“Of course!”
この英語,あなたはどう訳しますか?
と突然の質問から始まりましたが,Cozyでございます。
おそらく多くの方は,
「もちろん!」
と訳されたのではないでしょうか。
それも正解なのですが,
英語では,こんな使い方もあるんです。
―「もちろん!」じゃない “Of course.”―
現在,とある教育機関向けの教材を制作しています。
10年くらい前に書いたストーリーを参考にしながら書いていたところ,
こんな文章に再会しました。(内容はちょっと変えています)
[アメリカのショッピングモールである物を探している主人公。
見つからず,ショッピングモールのインフォメーションに訊いたときの会話]
案 内: “Have you tried the shop on the 3rd floor?”
主人公: “Of course! I’ll go there. Thank you.”
この会話の中での “Of course!”を
「もちろん!」
と訳してしまうと,
案 内:「3階のお店には行かれましたか?」
主人公:「もちろん!行ってみます。ありがとう。」
(え,もちろん!って,その店には既に行ったってこと?
でも,[行ってみます。]って,まだ行ってないってこと?)
と変な疑問が浮かびませんか?
実は当時の私,そのページの下の注意書きに,
「通常,日本では “Of course.” を[もちろん。]と訳してしまうことが多いのですが,
この場合の “Of course.” は,「たしかに!」という意味で使っています。」
というようなことを書いておりました。
たしかに!(笑)
そうなんです。
“Of course!”って
「たしかに!」
という使い方もあるんです。
この対話文の場合は,
「3階のショップには行かれましたか?」と訊かれたのに対して,
「そうですよね(もちろん),これから行ってみます」
のような意味合いを含めた
「たしかに!(そうですよね!)」
なんですよね。
このように,“Of course.”には「同意」などを示すニュアンスがあるんですね。
―気をつけたほうがいい “Of course.”―
“Of course.”の基本的な意味は,「もちろん」ですよね。
A: May I ask you a question?
(ちょっとお訊きしたいのですが。)
B: Of course.
(もちろんです。)
このような会話だと,特に何も問題ないような気がします。
でも,使い方によってはちょっと上から目線というか,強く感じてしまうこともあるんです。
例えば,
A: Do you think I should finish this task today?
(これ,今日中にやった方が言いと思う?)
B: Of course.
(当たり前じゃん!)
と,言い方にもよりますが
「当たり前」
「当然」
のような「許可・許諾」の意味にもなり得ます。
しかも,わりと上から目線の許可(笑)
なので,使う場合は強く言ったり,ぶっきらぼうに言ったりするのではなく
ソフトに優しく言うようにしましょう。
―「もちろん」と言いたい場合は,これもアリ―
「“Of course.” と言うと,場合によっては強く感じることもあるのか…」
と思われたアナタ!
大丈夫です。
基本的には言い方を気をつければ問題ないのですが,それでも他の言い方もしたいですよね。
そんな場合には,
“Sure.”
がいいかもしれません。
この “Sure.”は,「賛成・同意」を表す,とてもよく使われる表現です。
「賛成・同意」なので,とってもポジティブ。
A: Can I see your notebook?
(ノート見せてもらってもいい?)
B: Sure.
(もちろん[いいよ。どうぞどうぞ])
という感じ。
これだと上から目線的でもありませんし,何より簡単!
ちょっとカジュアルな感じですが,私が出席する会議などではネイティブたちもよく使っています。
この “Sure” に “thing”をつけて,
“Sure thing.”
とすると,もっとカジュアルに
「もちろんいいよー!」というニュアンスになります。
友だちや家族など,親しい人に使うことができますね。
―場面に応じた「もちろん」―
「許可・許諾」の意味合いの “Of course.”,
「賛成・同意」の “Sure.”
さらにカジュアルに, “Sure thing.”
「もちろん」という表現は場面によってもっとあるのですが,
カジュアルなものとフォーマルな表現をもう1つずつご紹介。
[カジュアル編]
“Why not?”
何かを頼まれた時などの返答に使う「もちろん」。
直訳すると,「なぜダメなの?」という意味になりますが,何かを頼まれて,
「なぜダメなの?」=(断る理由なんてないよ)
という意味から,「もちろん(喜んで)」として使います。
A: Are you going to join the meeting today?
(今日,ミーティングに参加する?)
B: Why not?
(もちろん![参加しない理由はないよ。])
[フォーマル編]
“Certainly.”
これ,ホテルやレストラン用の英会話集で,
「かしこまりました。」として紹介されているのを見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。
ちょっとかしこまった硬い表現なので,ビジネスやレストラン,ホテルなどで使われています。
A: I’d like to reserve a table for 2 at 8 tomorrow.
(明日の夜8時に2名でテーブル席を予約したいのですが。)
B: Certainly. Could I have your name and phone number, please?
(かしこまりました。お客様のお名前とお電話番号をお伺いしてもよろしいいでしょうか。)
このような感じで,丁寧でフォーマルな場合などに使われます。
これも
「かしこまりました」→「もちろんでございます」
のように使われるんですね。
さて,冒頭で “Of course!”は,「たしかに!」というニュアンスでも使われるとお話しました。
前々回のエッセイで,
『私の口癖って,「やっぱり」という言葉が多い気がします。』
とお話したのですが,周りの人に訊いてみると
「[たしかに!]ってよく言ってるよね!」
って言われました。
そして,意識しながら会話していると…
言ってました,「たしかに!」って。
そして,それを「ほら,言っているじゃん!」
って言われて,また言ってしまうのです。
「あ,たしかに!」
って。
ということで,また来週も読んでくださいね〜♪
(きっとあなたはここで “Sure.” “Why not?”とか言ってくれたはず!(^^))
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。