最近のアメリカ人旅行者で、日本へ行きたい人というと、ついついアニメやゲームのファンの若者かと思いがちですが、それだけでもなく、京都や金沢へ行ってみたいと言う大人もいます。
今回は、このコロナ明けに、生まれて初めて日本に行った!というアメリカ人の友人に、初めての日本の感想を、色々と聞いてみました。
まずは、とにかく印象に残ったこと3つ、挙げてもらいました。
日本は街がきれいで静か
まず1つ目、街がきれいで静か。どこにもゴミひとつ落ちていなくて、おまけにゴミ箱までなくて、日本では普通、ゴミを家に持って帰る、と言うのを聞いて、とてつもなく驚いたようです。
これは日本の教育の成果なのでしょうか。道徳の時間、というのが私たちが子供の頃にはありました。人間として、どういうことをするべきではないとか、みんなが心地よく、普通に生活するためのモラルやルールを、子供の頃から学んでいたような気がします。
「ゴミは必ず家へ持って帰る」と言うのは、世界でもちょっと行き過ぎかもと思いますが、まず「ゴミが出たらゴミ箱に入れる」それを常識の線とすると、アメリカではそれさえ知らない人がとても多いようです。
アメリカで、面白い話を聞いたことがあります。
「人々が皆、ゴミをちゃんとゴミ箱に入れていたら、道路掃除の人の仕事がなくなっちゃうでしょ、それはよくないことなんだよ。ちゃんと、彼らの仕事がいつまでもあるように、私たちがある程度道路を汚さないと。」
ジョークのようですが、この人は、真顔でこんなことを教えてくれました。世の中には、いろいろな考え方があるものです。
トイレなどのインフラの充実
2つ目は、トイレなどのインフラの充実。地下鉄の駅でさえも、普通にトイレが使えて、おまけにとても清潔。フォトは、駅前の公衆トイレだそうで、とってもおしゃれだったと。
ニューヨークでは、まず地下鉄駅でトイレが使える事は無いです。危険なため、1970年代に普通の地下鉄の駅のトイレはすべて閉鎖された、と聞いています。その後、もちろん改良されてきているけれども、駅でトイレが使えるのは、グランドセントラル駅など、ごく限られた大勢の人の目に触れる場所ぐらいでしょうか。
近頃は、観光客の来るところには、パブリックトイレットが少しずつできてきましたが、でも日本の比ではありません。インターネットで、世界で1番、公共のトイレが綺麗な場所は?とリサーチすると、必ず「トーキョー・ジャパン」と出て来ますものね。世界で1番公共トイレがグッドな国、日本です。
タクシーがとても良かった
そして3つ目は、タクシーがとても良かったとの事でした。タクシーを呼ぶアプリがあって、大概3分ほどで来てくれて、場所によっては、迎車料金が無料だったり、高くても300円位。そして、ほとんどの車が新しく、中が広かったと。
とても清潔で、おまけに自動ドア。ドライバーさん達もほとんどの人がとても感じが良く、荷物があればスーツケースをトランクに入れてくれたり、それも笑顔で。
(ニューヨークではまず考えられません。車のトランクにスーツケースを入れるのは、客が普通自分でやるものだと。笑)
アメリカだと、サービス業のカテゴリーが少し違うような気がします。ホテルの従業員は、高級ホテルに行けば慇懃無礼な扱いをしてくださる方もありますが、一般市民が普段接するような状況だと、例えば、普通のタクシーに乗っても、なかなか日本のような良いサービスは受けられません。
ともすると、タクシードライバーの方が、偉そうです(笑)。私など、人生について、乗車中ずっと説教されていたこともあります。(笑)
日本では、タクシーのチップもいらないので、会計も明朗会計。座席にまっ白なカバーがかかっているのも、感動したようです。
素敵な日本。とっても良い思い出をたくさん、アメリカに持ち帰ってくれたようです。なので、今回の3つと言わず、来週またこの続きをインタビューしてみようと思います。日本の良いところ、どんどん聞いていきましょう。
それではまた来週♫
Kayo
P.S.
私が初めてアメリカの地を踏んだ時、どう感じたか、ずいぶん前の事ですが、思い出してみました。
ニューヨークのジョン・エフ・ケネディ空港に着いて、一歩空港の外に踏み出したとき、空気の匂いが違うと思いました。太陽の光が強いように感じ、人々の動きが輝いているように見えました。
これが、思い焦がれていたアメリカなんだ、とうとうやった、ついに来ちゃった、そう考えると、体中から震えが湧いてくるような気がしました☆
平木かよ / Kayo Hiraki
ニューヨーク在住 2017年より、世界屈指の米国グラミー賞の投票権を持つ。同じく米国スタインウェイ・ピアノ公認アーティスト。現在、グリニッジ・ビレッジのジャズの老舗「Arturo’s」のハウス・ピアニストとして、週に5日、自己のトリオで演奏活動を続けて26年目。ニューヨーカーに、スイングの楽しさを届けている。ベースの巨匠、ロン・カーターとのトリオで、ブルーノート・NYへも出演。JALの国際線機内誌でも、海外で活躍する日本人として大きく取り上げられた。また、舞台「ヴィラ・グランデ青山」では山田優がジャズシンガーに扮するシーンでの、ミスティーのピアノ伴奏。カナダ・トロント・リールハート国際映画祭でブロンズメダルを受賞した映画「Birth Day」への挿入曲提供と共に、ピアニスト役で出演。フランス・パリ日本文化会館での館長招聘コンサートや、台湾にて、最大規模を誇る、台中ジャズフェスティバルへの出場など、世界を股にかけるスイング感あふれる彼女のピアノとボーカルには、定評がある。定期的に、くにたち音楽大学ジャズ専修で講義を持つ。