木曜日のCozyです!
先日,料理をしながら何気なくテレビを見ていたんです。
たしか,ある新しい技術を紹介する番組でした。
ロボットが自動で動いて,まるで生き物のように形を変えていく。
「へぇ,すごいなあ」と感心しながら見ていたその時,
リポーターが一言。
“Wow, that’s funny.”
私はとっさに
「……ん?」
と思いました。
「そこで “funny”?」と。
あなたは,なぜ私が疑問に思ったか,わかりますか?
―日本語の「おもしろい」って―
その番組は,先述したとおり真面目な内容だったのですよね。
そこでレポーターが言った
“Wow, that’s funny.”
きっと,
「わあ,おもしろいですね」
というつもりだったのだと思います。
でも “funny”の基本的な意味は,同じ「おもしろい」でも
笑いのある「おもしろい」
なんです。
なので,ジョークやコメディー,冗談,ちょっとした失敗なんかに使います。
“That movie was so funny!”
(あの映画,めっちゃ笑えた!)
“You’re so funny!”
(あなたっておもしろい人ね!=笑わせてくれる人)
また,もう一つ
何かが変だという意味の「おかしい」
という意味もあります。
“That’s funny… it was here a minute ago.”
(あれ?おかしいな。さっきまでここにあったのに)
つまり“funny”には「笑える」だけでなく,「ちょっと変」という意味もあるんです。
だからリポーターが言った
“Wow, that’s funny.”
って,
① 何かロボットが滑稽な動きをして面白かった
② ロボットの調子がわるく,様子がおかしかった
のかな?と思ったんですよね。
でもいずれも違う。
その方が言いたかったのはきっと
「わあ,おもしろいですね」
だと思うんです。
じゃあ,それは英語でどういうか,考えてみましょう。
―興味をひく面白さ―
日本語では,「おもしろい」というと
・笑えるおもしろい
・興味深いおもしろい
があると思うのです。
レポーターが言ったのはきっと後者。
この場合の「おもしろい」に使えるのは
“interesting”
です。
ご存知の方の多いのではないでしょうか。
これは「へぇ〜」「なるほど」「おもしろいね」という知的な興味のほう。
笑うのではなく,頭の中で「考える」おもしろさです。
だから本来は
“Wow, that’s interesting!”
と言えば,
「わあ,おもしろい(興味深い)ですね」
となって,違和感ゼロだったんですよね。
“That’s interesting!”
(へぇ,それ興味あるね)
“It’s interesting how it works.”
(どう動くのかが面白いね)
こんな感じで,興味をひく面白さを表現するんですね。
―感情を分けて言葉にする―
日本語では,笑っても感心しても「おもしろい」の一言ですみますよね。
聞いたほうもすぐに
「笑えるのか,あやしいのか,興味深いのか」
が,自然に判断できます。
その便利さのせいで,私たちは
「おもしろい=“funny”」
を使いすぎてしまうのかもしれません。
もしくはその反対に
笑えるおもしろいに,つい
“interesting”
と言ってしまうこともあります。
そんな私も昔,友人と何かを話していて
“That’s so funny.”
と言ったことがあります。
その際に友人から,
“Funny ha-ha or funny weird?”
(=笑える “funny”?それとも 変な “funny”?)
と聞かれたことがあります。
それくらい英語って,感情をきちんと分けて言葉にするんですよね。
笑いは“funny”,
驚きは“surprising”,
関心は“interesting”。
日本語が感情を包み込む言語だとすれば,
英語は感情を分けて見せる言語。
その違いが,表現の細やかさにもつながっている気がします。
あの時の
“Wow, that’s funny.”
もし「変わってるね」という意味なら正解。
でも
「へぇ,すごい!」
のつもりなら,その場にいた技術者の人には少しズレて聞こえたはずです。
たった一語の違いで,伝わる感情はまるで変わる。
だから英語って,やっぱり“interesting”なんですよね。
それでは,今日も良い一日を!
See you next week〜!
英語教材開発・制作者
米国留学から帰国後、幼児・児童英語教師を経て、中学・高校英語、受験英語、時事英語等多岐にわたる指導を行い英語教師経験を積む。また、ホテル勤務での実践英語経験を積んだり、カナダにて現地の子どもたちの英語教育にも携わりながら、CertTEYL(世界での児童英語講師認定コース)の認定を受ける。さらに、青山学院大学でTutoringの研究員としても活動。英語講師養成のeラーニングコースの日本での立ち上げメンバーとなる。「現場での経験を教材に活かしたい!」と、現在は英語教材開発会社にて日々教材開発に勤しむ。高校入試用のリスニングトレーニング教材(塾・学校向け)は累計10万部以上のベストセラーとなる。英語教材開発の傍ら、全国の英語教師への研修なども行う。また、土堂小学校(広島県尾道市)での英語指導や、初の民間校長として一躍時の人となった藤原校長(当時:杉並区立和田中学校)が手掛けた英語コースの指導に2年間携わるなど、英語教育に関する多様な分野で活躍。大の犬好きから、ホリスティックケア・カウンセラーなどペット関連の様々な資格を取得し、ペットライターとしても活動中。






