確かフジテレビの番組で、全国の百貨店が相次いで閉店や縮小化。そのワケは老朽化と通販に押されて、と報道されていました。
そこで頭に浮かんだのが、アメリカで目にした「モール」。色々な店が軒を連ね互いに競い合い、言わば小さな町全体が「百貨店」。
(確か前に「アメリカのモールが危機に」と読んだっけ。日本の百貨店が傾いているように、アメリカのモールもそうなのかなあ)と気になり、調べてみたら意外なことが…
CNN business の“Malls are not dying” という記事によると、見出し通り、盛り返しているらしいんです。
簡単に言うと、モールでの全店舗が順調かどうかは敷地の占有率(敷地がテナントでどれだけいっぱいか)で分かるそうです。採算が取れない店舗が撤退すれば、占有率は下がりますよね。
逆に100%埋まることもまずあり得なさそう。全米で大体モールの敷地占有率が7, 8割位だとか、そして7,8割なら、かなり良い数字だとか…
じゃああなたはモールが盛り返した人気復活の理由は何だとあなたは思います?
ちょっと意外な理由なので、考えてみてください。
この調査でお客へのアンケートをとったそうです。
Qは「あなたのモールへ行く理由は?」すると新しいZ世代の多くが「社会的交流が欲しくてモールに行く」と回答したそうです。
covid(コロナ)で多くの人が人の交流の大事さを再認識したんですね。それを受けてネット企業も、実際の店舗を出すようになっているとも。
かたや日本はどうでしょう。百貨店が「社会的な交流」の場として見られることはなさそう。冒頭の番組でも、百貨店に家族とでかけた思い出話がほとんど。家族以外の人と話して楽しかった、なんて言う人は一人もいませんでした。
さてここで一歩踏み込みます。アメリカの若い世代がモールに求める「社会的交流」の相手は誰でしょう?
私自分の米留学時代の経験から「モールの店員」じゃないかと。留学は米中部の田舎。よく店のレジに並んだ時、前にいる客が、レジの店員と世間話(らしい)を延々としていた光景が目に浮かびます。
私最初はいらいら。でもそのうちに米国流に何となく慣らされたみたい。
入店時に
Can I help you?
(いらっしゃいませ)
と言われたら、
”Yes, I’m looking for thick and warm boots.
(厚いブーツ探してるんです”)
とか
”Oh, no,I’m just looking around.”
(見てるだけです。)
とか何かの「会話」をしようと私心がけるようになったんですw
他方日本では、店員は販売以外なら苦情を受ける位が関の山。店員も「いらっしゃいませ」に客から「今日は」と反応されたら「えっ?」と思うかも。
結局、普通に言葉を交わすなんて、客も店員も互いに相手のことを思ってもみないのかも。私も日本で店員さんに米国流に世間話をしかけ「ひかれる」ことが結構ありますw
でも正直言うと、何の店でも、店員に気軽に話さない方が変に思えるんですw。
店員だって客だって人間。話位したってよくないですか。お互い同類だと思ってないんでしょうかね。何をこだわっているのか。客も店員もツンとすましているワケでもないのでしょうがw
人との交流に実は皆「飢え」ている?と最近感じたことが身近でありました。
卑近な例ですが、家の者が近所のスーパーで、見ず知らずのお年寄りの女性に話しかけられたんだそう。とにかくずっと脇から離れない。そして勝手に身の上話を始めたんだそう。
『夫が亡くなり、姑の介護を20年近く…』『ご苦労なさったんですね』と家人もいつの間にか引き込まれたようです。
ひとしきりすると『あんた,聞いてくれて有難うね』という言葉を後に、その高齢の女性は他の買い物客の中に混じっていったのだそうです。
(その方ホントに誰かと話したかったのかな)と私、胸が迫るようでました。
繰り返しますが、コロナ禍後、人との交流への飢えが静かに蔓延してるのでは。
この際、日本人もアメリカ流に店員とのコミュニケーションを試したらどうでしょう。思いがけない満足感がある気がするのです。
Talk to you soon!
Jiro
追記:
The US mall is not dying | CNN Business
https://edition.cnn.com/2023/08/20/business/shopping-mall-retail-growth/index.html
<英語版>
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私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員