋がれた。これもジレンマじゃないね。そうね、東京オリンピック、これジレンマかなぁ。考えるたび、このコロナさえなければ、と、悔しくてしょうがない。
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いろいろ考えた「ジェイクさんのジレンマ」ですが、どうやら、
おいしいビールがたくさんありすぎて、どれを店に置こうか迷っているうちに、膨大な種類のビールが揃ってしまった!
と言うことみたいです。
日本だと、「ナマ一杯!」で済むところ、このアメリカン・バーでは、ビールのチョイスがいろいろあるってわけです〜。
おつまみメニュー
さて今回は、こちらJake’s Dilemmaのフードメニューを使って、アメリカのバーのおつまみは、どんなものがあるのか、ちょっと紹介しましょう。大概、アメリカン・バーと言うと、こんなおつまみが並びます。
まずは、
HotGog 3.99(ホットドッグ 約440円)
あはは、腹が減っては、戦ができぬ。まずしっかり食べてから飲もうぜ、って感じですかね。
Fries or Tots 6.99 (フライズ 又はトッツ 約770円)
フライズはフライドポテトのこと、ちなみにアメリカでは、フライド・ポテトと言わずにフレンチ・フライといいます。お店で、フライドポテトくださいといっても、通じません。トッツは、じゃがいもの細切れを小さな俵型にしたもので、これもやっぱりフライド・ポテトの一種です。ケチャップが、超合う、アメリカン・ジャンクフードの代表です。
Mac & Cheese Wedges 7.99(マカロニ・チーズ 約880円)
オーブンで焼いてあるので、グラタンのような感じのものです。
アメリカ人なら、子供の頃からジャンクフードで食べ続けてきたものだそうで、スーパーでもインスタントものが箱に入って売ってたりします。マカロニを茹で、それをチーズであえて食べるのですが、オーブンで焼いて、トップをブラウンにしてトロトロに溶けたチーズをおいしそうにサーブするようになったのは、結構最近のことらしい。
これにチキンやシーフードを入れれば、ちゃんとしたディナーとなります。アメリカ人が大好きなミールです。
ウェッジとあるのは、きっと櫛形に切ったフライド・ポテトがそれについてるのだと思います。しっかり、お腹にたまりそうなメニューですね。
Mozz Sticks 7.99 (モッツァレラスティック 約880円)
モツァレラチーズをフライしてあります。モッツァレラ・フィンガーともいい、ちょうど指ぐらいの大きさで、サクッと食べると中が、アッツアツとろーりチーズでたまりません。
Cheese Quesadilla 9.99 (チーズ・ケサディーヤ 約1,100円)
メキシコ料理でお馴染みなのですが、とうもろこしの粉で作ったトルティーヤ(円形の、薄いパンのようなもの)で、チーズを挟んで焼いたものです。それをサルサソースや、ワカモレ(アボカドのディップ)など付けて食べます。これもチキンやシーフードなど加えれば、いろんなバリエーションが楽しめますよ。
そして、メニューの続きは、サラダの後に、オニオンやチキンの揚げ物類が続いてます。ワカモレは、メキシカンの、アボカドにいろいろ薬味を入れてペースト状にしたもので、トルティーヤ・チップスをディップして食べると、とってもおいしいです。
まあ、メニュー見てるだけでも、なんと楽しいことでしょう。
バーでは飲むだけ
バーのおつまみフードメニューを紹介してきましたが、私自身は、フードメニューはまず頼みません(笑)。値段が高いし、量も多いんですよね〜。いつも、この3分の1の量と値段で出してくれたらいいのになぁと思っています。ちなみに、こちらNYでは、通常バーは飲むだけのところ、という感覚ですね。よっぽどお腹が空いていない限りは、食事を頼む人は、そんなにたくさんはいないと思います。
イギリスで、バルは食べ物置いてないですよね。つまみを飲みながら食べると言う感覚が、欧米ではあまりないんじゃないかと。バーで一杯飲んで、それから食事はちゃんとディナーに行く、という感じで。
日本では古来の昔から、ご飯がわりに「酒と肴」っていいますよね。
以前、欧米人を日本の居酒屋に連れて行った時、たくさんの所謂居酒屋メニューをオーダーしたのですが、もうアペタイザーはこれぐらいにして、ちゃんとディナー(メインディッシュ、がっつり)を食べに行こうよ、と言われました(笑)
この居酒屋での反応は、フランス人も、イギリス人も、アメリカ人も、同じでした。どうやらアペタイザーだけで済ませるのは日本人ぐらいみたいです。
食文化の違いって面白いですね。
さて、だんだんと日が暮れてきました。次回はまた別のバーをお届けします。
ではまた来週〜。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。