2024年7月末から8月にかけてパリ・オリンピックが、そして8月末から9月先日まで、パリ・パラリンピックが開催されました。
なのですが、アメリカ人は、あまりオリンピックを観ない、というのが通説になっているようで、なかなかテレビのオリンピック視聴率が上がらないそうです。
多くの日本人が、眠い目をこすりながら夜中の2時や3時の中継を一生懸命応援しているのとは、まるで様子が違います。なぜか。今回はそんなお話です。
なぜアメリカ人は、あまりオリンピックを観ないのか、理由を3つ探してみました。
1、オリンピック、種目が多すぎる?
最近のオリンピックは、全然知らないような競技がたくさんできてる、と言う声を聞きました。時代が流れるとともに、スポーツもいろいろ増えているのでしょうか。
私なども、名前を聞いたこともないような種目がたくさんあります。実は、私はオリンピックをあまり見たことがありません。
今年は、取材のためと思って少し見たのですが、よくわからない競技は、ルールもわからないですね。
2、点数をつける競技での基準がよくわからない。
もう一つの単純な疑問は、審査員が点数をつける競技では、一体誰がどんな基準で勝敗を決めてるのか、です。
審判が点数をつける競技は、なぜこんな点数がつくのか、分からない。そして点数をつけている一人ひとりの審査員が、どこから、どういう基準で選ばれて、どういうところを観点として点数をつけているのか、の説明をしてほしい。
そう言っている人が結構いました。そういうところが、オリンピック離れの人々を増やしているのかもしれません。
3、テレビ中継で盛り上がる競技は、アメリカ合衆国が強いものばかり。
これが一番の要因かもしれませんが(笑)私がアメリカで生活していてまず思ったのは、最近のオリンピックでは、アメリカ選手が強い競技しか、テレビ放映にはならない、ということです。
残念ながら日本の選手が金メダルを取るところは、まずアメリカのテレビで見ることができません。
また、日本人が一丸となって、テレビで応援しながら金メダルを狙うのとはまるで違って、アメリカでは、それぞれ人々が応援する国が違うんです。
アメリカは他民族が共に生活している国だ、と言う事をまざまざと気づかされます。
なぜなら、アメリカ合衆国は、多くの移民により、この国が成り立っているから。
私は、アメリカでオリンピックを見ていても、日本の応援をしています。同じアパートで、斜め向かいに住んでいる韓国人の女性は、韓国を応援しているし、ナイジェリアから来ているご近所さんは、ナイジェリアです。メキシコ人の、レストランでの同僚は、応援するのは当然メキシコです。
「アメリカ」を応援する人は、アメリカに住んでいる人の何%ぐらいいるのだろう。
余談になりますが、日本人の陸上リレーは、神業のようだ、と言う噂があるそうです。バトンの受け渡しが、見事なのだそうです。
その点アメリカは、50もの州が1つになったものが「アメリカ合衆国」です。陸上リレーでの、バトンを受け渡すテクニックがヘタだそうで、ずいぶんSNSで叩かれていたようです。
でも考えてみると、アメリカ陸上リレーの代表選手といっても、このたび、パリで初めて顔を合わせたようなグループだろうし、50もある州の中から選ばれた、トップクラスの数人です。そして、彼らは各自それぞれ個人競技では金メダルを争うライバル。アメリカがリレーが下手でもいいじゃないか、と言う気がしてきます。(笑)
8月11日の開会式から、いきなり物議を醸し出してきたパリ・オリンピック。あの開会式も、随分と斬新なものでした。世界中のキリスト教徒を敵に回した?とまで言われましたね。私などは、同じクリエイターとして、うわー、すごい、度胸あるな、斬新だな、などと思いましたが、世界中の各地では、特に保守派の人々の多い国々では、けっこう怒り狂った人々もいたようでした。
最後になりますが、あの大変な時期、パンデミックの真っ最中での東京オリンピック、ついこの間の事のように思われますが、もうすでに3年経ってしまったのですね。
あの時、日本のオリンピックに関わった人々は、どれだけのご苦労があったことか。今さらですが、あれだけ頑張って開催までこぎつけた、多くのボランティアを含め盛り上げてこられた方々の、ご尽力をお察しします。
次のLAのオリンピックはどんな感じになるのかしら。開会式など含めて、お国柄が出るので、そういう意味でも楽しみですね。そんなことを言っている間に、あっという間に4年経っちゃうんだろうなぁ。
それではまた来週♫
Kayo
P.S.
懐かしいパリでの演奏写真があったので、載せておきます。これは、ソルボンヌ大学近くのジャズクラブでした。パンデミックでお店閉めちゃったみたいで、残念です。いつもソルボンヌ大学の学生でいっぱいで、わいわい楽しいクラブでした。
あと懐かしいのが、2014年パリ日本文化会館の、館長招聘のコンサート。まだ、どこかにポスターあったかな。あれから、毎年のように、パリには演奏に行っていました。懐かしいな。
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。