最近「Experience on demand」という本を読み感動しました。著者のJeremy Balenson博士はVR(virtual reality 仮想現実)研究の第一人者。
昔からあったVRへの興味が、この本でさらに強まった矢先、静岡県内初のVRゲーム場(arcadeアーケード)が完成と知り、すぐ県西部最大の都市、浜松に向かいました。
場所は浜松駅から歩いて15分くらい、浜松のダウンタウンの真ん中。広~い敷地を想像していたんですが、とあるビルの3Fと分かり「えっ?」と思ったんです。でも(リアルな広い空間は要らないんだ)と思い直しましたw。
90分体験し放題で入場料1800円のコースを選びました。とにかく色々やってみることに。
まず閉じ込められた部屋から(実際はゴーグル付きヘルメットのようなものをかぶるだけですw)の脱出体験を味わいました。
妙な奴が座ってる椅子にそろそろ近づくと、見上げるような高さにウヮッとなって襲い掛かって来るんです。そういう時は「わっゾンビ?!」と瞬間身がすくむのですが、勿論実害はなし。だからほっとするような、でもどこか拍子抜けするような、感じでした。
次に自転車で浜名湖や上海上空を空中ライド。これは楽しみにしていたんです。昔見たETの映画の思い出と重なったりしたので。
でも実際にやってみると、景色はすごいのですが、リアルでもVRでも自転車こぎは普通に大変!飛行機位の速さならよかったかもと思いました。
次は「乗り物」に乗りました。冬山とか深海とかをジェット船やジェットコースターでスイスイ。頭上も足の下も左右横も、ぐるり周りが別世界なので迫力満点の分だけ私は酔いそうになりました。時々headsetをずらして時々片目だけ現実に帰りましたw
後でスタッフから「これが一番人気」と伺い納得。ただ酔いやすい人はやっぱり要注意とのこと。
最後に射撃。電子で的を撃ちます。これも現実には屋台位の狭いスペース。ところがheadsetをかぶった途端、遠くに的が、開店祝いの花輪のようにいくつも立っていて、そこに電子の球を打ち込むわけです。なかなか手元が定まらず苦労しました。
平日の日中だったので、狙い通りガラガラ。待ちなしで90分を有効に使えました。
VR体験した上で、あなたにぜひお伝えしたいことが二つあります。
一つはVRに溺れ現実に帰らない人が出るのでは、という心配を聞いたことがありますが、今は心配はほぼないだろうと分かったことです。
Balenson博士の「Experience on demand」での言葉です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
VR reminds us of the richness and complexity of our human experience.
(VRに接すると、人の経験の豊かさと複雑さを思い出す)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
VRで最高の経験は、ヘッドセットを外し現実に戻る時だ。VRは貧しく単純。見えるモノは不自然、匂わない、皮膚にあたる風もない…
確かにそうです。そう言えば湖上で風が全くないのも不自然でした。
今のVRは複雑微妙さでは、まだ現実の足元にも及ばなそう。
二つ目は、VRの最大の欠陥?についてです。
実感したのはVRは完全に孤独なことです。つまりヘッドセットをかぶった途端、人は一人にされ体験を共有できません。だから逆に、そこが大きなノビシロで、もし誰かと一緒にVRを体験できるようになれば、話は大いに違うと思いました。
再びBalenson氏の言葉。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
VR is going to become a must – have technology
(VRが必要不可欠になるのは)
when you can simply talk and interact with other people in a virtual space in an utterly…normal way.
(ごく普通に仮想空間で人と話し関わりあえるようになった時だ)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
VRを共同体験できるようになれば、誰かと一緒にどこへでも行けるわけです。学校の授業でも使えそうだし、過去や未来にもタイムマシンみたいに行けるわけです。
共有可能なVRは近い将来できるのでしょうか。非常に楽しみです。引き続きVRはチェックしていきたい、と思います。
今回洋書をきっかけに、とても実のある取材ができました。
生まれて初めてのVR体験はやはり刺激的。
それに洋書で確かめた思いをあなたと共有できたのがハッピーです。 記事を読んでいただき有難うございました。
あなた自身も、英語を学び続け(VR関連等の)洋書も読めるようになると良いですね。
追記:
Bailenson, Jeremy. Experience on Demand Norton & Company. Kindle 版
https://amzn.to/3OZ17iw
<今週のJiro’s Quiz>
選んでね。
VR stands for virtual (1. really 2. reality 3.real).
・
・
・
・
・
・
・
・
正解は 2
VRは仮想の(1. 本当に 2.現実 3. 本当の) (の頭文字を)表す。
See you next time,
Jiro
私立学校に英語教師として勤務中、40代半ばに差し掛かったころ、荒れたクラスを立て直す策として、生徒に公言して英検1級に挑戦することを思い立つ。同様の挑戦を繰り返し、退職までに英検一級(検定連合会長賞)、TOEIC満点、国連英検SA級、フランス語一級、スペイン語一級(文科大臣賞)、ドイツ語一級、放送大学大学院修士号などの成果を得る。
アメリカで生徒への対応法を学ぶ為に研修(地銀の助成金)。最新の心理学に触れた。4都県での全発表、勤務校での教員への研修を英語で行う。現在も特別選抜クラスの授業を全て英語で行っている。「どうやって単語を覚えればいいですか?」という良くある質問に答える為、印欧祖語からの派生に基づく「生徒には見せたくない語源英単語集」を執筆中。完成間近。常日頃洋書の読破で様々な思考にふれているが、そうして得た発想の一つを生かして書いた論文がコロナ対策論文として最近入賞。賞品の牛肉に舌鼓をうっている。元英検面接委員