今回は、アメリカで流行っている日本のものを少し紹介しますね。
サロンパス
まずはサロンパス。
昔はアメリカでは、こんな気の利いたものが、なかなか手に入らなかったんです。最近は、どこのファーマシー(ドラッグストア)でも、大概手に入るほどポピュラーになりました。久光製薬さん、頑張ってると思う。
大きめサイズ6枚で$9.9 (約1300円)。
旨味出し
そして次は、「旨味だし」。
アメリカでは、食べ物の味付けはとってもシンプル。塩、胡椒、砂糖、それからケチャップ、マヨネーズぐらい。それプラス、ビネガーと各種スパイス、ガーリックって言う感じかな。
そこに、昨今、Umami とかDashi などと言う、英単語が加わったのだから、驚きます。
それだけ、日本料理が世界中でポピュラーになってきたということだと思うけれど、10年ほど前は、普通のアメリカ人は、味噌汁は、お湯に味噌ペーストを溶いたものだ、と思い込んでいました。(笑)
味覚の、表面だけではなくて、奥行きというか、アメリカでも、それがだんだん深くなっていくのかな、と感じます。
こちらは$24。(約3200円)
日本酒
そして私も大好きな「日本酒」。
日本から直輸入の焼酎や酒はあります。場所は限られますが、日本酒専門店もニューヨークに数軒できました☆
20年前は、日本食レストランでさえ、日本酒の種類なんてなく、熱いのか、熱くない(室温)かの2通りしかチョイスはありませんでした。(笑)
この一升瓶は、$38(約4300円)でございます。おのずから、少しずつちびちびといただいております。(笑)
そして、ニューヨークなどの大都市では、なんと、アメリカ産の米を使って、アメリカ人杜氏が、日本酒を作り始めているんです。
今回ご紹介するのは、その名も、ブルックリン区にある、
『kura (くら)』
アメリカ人杜氏が頑張る酒造。彼らのホームページには、こんな感じのメッセージが。
「米」、「水」、「イースト」そして「麹」
「日本酒では、こんな一見シンプルな食材が、限りない味と香りの幅を生み出します。吟味された日本酒は、ふわっと広がる花のような味や酸味、甘さや収斂性(渋み、のような感じ?)、フルーティーまたは香ばしかったりします。酵母株、米の品種、水のミネラル含有量、醸造方法のわずかな違いが、大きな異なる結果を生み出す可能性があるのです。」
んーん、まさにその通り。
旨味だし、のところでも言いましたが、ほとんどのアメリカ人は、ソルト、ペッパー、ケチャップが毎日欠かせない味付け。アメリカ大陸は広く、移民がこの国を作ってからまだ200年ちょっと。その間に、ほぼ自然に覆われた、このとてつもなく広い大地を、人間の手で端から耕して、ここまで発展させて来たのですから、日本にあるような伝統的な味とか、料理法の歴史など、比べようがないのは当然です。
以前、日本人のご夫婦が、フランスでワイナリーを作りたくて農地を求め、頑張っている話を聞いたことがあります。
最初は、周りの現地の人たちは「外国人には無理だ」、と言っていたそうですが、でも、現地の人たちにいろんなことを教わりながら、とにかく汗と涙を惜しまず、失敗しても不屈の根性で頑張って働いて、今ではフランス人に負けないほどのワイナリーになったと言うお話。
アメリカ人が、日本酒のおいしさに目覚めて、それを自分たちの手で作ろうとしているって、すごい挑戦のように思えます。
日本人は、ときには神経質とも思える位こだわって、完璧なものづくりを目指しますよね。
まず、土が肥えているところでおいしい米を作り、その米も、良い水でできたものに限る。それに良い自然の水を加えて、麹も、よりによったもので、人間の手でひとつひとつ何から何までやっていく酒造りを、日本人はしてきました。
このアメリカ人の彼らが、どこまで日本酒を極めてくれるのか、少し年数はかかるかも知れませんが、これからがとっても楽しみです。
世界は、どんどんグローバルになっていきますね。みんなでいろんなことを教えあって、お互いにwin winで幸せになって行けたらいいのに。
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。