Hello everyone.
Noriです。
先月からテキストでお伝えしている「日本人がすごい理由」。
今回は「日本人の宗教観がすごい」というお話。
これ、どういうことかというと――。
神道、私たちのもともと日本にあった宗教ですね。そこに7世紀か8世紀頃、仏教がやってきて、それが混ざって「神仏混合」っていうことになったんですよ。
その途中で、「キリシタン」「バテレン」とか言われてたキリスト教も入ってきました。織田信長の頃ですね。織田信長はキリスト教、けっこう好きだったんですけど、その後ちょっと弾圧があって、江戸時代には禁止されて。「踏み絵」とかね、そういうものがありました。
…まぁ、それは置いておいて。
基本、日本人は、もちろんキリスト教の方もいますし、一部イスラム教とか、一神教の方もいらっしゃると思いますが、ほとんどの方は「まぁ、そういうところいいんじゃない?」という、ゆるいというか、神様に対して寛容な感じなんですよね。
なので、生まれたらお宮参りして、結婚式は神父さんの前で誓って、死んだらお坊さんを呼ぶ、みたいな、すごく緩い感じ。
宗教が元で人を殺したり、っていうことが日本にはないんですよ。
海外に行くと、ご存知の通り、宗教が原因で殺し合いとかありますよね。アイルランドとか、北アイルランドなんて、イギリスと、同じキリスト教なのに殺し合ったりとか。カトリックかプロテスタントかで争っていたという、そんな歴史もあります。
でも日本では、そういうのがない。
伊勢神宮と、どこか違う神社同士で戦ったとか、そういう話もないですよね。
なので、日本人はそのへん、いい意味で「緩い」という。
ですから、海外に行っても、いろんな人と仲良くなれるし、どこにでも入っていける。そんなところがあるんですね。
じゃあ、そういう意味では、全く信仰心がないのかというと、そうでもなくて。私たちの習慣の中に溶け込んでるんですね。
「私は神を信じません」
って言いながら、ちゃんと初詣行ったり、死んだらお坊さん呼んだり、法事もやったりする。
「これは習慣だから。神を信じてるわけじゃない」って言う人もいますけど、本当に神を信じてない人は、そんなことすらやらないですよね。
海外にも無神論者って人いますけど、そういう人たちは本当に、死んでも牧師さんとか絶対呼ばないし、たぶん、自然の中に撒骨(さんこつ)とかして終わらせたりする、と思います。
日本人の場合は、「神を信じません!」って言っても、ちゃんとお坊さん呼ぶし、お宮参りもする。
…それ、傍から見たら「信じてるじゃん」って感じなんですよね(笑)
多分、日本人が「信じない」っていうのは、「絶対神(唯一神)を信じない」っていう意味なんだと思うんです。
山の神がいたり、月の神がいたり、太陽の神がいたり。木まで神様ってことで「神木」って呼んだりして、つながってるっていう、自然が神って考え方ですね。
これは、ネイティブアメリカンとかアボリジニの考え方にすごく近いです。
アフリカで一緒に暮らしたマサイ族もそうでした。
だから、日本人の信仰って、ある意味で自由度が高くて、すごく豊か。
そういう信仰心を、私たちは自然に持っているんですよね。
海外で「神を信じてないのか?」って聞かれて、シュン…ってしちゃう人もいるらしいんですけど、そういうときはね、
「死んだらお坊さん呼びます。私は仏教です」って海外では言った方がスムーズかと思います。
うちも、誰かが亡くなったらお坊さん呼びますし、私が死んでもきっとお坊さん呼ばれると思いますから。とりあえず「私は仏教徒(ブディスト)です」って言っとけばいいと思います。
私は基本的には神道が好きなんですよ。
うちの父方のおばあちゃんが、神道の神社から来た人なので、どちらかというと私はそっち寄り。
なので、親しく深くなった友達には「私は神道です」って言うんですけど、神道って言っても海外のj人は分からないから、また英語で説明しなきゃいけない。
飛行機で隣に座ったぐらいの人だったら、「ブディストだよ」って言っておいて、神の話とか、宗教の話もしちゃいます。
英語では宗教の話はしないほうがいいって言われてますけど、あれは面倒だから言われてるだけで、実はめちゃくちゃ盛り上がります。何時間も話せます(笑)
私は積極的に話す派で、そういうスモールトークがビッグトークになるんです。
で、別れるときに「本当に話せてよかった!」って言ってくれる人が多くて、今でもFacebookでつながってる人、何人もいます。
たまたま隣に座っただけなのに。そういうのも楽しいかなと思ってます。
というわけで――。
「日本人のすごいところ」、今回は「日本人の宗教観がすごい」っていうお話でした。
それではまた次回。
See You Next Time.
昭和37年8月5日、福岡市博多区生まれ。26歳で渡米。飛行学校に入るが英語ができないためアメリカ人の教官から「帰れ」と言われながらも、ノルウェー人の教官に救われ、3ヶ月で英語ペラペラになる。あまりに英語が話せるようになったので、1年後にはアメリカ人を教える飛行教官になる。その後、全日空の同時通訳を務め、武蔵野学院大学准教授、名古屋大学理学部外部講師や、海上自衛隊将官トップマネジメントセミナー講師等も務める。自身が主催した「本城式英会話スクール」の受講生は1万人を超える。生い立ちから、現在に至るまでの詳細、また著書、講演履歴等はこちらから