ニューヨークと言えば、ブロードウェイのミュージカルを最初に頭に思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。思いもかけぬコロナの影響で、色々な辛酸を舐めましたが、少しずつ回復してきています。今日は新しいブロードウェイのミュージカル3本ご紹介。
Good night good luck / グッドナイト・グッドラック
George Clooney / ジョージ・クルーニーが主演・脚本を務めるブロードウェイ舞台good night good luck / グッドナイト&グッドラックは、1950年代のアメリカを舞台に、CBSのニュースキャスター、エドワード・R・マローが上院議員ジョセフ・マッカーシーの反共産主義活動に立ち向かう姿を描いています。
自由の国であるはずのアメリカでは冷戦時代初期、恐怖と偏見が蔓延する中、共産主義者は反政府派とみなされ、Red Purge / レッド・パージ (赤狩り) が行われました。メディア関係者、芸術家、公務員などが疑われ、次々と告発されたのです。
物語は、そんな中、マローと彼のチームが報道の力で真実を追求し、権力に対抗する様子を描いています。クルーニーは、実在のジャーナリストであるマローを演じ、彼の信念と勇気を、見事に舞台上で表現しているそう。
ちょうど現在のアメリカに必要なテーマなのかもしれません。
運良く開演前のこの劇場を通り掛かり、出演者たちがレッド・カーペットでインタビューに答えているところを写真に収めることができました。
Gypsy / ジプシー
今回の Gypsy / ジプシーは、1959年にブロードウェイで初演された名作ミュージカルのリバイバル。物語は、実在したストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの半生をもとに、彼女のステージママ・ローズとの関係を中心に描かれています。名もなき時代のバーレスクの世界で成功を夢見る母ローズと、抑圧されながらもやがて自立していく娘たちの葛藤がテーマ。
トニー賞®を6回受賞したAudra McDonald / オードラ・マクドナルドが、初のアフリカ系アメリカ人として主演。トニー賞受賞者のDanny Burstein / ダニー・バースタインとブロードウェイの新星であるJoy Woods / ジョイ・ウッズ、Jordan Tyson / ジョーダン・タイソン共演です。
先見の明あり、トニー賞を6回受賞したGeorge C. Wolfe / ジョージ・ウルフによる監督作品。ウルフと共にトニー賞に4回ノミネートされたCamille A. Brown / カミーユ・ブラウンによる振り付けです。
数々の*showstopper / *ショー・ストッパーが満載のGYPSY / ジプシーは「ミュージカル劇場の不滅の作品」として輝き中です!
(*ショー・ストッパー
そのショーを1旦ストップさせてしまうほどの、大歓声や大拍手を受ける曲のこと。そのミュージカルの、1番のクライマックスです。)
とても、見ごたえのありそうな作品ですね。
Stranger things : first Shadow / ストレンジャー・シングス: ファースト・シャドウ
「ストレンジャー・シングス:ファースト・シャドウ」は、2024年、ウエスト・エンド(イギリスのロンドンにある、アメリカで言うとニューヨークのブロードウェイのような、最高峰のミュージカル劇場が集まる場所)で絶賛を浴び、オリヴィエ賞(イギリスにて最も優秀なシアター・プレイに送られるアワード。アメリカで言うと、トニー賞のようなもの)の最優秀エンターテインメント賞を受賞しました。
Netflix で大評判を呼んだテレビドラマ、「ストレンジ・シングス」のテレビドラマ以前のお話(前日譚)、です。
実は私はまだ見ていないのですが、結構人気のあるドラマです。
ポスターにかいてある説明によると、話は1959年、インディアナ州ホーキンス。クリール一家は新たなスタートを始める。主人公は10代の息子ヘンリー。彼は、特に、問題を抱えた過去から逃れようとしている。超能力を持っていると。最初は、物事うまくいっているように見えますが、そののちに、衝撃的な何かが町を襲ったとき、ヘンリーは、恐ろしい真実に立ち向かわなくてはならなくなり。
さて、この後は・・・という感じのようです。
この劇の初演は、2023年の12月のイギリスのロンドンで、アメリカのニューヨークでは2025年3月からマーキス劇場で初演されています。
劇は1回の休憩を含めて2時間45分続きます。このポスターを見ても少し見当がつきますけれど、ステージの上で超科学現象を見せるのは、なかなかのトリックが必要なはず。そのエフェクト効果やパフォーマンスの凄さ、きっと見応えがあるのだと思います。
こんなふうに、あらゆる劇場で、ブロードウェイのショーは盛んに盛り上がって来ています。2025年も、大勢の若者が夢を求めてニューヨークに集まり、またそれに大勢の観客が大きな喝采を送ることでしょう!
それではまた来週♫
Kayo
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。