気がつけばもう3月も終わり。
先週の東京は,あられや雹,みぞれが降るなど
「真冬?」
と言いたくなるような日がありましたが,それでも今週は暖かくなってきて
「やっぱり春が来ているんだなぁ」
と感じる今日この頃。
おはようございます。木曜のCozyです!
私,春になると思い出す英語があるんです。
ほら,物を渡す時に言う定番の “Here”から始まる「あの」フレーズですよ。
あなたはどんな英語がわかりますか?
―使うシチュエーションが大事なの―
ネイティブが,
「初心者の英語」と「ネイティブの英語」
を比較して紹介しているものでした。
こういうのって面白くてつい見ちゃう私。
でも今回は,
「はぁ?」
って声がでちゃったんです。
なぜだと思います?
だって,
初心者英語とネイティブ英語,そのどちらも普通にネイティブが使う表現なんですもの。
では何が違うのか。
それは,使うシチュエーションが違うだけ。
つまりTPOが違うだけなんです。
ネイティブ英語として紹介されているものは,ほぼすべてがカジュアルな表現。
そして,初心者英語として紹介されているのは,ちょっとかしこまったフォーマルな表現なんです。
例えば,
“How are you?”という挨拶の表現。
ネイティブは
“What’s up?”や “How’s it going?”
を使うと紹介されているものが多くあります。
“How are you?”は,ビジネスやフォーマルな場所,目上の人に対して等の場合に使い,”What’s up?”はとてもカジュアルな表現なので,友人などに対して使います。
これら2つともネイティブは普通に使っています。
そこを知らずに,
「自分の知っている表現ってネイティブは使わないんだ」
のように早合点してしまうと,フォーマルな場面で自分だけカジュアルな表現を使ってしまうことにもなりかねません。
知識を増やすことはとっても大切。
でも,状況によって使い分ける必要のある表現もあるんだということを覚えておきましょうね。
― “Here you are.”と “Here you go.”の違い―
私が英語教育の世界に入った時,一番最初に携わったのは幼児・児童英語でした。
午後3時くらいになると,幼稚園や保育園の制服を着た子どもたちが廊下をパタパタと早足で歩いてきて,
“Hellooooooo~~~~!”
と挨拶してきます。
そして,宿題を出しながら
“Here you are.”
と言うのです。
この
“Here you are.” は,
提出物を渡したり,ペンなどを手渡したりするときに必ず言うように教えるんです。
聞いたことや,使ったことがある人も多いと思います。
そんな “Here you are.”ですが,
もう一つ,同じ意味で使われるフレーズをご存知でしょうか。
そのフレーズとは,
“Here you go.”
これも同じように物を手渡すときによく使われます。
“Here you are.”と “Here you go.”,同じ意味で使われているのに
何が違うのか…
そうなんです。
大きく分けると,
フォーマルかカジュアルか
なんです。
“Here you are.”は,ビジネスやホテルのフロントなどのように,
ちょっと丁寧に言う場合に使えるフレーズ。
ビジネスの場面で,
A: Could you give me the updated report?
(最新の報告書をいただけますか)
B: Yes. Here you are.
(はい。はい,どうぞ)
だったり,
図書館で本を借りる時に,
A: I’d like to check out this book.
(この本を借りたいのですが)
B: Here you are. It’s due in two weeks.
(はい,どうぞ。期日は2週間です)
のような感じで使えます。
一方, “Here you go.”は,
A: This cake looks amazing! Can I have a slice?
(このケーキ美味しそう!一切れもらっていい?)
B: Sure. Here you go!
(もちろん。どうぞ!)
のように,友人や家族との間で使ったり,
A: Can I get a cheeseburger and fries?
(チーズバーガーとフライドポテトをお願いします)
B: Okay, here you go!
(わかりました。はい,どうぞ!)
のようにカジュアルなレストランやファストフード店などでも使えたりします。
このように“Here you go.”は,ちょっとカジュアルな感じで使える表現なのです。
“Here you are.”が「はい,どうぞ=こちらでございます」
のようなイメージだとすると,
“Here you go.”は,
「はい,どうぞ=はーい(と言って渡す)」
といったニュアンスでしょうか。
“are”と “go” で,こんなに雰囲気が違うんですね。
言葉って面白いです!
― “Here you go.”にある言葉をつけると…!?―
“Here you go.”は,カジュアルに「はい,どうぞ」なのですが,そこにある言葉をつけると,まったく意味が違う表現になるんです。
その言葉とは,
“again”。
“Here you go again.”
とすると,一体どのような意味になると思いますか?
A: I think pineapple doesn’t belong on pizza.
(パイナップルはピザに乗せるものではないと思う)
B: Here you go again.
だったり,
A: My boyfriend still hasn’t texted me back. He always leaves me on read.
(彼氏から返信が来ない。いつも既読無視なんだよね)
B: Here you go again…
わかりましたでしょうか。
その意味は,
「また始まった」
「またそれか」
なのです。
いつも愚痴ばかりの人が,また愚痴を言い始めたら
“Here you go again.”
自分の考えを押し付けがちな人に対して,
“Here you go again.”
直訳すると「またあなたはそこへ行く」なのですが,いつもいつも同じことを繰り返す人に対して,
“Here you go again.”(またそこへ行く=またか,またそれか)
のように使うんですね。
これを書いていて思い出したのが,
Whitesnake(ホワイトスネイク)の名曲,
“Here I go again (on my own)”
1982年にリリースされたものがオリジナルのようですが,私は1987年によりハードロック寄りで再録された方に馴染みのあるこの曲。
“you”を “I”にして,自分のこととして
♪Here I go again on my own~♪
「まただよ(同じ状況だよ)」
という意味に
“on my own”(誰にも頼らずに)
がついて,
「また一人で歩きだすよ」
という自分の道を行く決意の曲なんですね。
あー,とても懐かしくなってきたので
今日はこの曲をじっくりともう一度聞いてみることとします。
それでは皆様,また来週〜♪