Hey!guys.
月曜日のSwatchです。
今回は、国際化社会とグローバル化社会という二つの言葉について考えてみます。
英語にすれば、International(国際化)と Globalization(グローバル化)ですが、その違いをどう理解するかの問題です。分かっていそうで、分かっていない言葉です。実は奥深い。
国際化は、国境を維持して、相手国の伝統や文化、さらに制度を尊重し、相互に違いを認めて、交流していく国同士の関係を言います。
一方、グローバル化は、国際化の国境にこだわらず、人、物、金の流れを活発化させて、発達していこうという考え方。
あなたは、グローバル化すれば、自由な世界が生まれると思いますか?
<国際化で守られる国の伝統、文化、制度>
グローバル化すれば、全て自由でうまくいくと考えるのは早計です。
1990年代後半から始まった、政府、財界が「オシ」てきたのは、間違いなくグローバル化。
アメリカを中心として、米国的な水準に各国が合わせるという現象が起きました。
今、問題視されている移民を受け入れるという問題は、実はその頃に種がまかれていた。と、考えれば、グローバル化は、私たちの知らない間に、政府の機関が着々と準備を進めていたと言える。
「そんなこと聞いてません」ととぼけても、少し遅い感じがする。
グローバル化という良くわからない言葉にごまかされているのかもしれません。
最近国民が分かってきたのは、グローバル化によって、国境という考えが薄れたということ。
だからといって、日本の国民が自由に国を行き来できるということではない。
反対に、外国の制度が日本に押し寄せてきているののは、ご存知の通り。
我が国の伝統や文化を無視して、制度の変更や伝統的な行事を禁止させようとする。
「捕鯨禁止」は、その良い例。
Swatchの職場の大学でも、あらゆる制度に関して、グローバル化が叫ばれているのです。
日本の大学の入学時期を世界の制度に合わせて、4月から8月にしよう。
日本語は国際語ではないので、英語で授業をして留学生を呼び込もう。
今まで、日本は海外の良いところを取り入れて、発展してきた。
その「良いところ」とは、日本人が選んだ、日本に適合しそうな「新しいもの」であった。
そこに、国境という意識、他国への尊敬があった。さらに、相互に違いを認めて交流していくという国際化という概念があった。
日本という国は、国際化で守られた国であり、その伝統、制度を存続させてきたのである。
<グローバル化に必要な英語 英語の公用語化>
グローバル化の波が日本に届いた1990年代後半に、今述べたような英語の重要性が制度改革として、大学を中心として入ってきた。
ある日本企業では、英語を公用語として、TOEICの高得点取得を義務化した。会議は英語で議論することとなった。さらに、入社試験でもTOEIC800点以上が雇用条件にされるなど、エスカレートしている。
英語が注目されるのは、グローバル化には多言語化が理想の中で、突破口となるのは英語によるコミュニケーションだからだ。
英語は、コミュニケーションの共通言語として、グローバル化してきた。他言語にない圧倒的な語彙数により、英語でなくてはコミュニケーションできない状況になっている。
文化的に言えば、母国語に堪能であっても、その国の言葉(母国語)の語彙がグローバル化していなければ、最新の知識の獲得ができない。特に学術論文は執筆できない。
そこで母国語のグローバル化という考えが生まれ、日本の英語力向上と非日本語話者との意思疎通能力の向上を目的として、英語の公用語化が提案された。
大変なことだ!
2000年、小渕首相の私的諮問機関である「21世紀日本の構想」懇談会が、英語を第二公用語化する構想を示したのである。
日本政府や政府の機関は、本当に正直なところがあり、政府の動きを割合早い段階で、国民に提示する傾向がある。花火の打ち上げのようなものである。
英語の公用語化は、構想段階であり、具体的な公用語化計画はないと言われています。が、一度上げた花火は、火種となってくすぶり続け、違った形で秘密裏に展開しているのも、日本政府の良くある話である。
それは、文部科学省による小学校での英語必修化など、英語教育の拡充という形で進展しています。
2020年度より小学校英語が教科化され、5・6年生から教科として外国語の授業が始まった。それにともない、中学校英語科の目標及び内容が高度になり、日本人の英会話能力は上がるはず。
<英語の第2公用語化で失われる日本語と日本の精神>
グローバル化で最も必要なことは、世界で一番コミュニケーションしやすい言語「英語」の達人である。
達人を作るには、英語を公用語化し、子どもの時から英語を履修させる。つまり言語のグローバル化がなされば、日本政府がたくらむグローバル化は飛躍的にやりやすくなる。
大学の授業は、欧米大学のグローバル基準で、留学生が一人でも教室にいれば、留学生の母国語以外の言葉、手っ取り早く言えば、英語で授業をしなければならないのである。
コンビニにいって、留学生が一所懸命覚えた日本語で接客してくれる現在の状況が一変する。
コンビニの留学生アルバイトは、英語で接客すれば良いのである。
言語のグローバル化が達成され、日本語でも英語でも用が足せるようになる。便利なようで、実は日本人にとっては、非常に不便である。
つまり、日本人が外国人に合わせているだけなのだから。日本の文化を尊重し、文化や伝統を守って一緒に生きていくという外国人はいなくなるだろう。
言葉は、自分自身のアイデンティティを主張するための道具であり、手段である。その手段を手放した時に、日本語は圧倒的に便利な言葉である英語に、駆逐され、文化と伝統も継承されなくなる。
日本政府や機関は、グローバル化によって達成される経済発展や労働者不足の解消という課題に対応することはできるかもしれないが、日本の大切な文化、伝統を失うことになるかもしれない。
超少子高齢化社会の日本が生き残る道は、グローバル化しかないのであろうか。今考えておかなければ、「昔の日本は良かったなあ」という言葉で今の時代を懐かしむ老人になっているかもしれない。
“Culture makes us Human!”
(文化が人を作る)
という言葉がある。その文化が2つになった時、つまり、日本語と英語になった時、日本人のアイデンティティは失われてしまう。あくまでも、
“Japanese makes us Japanese!
(日本語が日本人を作る)
のである。
英語は、グローバル化のための道具であり、母語は、日本語なのである。
しかし、道具である英語は、常に磨いておかなければ使い物にならない。あなたは、それが分かっているのと思う。
執筆家・英語教育・生涯教育実践者
大学から防衛庁・自衛隊に入隊。10年間のサバイバル訓練から人間の生について考え、平和的な生き方を模索し離職を決断する。時を同じくして米国国費留学候補者に選考され、留学を決意。米国陸軍大学機関留学後、平和を構築するのは、戦いを挑むことではなく、平和を希求することから始まると考えなおす。多くの人との交流から、「学習することによって人は成長し、新たなことにチャレンジする機会を与えられること」を実感する。
「人生に失敗はなく、すべてのことには意味があり導かれていく」を信念として、執筆活動を継続している。防衛省関連紙の英会話連載は、1994年1月から掲載を開始し、タモリのトリビアの泉に取り上げられ話題となる。月刊誌には英会話及び米軍情報を掲載し、今年で35年になる。学びによる成長を信念として、生涯学習を実践し、在隊中に放送大学大学院入学し、「防衛省・自衛隊の援護支援態勢についてー米・英・独・仏・韓国陸軍との比較―」で修士号を取得、優秀論文として認められ、それが縁で定年退官後、大規模大学本部キャリアセンターに再就職する。
修士論文で提案した教育の多様化と個人の尊重との考えから、選抜された学生に対してのキャリア教育、アカデミック・アドバイジングを通じて、キャリアセンターに新機軸の支援態勢を作り上げ、国家公務員総合職・地方上級職、公立学校教員合格率を引き上げ高く評価される。特に学生の個性を尊重した親身のアドバイスには、学部からの要求が高く、就職セミナーの講師、英語指導力を活かした公務員志望者TOEIC セミナーなどの講師を務めるなど、大学職員の域にとどまらぬ行動力と企画力で学生支援と教員と職員の協働に新たな方向性をしめした。
生涯教育の実践者として、2020年3月まで東京大学大学院教育研究科大学経営・政策コース博士課程後期に通学し、最年長学生として就学した。博士論文「米軍大学における高等教育制度について」(仮題)を鋭意執筆中である。
ワインをこよなく愛し、コレクターでもある。無農薬・有機栽培・天日干し玄米を中心に、アワ、ヒエ、キビ、黒米、ハト麦、そばを配合した玄米食を中心にした健康管理により、痛風及び高脂質血症を克服し、さらに米軍式のフィットネストレーニング(米陸軍のフィットネストレーナの有資格者)で筋力と体形を維持している。趣味はクラッシック音楽及びバレエ鑑賞。
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